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『ハルチカ』が100点満点で8000億点の理由!橋本環奈が佐藤勝利をイジって全ての人が幸せになる大傑作!



5:クランクインの4ヶ月前から猛特訓!キャストの気持ちと映画本編がシンクロしている!



前述の通り、キャストのほとんどが10代の同世代の男女であったおかげもあり、撮影中はお互いに名前で呼び合うなど、和気あいあいとした雰囲気だったのだそうです。

しかし、音楽の指導は劇中と同様、優しいものではありませんでした。キャスト一同はクランクインの4ヶ月前から音楽プロデューサーの濱野睦美と、各楽器のプロの先生の指導のもと、猛特訓をしたのだそうです。特に役の設定がホルン経験者である佐藤勝利は、コンサートの間を縫って週に複数回のレッスンに通い、撮影が始まってからも夜ごとに個別練習や合同練習を繰り返し、空き時間にも誰からともなく集まって演奏をしていたのだとか。

コンクール地区大会の撮影当日、キャストたちは初心者からスタートしたとは思えないレベルまでに上達していましたが、関係者以外(エキストラたち)
の人前で演奏を披露するのは、その時が初めてだったそうです。いわば、みんなが一緒に(時には1人で)練習し、短い期間であっても上達していき、そしてコンクールで緊張感にいっぱいになるということが、映画の撮影をしているキャストの気持ちと、実際の映画の内容とシンクロしているのです。

この“みんなで築き上げた音楽”をないがしろにしない作品作りのおかげで、劇中の音楽には実際にコンサートを聴きに行った時と同じようなリアリティがあり、音楽そのものの魅力をより感じられ、かつキャラそれぞれが持つ感情もより伝わるようになっています。音楽映画というジャンルにおいて、“音楽”そのものへのこだわりを大切にしたい人にとっても、大納得ができる作品と言えるでしょう。



(C)2017「ハルチカ」製作委員会



6:すべてのセリフやシーンに意味がある!伏線が回収される快感にいっぱいになる!


本作でさらに素晴らしいのは、何気のないセリフのほぼすべてが、意味のある“伏線”として回収されること!物語が進むにつれ、「あのセリフはこういうことだったのか!」、「そうくるとは思わなかった!」という、時には“本当の事実が判明する”喜びがあり、時には“まったく予想と違う!”というサプライズも満載なのです。

本作の監督と脚本を務めたのは『箱入り息子の恋』や『僕らのごはんは明日で待ってる』の市井昌秀。前々から話運びが上手い方だなあと思っていたら、本作での脚本の上手さはもはや“超絶技巧”なんて言葉でも足りません。言葉でベラベラと語らずとも、登場人物の気持ちが手に取るようにわかり、何気ないシーンで“関係性の変化”もわかる。映画としての理想の形が、ここにありました。

ぜひ、(何となく観ていても楽しめる映画ではありますが)1つ1つのセリフやシーンをよく覚えながら、集中して観てみることをおすすめします。映画の初めの“ナレーション”にも重要な意味がありますよ。

7:あらゆる日本映画の魅力が詰まっている!この映画が好きな人にとってもおすすめ!


本作はたくさんの日本映画(邦画)の名作をほうふつとさせるところがあります。具体的には、以下の映画に似ているのです。

・特に似ている3本!……『さんかく』、『ハッシュ!』、『湯を沸かすほどの熱い愛』。

・この映画っぽいところもある!……『ちはやふる 上の句/下の句』、『青空エール』、『くちびるに歌を』、『桐島、部活やめるってよ』、『君の名は。』、『聲の形』、『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』

“特に似ている3本”のどれかが好きなら『ハルチカ』を気に入ることはほぼ間違いないでしょう。この3本のどういう点が似ているかはネタバレになるので書けませんが、それぞれの作品を観ていれば「あっ!」と気付けるはずですよ。

そして、偶然にもあの『君の名は。』にそっくり(そのまんま)な、とあるモチーフが背景に登場していたりもします。そのモチーフが示しているものも『君の名は。』に似ているかも……。

もちろん、これらの日本映画を観たことがない人にとっても、『ハルチカ』は楽しめます。この映画を機に、もっと多くの日本の名作が観られるようになるとうれしいですね。
ハルチカ WEBポスター

(C)2017「ハルチカ」製作委員会



8:『セッション』にも似ている!?“音楽映画”として最高のクライマックスを見逃すな!


「おおげさだ」と言われるかもしれませんが、本作のクライマックスからラストにかけての展開は、今までに観たこの世の全ての映画の中で、一番大好きになりました。詳しくはネタバレになるので書けないのですが、このクライマックスは、あるポイントにおいては鬼教師と偏狭的な考えを持つ学生の関係を描いた映画『セッション』にも似ているのです。

正直に言うと、このクライマックスからラストにかけては、全ての人が絶賛するわけではないかもしれない、賛否がわかれるかもしれない。そのような予想もしてしまいます。それでも、このことを“やってのける”本作のことが、筆者は大好きで、大好きで仕方がないのです。

クライマックスとラストに納得がいかなかった、という人は、今までのセリフやシーンを思い出してみてください。きっと、気づけること、わかることがあり、好きになれるかもしれませんから。

このクライマックスとラストで、筆者は「こういうのが観たくて今まで映画を観てきたんだ」とまで思うことができました。しかもこれは、(これも詳しくは書けませんが)“音楽”を描いた作品としても最高のラストなんです。映画でしかできない、映画ならではの感動を、劇場で体験しようではありませんか!

おまけ:たった1つの欠点はこれだ!


そんなわけで、筆者にとって本作は控えめに言って100点満点で8000億点、2016年の豊作揃いだった邦画のさらにその上をいく存在、音楽映画としても青春映画としても完璧。「素晴らしい映画を観た」と高揚感でいっぱいになれるという大傑作中の大傑作なのですが、たった1つだけ欠点があります。

それは……橋本環奈ちゃんがかわいすぎて「必死にビラを配っても誰にも受け取ってもらえない」という展開に説得力がないこと!あんな美少女に「吹奏楽部に入ってください」と言われたら全員入るだろ!しかも佐藤勝利も配っているし!

まあそんなことを言ったところでどないせいという話であるし、8000億点が7999億9999万9999点になったくらいのことなので、気にする必要はありません。観る人を選ばない、老若男女問わずに楽しめる作品です。ぜひぜひ、日本映画史に残る、青春映画、音楽映画の大傑作を、劇場で見届けてください!

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(文:ヒナタカ)
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