おふざけVS真面目!堤幸彦、どっちが好き?
先日26日(水)に堤幸彦監督の『RANMARU 神の舌を持つ男』が、配信開始となりました。
ので、今回は堤幸彦監督の作品についてあれこれと振り返ってみたいと思います。
(C)2016 RANMARUとゆかいな仲間たち
とにかく幅が広い堤幸彦監督!
堤幸彦監督と言えば、『TRICK』シリーズなどのおふざけ作品(褒めてます)、『20世紀少年』や『真田十勇士』などの大作、『明日の記憶』などの真面目作品などとにかくその幅の広さが売り。
人によっては「この作品は好き!あの作品は大嫌い!」なんてこともあるかもしれませんね。
その中でも『TRICK』シリーズは深夜ドラマから始まり、ドラマ、スペシャル、映画4本と大人気シリーズに。最後の最後までふざけていましたが、『トリック劇場版 ラストステージ』ではファン大号泣のまさかの感動のクライマックスを用意してくれたりもしました。
真面目作品はそれぞれに良さがあり、どれも好きですが、おふざけ系では私はやはり『TRICK』シリーズ、大好きです。
『RANMARU』は…色々あった!
(C)2016 RANMARUとゆかいな仲間たち
前述の『RANMARU 神の舌を持つ男』、劇場公開された際は監督自身が自虐に走るほど色々と芳しくない状況に…。
松竹配給作品を「シネマズby松竹」のサイトで説明するには限度ありますので…各自ググってください!!
とは言うものの、「期待値を極限まで下げることで狙える“満足感”」がある作品なのです。
こんな記事も。
⇒舐める男の映画を舐めていたけど予想外に面白かった『RANMARU 神の舌を持つ男』
もし、みなさんがハリウッドのおバカコメディ映画を見るのなら、目くじら立てて評論するより頭すっからかんにして楽しむと思います。
それです。この映画に必要なのはそれ。
考えるな!感じろです!
その先にこそ幸福が待っているのです!(何か危ない宗教の話に進みそうなので以後自主的削除)
[『RANMARU 神の舌を持つ男』を見れる動画配信サイトはこちら!](2017年4月28日現在配信中)
『天空の蜂』は笑いゼロ!
おふざけ作品を語っていたら収集が付かなくなってきたので、話を硬派な方向へ。
ここでご紹介するのは2015年に公開された『天空の蜂』。
(C)2015「天空の蜂」製作委員会
原発というデリケートな問題を描きつつも、タイムリミットサスペンスの要素を持ち合わせ、映画としてのエンタメ性もある「ハラハラ・ドキドキ系映画」となっています。
あらすじ
史上最悪の原発テロ事件解決に向けて奔走する人々の8時間のドラマを描く。95年8月8日、自衛隊用の最新大型ヘリコプター「ビッグB」が何者かにより遠隔操作されて動き出し、福井県にある原子力発電所「新陽」の真上に静止する。犯人は「天空の蜂」と名乗り、国内すべての原発を廃棄するよう要求。従わなければ爆発物が搭載された「ビックB」を原発に墜落させると宣言する。「ビッグB」を開発した設計士の湯原と、原発の設計士・三島は、事件解決のために力を尽くすが……。
映画としての重厚な魅力、原発を扱うデリケートな問題
映画の物語としては、
「原発にヘリコプターが落とされそう。自動操縦解除するか犯人見つけるかして防がないと!でもヤバい!燃料無くなったら勝手に墜落するからタイムリミットあるじゃん!」
という話。書き方ちょっとふざけちゃいましたが、笑い一切なしのタイムリミットサスペンスです。
その中であらゆる人々の対立や協力が描かれ、見終わったときには「正義って何なんだろう」と考えさせられます。
(C)2015「天空の蜂」製作委員会
犯人についてはサスペンスなので、途中でわかる人とわからない人がいることでしょう。もしわかってしまっても「なぜ?」の動機を考えることで映画はより深く楽しめるのではないかと思います。
俳優陣も豪華名優共演となっています。
そんな本作、原発を扱っているので様々議論をされることは避けられません。しかし、この映画を持ち出して「こうだから賛成!」「こうだから反対!」となることはそこまでないでしょう。
原発を改めて考えるきっかけにはなりますが、原発の是非を問う映画ではありません。そういった変なメッセージ性もないところ、堤幸彦真面目作品の真骨頂で映画としてとても楽しめるものでもあります。
[『天空の蜂』を見れる動画配信サイトはこちら!](2017年4月28日現在配信中)
また爆発ヒットのおふざけ作品も見たい!
堤幸彦監督、まだまだお若いかと思っていたらもう61歳!
とは言っても海外ではクリント・イーストウッド監督が86歳、リドリー・スコット監督が79歳でまだまだ現役。
時たま失敗もしつつ、またTRICKシリーズのような力強いおふざけ作品、そして『明日の記憶』や『天空の蜂』のような硬派で魅力的な作品を私たちに見えてほしいなって思います。
おしまい。
(文:柳下修平)
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