(C)2016「君の名は。」製作委員会

大ヒット公開中の『君の名は。』。同作は、夢の中で身体が入れ替わってしまうところがコミカルに描かれています。立ち振る舞いや言葉使いも、入れ替わると全然違うものになるから面白いですよね。

今回はこのように身体が入れ替わってしまう映画を5作紹介いたしますね。

現在公開中『セルフレス／覚醒した記憶』

(C)2015 Focus Features LLC, and Shedding Distribution, LLC.

末期ガンのため、余命数ヶ月となった建築家が、ラボで作られたという若い身体に入れ替わり、新たな人生を歩もうとしていた。入れ替わってから、たびたび幻覚を見るようになる。実は、その身体には秘密があり……。

ベン・キングスレーがライアン・レイノルズの身体に入れ替わる、というなかなか豪華な映画。序盤で入れ替わってしまうので、ベン・キングスレーの出番はかなり少なめですが、十分インパクトを残して退場してくれます。

そして、ライアン・レイノルズ。身体をはったアクションを披露。最近のアクション映画で培ったものでしょうね。でもそれよりも、ベン・キングスレーが入ってる時とそれ以外のときの演じ分けがすごいです。

映画自体はサスペンスアクションですが、ライアンの演技も注目です。

FBI捜査官と犯罪者が入れ替わる『フェイス／オフ』

凶悪犯兄弟を逮捕したとき、細菌兵器が仕掛けられたことがわかる。細菌兵器が仕掛けられた場所を探すため、逮捕時植物状態になった犯人の顔を、FBI捜査官の顔に移植し爆弾のありかを聞き出す。一方、植物状態だった犯人は奇跡的に目覚め……。

こちらはジョン・トラボルタとニコラス・ケイジが入れ替わる映画。どっちも悪役ができる人なので見てて面白い。2人とも上手いので悪役時の不思議な動きが最高！
ジョン・ウー監督作品なので、アクションも演出も素晴らしい。特に、鏡ごしに撃ち合うシーンがほんとにいいシーンです。

魔術を使った入れ替わり『スケルトン・キー』

看護師の募集を見て、ある屋敷にやってきたヒロインが脳卒中で倒れた患者の面倒を見ていくうちに、患者からあるメッセージが送られ、屋敷について調べていくと……。
こちらはホラー映画。死にそうな肉体を捨て新たな肉体を得て生き長らえようとする人たちのお話。映画的に演じ分けみたいなのは見られませんが、肉体を乗り移ろうとするための策略が見ていて面白いです。

ホラー映画なのですが、ミステリー要素が強くて、グロテスクなシーンはほとんどないので、ホラー苦手な方でも楽しめるかと。

記憶を入れ替え他人に『トータルリコール』

主人公は建設関係の労働者で、毎晩行ったことがない火星の夢に悩まされていた。ある日、列車内で「旅行の記憶を売る」というリコール社の広告を発見する。主人公は周囲から反対されながらも、リコール社に行って記憶を植え付けようとしたところトラブルが発生。すでに誰かの記憶を植えつけられていることがわかり……。

最近もリメイクされましたが、こちらはシュワルツェネッガー版。記憶も人格も入れ替えられてしまうというお話。何気にシュワちゃんの演じ分けが見られる数少ない作品。
体を巡って繰り広げられる攻防と火星の将来の行方。関係なさそうでいて、主人公が両方の勝利の鍵となっています。

また火星の造形や、火星に住んでいる人々の造形にも注目しましょう。

老若男女さまざまに入れ替わる『想いのこし』

その日暮らしの遊び人の主人公は、車に轢かれてしまう。しかし、主人公は軽傷で済んだものの、車に乗っていた4人は死んでしまう。家に戻ってみると、なぜか死んだはずの4人が現れ、この世にやり残したことがあるため成仏できないという。報酬を約束に4人を成仏させるため、それぞれに体を貸し……。

岡田将生が花嫁からポールダンサーまで演じ分けるというかなり面白い作品。もちろんウェディングドレスやらポールダンスの衣装やら全部着てくれます。衝撃ビジュアルがニュースにもなりました。面白いだけでなく、4人が成仏していくところはかなり泣けます。

さらに4人の幽霊も広末涼子、鹿賀丈二、木南晴夏、松井愛莉とかなり豪華。この4人が岡田くんの中に入るのか、と思うとなかなか感慨深いですね。それが面白さのポイントでもあるのですが。

入れ替りは面白いだけではないかも？

体が入れ替わるからコミカルと思いきや、ホラー系も結構あったりしますね。なにはともあれ、体が入れ替わるといろいろ弊害もありますから。面白いだけではすまないのかも？

変身願望というのは多かれ少なかれあるとは思います。男の人でも女性の服を着てみたいと思うこともあるでしょうし、逆も然り。しかし必ずしもいいことばかりとはいえませんよね。もちろん、歳をとれば、若い頃は良かったと思うことでしょうが。

今回は体が変わって面白い映画や、体と主人格が陰謀加担者である映画、長生きするために体を入れ替える映画などを紹介してみました。

（文・波江智）