乃木坂46 能條愛未、『セブン』を見る その1
乃木坂週刊映画、2017年最初の取り上げ映画はデヴィッド・フィンチャー監督×ブラッド・ピット主演の名作『セブン』。1995年に制作(1996年日本公開)された名作であり、問題作であるこの映画に能條さんはどんな印象を抱いたのでしょうか。
※今回のコラムでは映画『セブン』のラストシーンに触れています。結末を知っていても楽しめる作品ですが、ネタバレを避けたい方は映画をご覧になられてから本コラムをお楽しみください。
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映画『セブン』作品概要
退職を間近に控えたベテラン刑事サマセットと若手刑事ミルズは猟奇連続殺人事件の捜査にあたる。犯人はキリスト教における七つの大罪に基づいて殺人を繰り返していることが明らかに。やがてサマセットとミルズは容疑者を割り出すが、その人物に逃げられ、さらにミルズの素性が知られていたことも発覚する。そしてさらなる殺人事件が続いた後、驚愕の事態が……。
『セブン』の出て来る“七つの大罪”とは
6世紀後半にローマ教皇であったグレゴリウス一世が決めた“人間を罪へと導く可能性がある、七つの欲望や感情”を指します。
具体的には以下の7つ。
・憤怒
・嫉妬
・高慢
・肉欲
・怠惰
・強欲
・大食
映画『セブン』では殺人鬼ジョン・ドゥがこの7つから連想される殺害方法で人を殺していきます
真のバッドエンドにはならなかったのではないか?
なかなかエグい作品でした…(苦笑)
7つの殺人が描かれ、普通では考えられない殺害方法などもあり、とてもいたたまれなくなりました。それと同時に人間の価値観や“バッドエンド”について様々考えました。
この映画は一般的にはバッドエンドの映画として有名のようですが、真のバッドエンドは迎えていないと私は思います。
クライマックスでブラッド・ピット演じるデイヴィッド・ミルズの妻トレイシーが殺人鬼ジョン・ドゥに殺されたことが明かされます。主人公の妻が最後に殺されるということは主人公にとって悲劇ではあります。
しかし、殺人鬼ジョン・ドゥにとって7つの大罪の最後“憤怒”を真の意味で達成するには、躊躇せずにデイヴィッドがジョン・ドゥ自身を射殺する必要があったのではないかと思うのです。
結果的にジョン・ドゥは射殺されますが、引き金を引くまでにデイヴィッドはかなり躊躇しました。葛藤があったのは明らかです。
最後は怒り(憤怒)の引き金ではなく、覚悟を決めての引き金。つまり、“憤怒”は達成されなかった。よって真の意味でのバッドエンドではない、と私は思いました。
もちろん結末は悲劇でした。
「ヘミングウェイが書いていた。“この世はすばらしい、戦う価値がある”と。後ろの部分は賛成だ」
この台詞で締められた映画『セブン』。今でも様々なことを考えてしまいます。
エグいシーンが連続こそしたが…
7つの殺人が描かれるので気分の良い映画ではなく、またグロテスクなシーンも多いです。
私は大丈夫でしたが、暴力描写などが苦手な方はご注意ください。
私としてはどの殺害方法よりも“大食”の殺害方法が最もショックでした。胃がいっぱいになるまで食べさせられて…パスタに顔を突っ込んだ状態の死体で発見…。
ナイフや銃で一発で殺される殺害方法を“普通の殺害方法”と思ってしまうほど衝撃的でな殺害方法でした。
能條さんならではの考察で『セブン』のクライマックスについて語って頂きました。様々な映画のラストを“ハッピーエンド”、”バッドエンド”の言葉で片付けてしまうのは簡単なこと。もっと深いもの、本質がそこにあることを気付かされました。
次週の乃木坂週刊映画も引き続き『セブン』について。次週は映画全体の面白さについて語って頂きます。
どうぞお楽しみに!
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(取材・構成:シネマズ編集部/撮影:MAKOTO TSURUTA)
能條愛未 プロフィール(Ami Noujo Profile)
能條愛未
1994年10月18日 神奈川県生まれ 血液型 A型
乃木坂46 一期生メンバー
月に10本は必ず見るというほどの映画好き。
映画、舞台と女優としての活動の場をひろげるほか、バラエティーでも持ち前のセンスで活躍中。
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