期待できる?それともイヤな予感しかしない?2017年公開の漫画の実写映画化作品まとめ!

2017年も続々と話題作が公開されますが、中でも“漫画の実写映画化”は(良くも悪くも)世間の注目を集めるものです。ここでは、2017年に公開される漫画原作の実写映画化作品をまとめ、それぞれの特徴や期待できるポイントなどを書いてみます。

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『新宿スワンII』(1月21日公開)


新宿スワンⅡ ポスター


(C)2017「新宿スワンⅡ」製作委員会



監督:園子温
主演:綾野剛、浅野忠信、伊勢谷友介

新宿歌舞伎町のスカウトマンたちの抗争を描いた作品です。2015年に公開された前作は豪華キャスト陣の演技が好評を博し、大ヒットしました。今回は浅野忠信や広瀬アリスが新たなキャラクターとして出演しています。

ただ前作は、原作と異なる精神性やセリフの変更などの理由で、原作ファンからはあまり高い評価を得られておらず、映画ファンからも長めの上映時間や“園子温監督らしさがない”ということが好意的に見られていませんでした。なお、前作でPG12指定だったレーティングは今回G(全年齢)指定になっています。


『咲-Saki-』(2月3日公開)




(C)小林立/SQUARE ENIX・「咲」プロジェクト



監督:小沼雄一
主演:浜辺美波、浅川梨奈、廣田あいか

麻雀に打ち込む女子高生たちの青春を描いた作品です。原作漫画は俗っぽい言い方をすれば“萌え”な絵柄であったので、そもそもの実写化に拒否反応を覚える原作ファンもいるようです。

アイドルグループのメンバーやファッション雑誌の専属モデルなど若手キャストが出演しており、現在テレビドラマ版も放送されています。


『一週間フレンズ。』(2月18日公開)


一週間フレンズ。 本ポスター


(C)2017 葉月抹茶/スクウェアエニックス・映画「一週間フレンズ。」製作委員会



監督:村上正典
主演:山崎賢人、川口春奈

純粋(悪く言えば単純)な少年と、記憶が1週間しか持たない少女によるラブストーリーです。一見すると少女漫画の実写映画化作品のようですが、実は「月刊ガンガンJOKER」という少年誌に原作が掲載されていました。

山崎賢人はさまざまな漫画原作の実写映画化作品の主人公を演じることになっているため、“ゴリ押し”とたびたびバッシングを浴びていますが、予告編を観る限り、本作のキャラクターのイメージにはぴったりではないでしょうか。期待しています。



『3月のライオン』(前編は3月18日、後編は4月22日公開)


3月のライオン ポスター


(C)2017 映画「3月のライオン」製作委員会



監督:大友啓史
主演:神木隆之介、有村架純、倉科カナ

プロ棋士の少年の成長や、彼を取り巻く優しい人々を描いた作品です。原作はさまざまなキャラクターを掘り下げる“群像劇”のような魅力があり、これはとても映画の2時間の尺には収まらないと思っていたので、たっぷりの時間が使える前後編で公開されることがとても嬉しいです。

主演の3人をはじめ、佐々木蔵之介、加瀬亮、豊川悦司などの豪華キャストが揃いし、太った青年棋士を染谷将太が特殊メイクで演じることも話題となっています。監督は『るろうに剣心』や『ミュージアム』などで漫画の実写化に定評のある大友啓史ということで、大いに期待しています。


『ReLIFE リライフ』(4月15日公開)




(C)2017「ReLIFE」製作委員会



監督:古澤健
主演:中川大志、平祐奈

27歳でニートの青年が社会復帰のため、1年限定で若返って17歳の高校生になるという物語です。原作は“comico”という漫画アプリで連載され、世界累計ダウンロード数は2100万を突破、テレビアニメ版も放送されるなど若者から熱狂的な支持を集めていました。

“本当は27歳なのに、10歳年下の高校生との恋に落ちてしまう(しないように努める)”ということが、実写映画でどのように描かれるかに期待しています。


『無限の住人』(4月29日公開)




(C)沙村広明/講談社 (C)2017映画「無限の住人」製作委員会



監督:三池崇史
主演:木村拓哉、杉咲花

不老不死になった伝説の人斬りが、用心棒として少女の仇討ちに協力するという物語です。PG12指定がされているので、三池監督ならではの残酷描写にも期待しています。

テレビドラマ『とと姉ちゃん』でヒロインの妹を演じ、映画『湯を沸かすほどの熱い愛』で報知映画賞助演女優賞を受賞した杉咲花がヒロインを演じることに注目。福士蒼汰と戸田恵梨香が悪役に扮することも見逃せません。
原作が全30巻におよぶ長編なので、2時間の映画として上手く再構成されていることを願っています。


『帝一の國』(4月29日公開)




(C)2017 フジテレビジョン 集英社 東宝 (C)古屋兎丸/集英社



監督:永井聡
主演:菅田将暉、野村周平、竹内涼真

生徒会長選挙に命をかける、昭和時代の高校生たちを描いた作品です。舞台版も上映された人気作で、古屋兎丸の漫画は2016年の『ライチ☆光クラブ』に続いての実写映画化となります。

原作は良い意味でアクの強いキャラクターばかりが登場していたので、その再現に尽力するであろう役者の演技に期待に胸が膨らみます。舞台版で主人公を演じた木村了のほか、『ライチ☆光クラブ』に出演した野村周平、間宮祥太朗、岡山天音もキャストとして名前が挙がっています。


『銀魂』(7月公開予定)




(C)空知英秋/集英社 (C)2017「銀魂」製作委員会




監督:福田雄一
主演:小栗旬、菅田将暉、橋本環奈

何よりの特徴は、原作者および製作陣が“後ろ向き”なコメントをしていること!原作者の空知英秋は「全員銀魂と一緒に死んでもらう事になります」とコメントし、イベントで福田雄一監督は「皆さんの愛する『銀魂』を実写化してしまい、本当に申し訳ございません」と謝っています。原作漫画ファンから叩かれがちな実写映画化において、ここまでぶっちゃけているのはなかなか類を見ません。

なお、福田雄一監督は低予算でたくさんの作品を手がけるお方で、テレビドアラマ『勇者ヨシヒコ』シリーズではそのチープさこそがむしろ魅力になっていたりしたのですが、残念ながら(?)今回は『少年ジャンプ』掲載の漫画ということで多額の予算をもらったそうです。


『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』(8月4日公開)


ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章 山﨑賢人 東方仗助


(C)2017 映画「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章」製作委員会(C)LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社



監督:三池崇史
主演:山崎賢人、神木隆之介、小松菜奈

現在第8部が連載中、累計発行部数は1億部を突破し、熱狂的な支持を得ている大河作品が初の実写映画化です。今回は日本を舞台とした第4部が選ばれており、原作の特徴的な街並みを表現するためスペインで撮影されました。

キャスティングでは山崎賢人が役に合っていないということで大バッシングを浴び、年またぎに公開された主人公のビジュアルも残念ながら大不評でした。個人的には、“小松菜奈のヤンデレ女子高生”や“山田孝之のクズすぎる殺人機”が見られるということで大期待をしています。三池監督は『オーディション』というホラー映画でも最悪のヤンデレを登場させていましたしね。

『亜人』(9月30日公開)


監督:本広克行
主演:佐藤健

人間とは異なる“亜人”であることが判明したため、逃避行を余儀なくされる少年(映画では研修医の青年)の物語です。全3部作で公開された劇場アニメ、およびテレビアニメ版も好評を博しました。
主演の佐藤健のキャスティングは製作陣の満場一致で決まったとのこと。『るろうに剣心』のアクションチームも参加していること、“絶対に死なない男(ならでは)のアクション”を目指すと監督が公言しているなど、期待できる要素がたっぷりです。


『東京喰種トーキョーグール』(夏公開予定)


東京喰種 トーキョーグール イメージビジュアル 縦


(C)2017「東京喰種」製作委員会



監督:萩原健太郎
主演:窪田正孝、清水富美加、鈴木伸之(劇団EXILE)

喰種(グール)の少女の臓器を移植された青年が、人を食べることでしか生きられなくなり、苦悩しながらも戦いに巻き込まれていくというダークな物語です。

萩原健太郎監督は「原作と真摯に向き合い、準備を進めています。僕らの想いはただ一つ。純粋に『面白い映画が作りたい』、ただそれだけです」と語っています。きっと、原作愛に溢れた作品になるのでしょう。


『鋼の錬金術師』(12月公開予定)


鋼の錬金術師


(C)2017 荒川弘/SQUARE ENIX (C)2017 映画「鋼の錬金術師」製作委員会



監督:曽利文彦
キャスト:山田涼介、本田翼、ディーン・フジオカ

原作はその名を知らない人はいないというほどの人気作で、2度にわたるテレビアニメが放送、劇場アニメ版も公開されていました。

西洋風のファンタジー作品でありながら日本で実写化するということ、外国人のキャラクターを日本人俳優でキャスティングしたことに不安の声があがっていますが、曽利文彦監督は『ピンポン』でも見事な漫画の実写映画化作品を手がけていたので、存分に期待しています。


『斉木楠雄のΨ難(さいなん)』(2017年公開予定)




監督:福田雄一
キャスト:山崎賢人、新井浩文、橋本環奈

『少年ジャンプ』掲載の、超能力者の高校生を主人公にしたコメディ作品です。『銀魂』の実写映画化の発表すぐ後に本作の初報があったため、 福田雄一監督は「集英社っ!明らかに発表のタイミング、間違ったよね!?」とコメントしていました。

ボケボケなキャラクターに対して冷静なツッコミをするという原作の雰囲気が、福田監督と相性良すぎな気がしてワクワクしています。


『トモダチゲーム』(2017年公開予定)


監督:(現時点では発表されておらず)
主演:吉沢亮、内田理央

高校生が“トモダチ”に関する大金を賭けたゲームに挑んでいくという物語です。ドラマと映画2本、全3部作で実写化という展開がされるという、ややトリッキーなメディア展開がされるそうです。

原作は『ライアーゲーム』に似ているところがあり、少年誌掲載でありながら疑心暗鬼になってしまう苦しさ、人の醜さを描くエグさもあったので、“どこまで映像化できるか”にも期待しています。


まとめ



そのほかの2017年に公開される漫画原作の実写映画化作品では、『きょうのキラ君』、『PとJK』、『ピーチガール』、『イタズラなKiss THE MOVIE2 キャンパス編』、『兄に愛されすぎて困ってます』もあります。

こうしてまとめてみると、福田雄一監督作品と三池崇史監督作品がそれぞれ2作、山崎賢人主演の作品が3作品も公開されていることに気づきます。『PとJK』と『兄に愛されすぎて困ってます』の両作品の主演も土屋太鳳になっていますね。

漫画ではなく小説が原作ですが、『氷菓』や『ハルチカ』もアニメ版が好評を博していたため、こちらも「実写映画化はやめて!」という拒否反応を示す方がいるようです。『氷菓』の主演も山崎賢人なので、彼は2017年の実写映画化作品で4つも主演をこなすことに!さらに現在公開中のゲームが原作の映画『妖怪ウォッチ 空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン! 』にてエンマ大王を演じていたりします。

やはりキャスティングやビジュアルの時点では不安だらけ……というのは漫画やアニメになった人気作品の実写映画化作品にはつきもののようです。

しかし、そうした世間の目も製作陣はわかっているようで、『銀魂』の監督やキャストは原作漫画のファンに謝罪したり、『亜人』で主演を務める佐藤健が「漫画原作の実写化は今もなお賛否両論あるものの、もはや今の時代を象徴しているようなところもあり、避けては通れないものだと感じています」とコメントしたりもしています。

熱狂的なファンを持つ人気作品の実写化作品だからでこそ、製作陣や役者の皆さんには多大なプレッシャーがあり、そしていい映画を作りたいという意気込みがあるはずです。2017年も漫画の実写映画化作品に期待して、劇場に足を運んでみようではありませんか!

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(文:ヒナタカ)

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