アカデミー賞受賞作品、コレを観れば間違いなし!



(C)2017 Twentieth Century Fox



こんにちは、八雲ふみねです。
 
先日開催された、第90回アカデミー賞。

「Time’s Up」運動がスタートするなど、今年は授賞式前からセクハラ問題に揺れ動いたハリウッドでしたが、蓋を開けてみれば、ひとつの作品に賞が集中することなく、『シェイプ・オブ・ウォーター』『ダンケルク』『スリー・ビルボード』が複数のオスカーを受賞。

みんなで仲良く分け合った...という印象でした。

しかし受賞者のスピーチはとても熱量の高いものが多く、主演女優賞に輝いたフランシス・マクドーマンドの「映画産業にもっと多様性を」と訴えるシーンや、賞を若い映画製作者に捧げるとしたうえで「夢を観ている人たち、扉を蹴破って映画界に飛び込んできて」というギレルモ・デル・トロ監督の呼びかけなどに感激を覚えた方も多いのではないでしょうか。

またメイクアップアーティスト・辻一弘氏が『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』で日本人初のメイク・ヘアスタイリング賞を受賞したことも、日本人にとっては嬉しいニュースでしたね。
 
そこで今回は、受賞作品の中から八雲ふみねイチオシの3作品をご紹介。
コレを観れば、あなたも“アカデミー賞ツウ”になれる、かも。
 
八雲ふみねの What a Fantastics! ~映画にまつわるアレコレ~ vol.146
 


 

『シェイプ・オブ・ウォーター』
最多4部門受賞に輝いたファンタジック・ラブストーリー




(C)2017 Twentieth Century Fox




13部門にノミネートされ、作品賞や監督賞、作曲賞、美術賞と最多4部門を受賞。

1960年代の冷戦下のアメリカを舞台に、政府の研究所で清掃員として働く言葉を話せない女性と、アマゾンから連れてこられた不思議な生物との交流を描いたラブロマンス。

ファンタジックなテイストでありながらも社会的背景を内包させたストーリーで、ギレルモ・デル・トロ監督の溢れんばかりの映画愛も感じられる作品です。

デル・トロ監督は本作で監督賞も受賞。

実はこの5年間で合計4回、3人のメキシコ人監督が監督賞を受賞していること、ご存知でしょうか。
2013年に『ゼロ・グラビティ』でアルフォンソ・キュアロン監督が。2014年に『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』、2015年に『レヴェナント: 蘇えりし者 』でアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督が2年連続受賞。

そして2018年、ギレルモ・デル・トロ監督が受賞したのですが、この3人、メキシコでは共同で映画製作会社を立ち上げている、言わば盟友同士。

3人仲良く順番に監督賞の栄冠を勝ち取ったという意味でも、今回の受賞は喜ばしいものだったことでしょう。
しかも、言葉を失った女性とアマゾンの神と崇められる異形の生物との恋...という“怪獣映画”の側面も持つ作品が作品賞を受賞したのは、アカデミー史上初。

日本の怪獣映画や特撮作品の影響を受けて映画監督を志したデル・トロ監督の受賞は、私たち日本人にとってもどこか誇らしいものを感じます。


『リメンバー・ミー』
誰もが共感できる家族の絆の物語




©2018 Disney/Pixar. All Rights Reserved.



1年に1度だけ他界した家族に会えるメキシコの祝日“死者の日”をテーマにした、ミステリー・アドベンチャー。

一族の掟で大好きな音楽を禁止されているギター少年のミゲルが、伝説的なミュージシャンのギターを手にしたことをきっかけに、テーマパークのように美しい死者の国へと迷いこみ冒険を繰り広げます。

『モンスターズ・インク』や『トイストーリー3』を手がけたリー・アンクリッチ監督が約6年の歳月をかけて完成させました。

ディズニーピクサー作品は、子どもの頃から親しみを持っている人も多いことでしょう。「我が子の映画館デビューはディズニーピクサー映画でした!」なんて方もいらっしゃるかもしれませんね。

人生にとって大切なこと、友情、愛、そして家族とは何か、そのあり方を教えてくれる。そんなピクサー最新作『リメンバー・ミー』が見事、長編アニメーション賞に輝き、さらに主題歌賞も受賞!本作の主題歌「リメンバー・ミー」は、あの『アナと雪の女王』の名曲「レット・イット・ゴー」を手がけたロペス夫妻が作曲。

劇中では主人公のミゲルが憧れる歌手エルネスト・デラクルスの大ヒット曲として登場し、“家族を忘れない”という誰もが共感出来る普遍的なテーマが込められています。

歌うキャラクターやシーンによって、それぞれ違った魅力が感じられる楽曲にも是非、注目して。
 

『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』
フィギュアスケートは映画界でも注目の的?!




©2017 AI Film Entertainment LLC



先月開催された平昌オリンピックでは、日本人選手たちの躍進は目覚しいものがありました。中でもフィギュアスケートは男子が羽生結弦選手と宇野昌磨選手が金銀メダル獲得、女子も大健闘で素晴らしい演技を披露しました。

『アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル』は、アメリカのフィギュアスケート選手として2度の冬季オリンピックに出場したトーニャ・ハーディングの半生をスキャンダラスに描いた伝記ドラマ。

主演のマーゴット・ロビーが製作を兼任、貧しい家庭で厳しく育てられたトーニャが努力と才能で全米トップフィギュア選手へと上り詰めるも、元夫がライバル選手を負傷させた「ナンシー・ケリガン襲撃事件」の真相に迫ります。

本作でトーニャを執拗に追い込む母親役を演じ助演女優賞に輝いたのが、アリソン・ジャネイ。初ノミネートでの受賞という快挙を果たしました。


©2017 AI Film Entertainment LLC



ドラマ「ザ・ホワイトハウス」で一躍注目を集め、これまでに7度もエミー賞を受賞している実力派です。

本作で見せるアリソン・ジャネイの毒母ぶりは、演技を超越した恐怖さえ覚えてしまいます。初ノミネート初受賞も納得の圧倒的な存在感を発揮していますよ。 
 

作品情報


『シェイプ・オブ・ウォーター』
大ヒット公開中
監督:ギレルモ・デル・トロ
出演:サリー・ホーキンス、マイケル・シャノン、リチャード・ジェンキンス、ダグ・ジョーンズ、マイケル・スツールバーグ、オクタヴィア・スペンサー ほか
公式サイト http://www.foxmovies-jp.com/shapeofwater/
 
『リメンバー・ミー』(同時上映『アナと雪の女王/家族の思い出』)
2018年3月16日から全国ロードショー
監督:リー・アンクリッチ 
共同監督:エイドリアン・モリーナ 
公式サイト http://www.disney.co.jp/movie/remember-me.html
 
『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』
2018年5月4日全国ロードショー
監督:クレイグ・ギレスビー
出演:マーゴット・ロビー、セバスチャン・スタン、アリソン・ジャネイ、マッケナ・グレイス ほか
公式サイト http://tonya-movie.jp/index.html

八雲ふみね fumine yakumo


八雲ふみね

大阪市出身。映画コメンテーター・エッセイスト。
映画に特化した番組を中心に、レギュラーパーソナリティ経験多数。
機転の利いたテンポあるトークが好評で、映画関連イベントを中心に司会者としてもおなじみ。
八雲ふみね公式サイト yakumox.com

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