音楽
『未来戦隊タイムレンジャー』恋愛に人間ドラマ…大人向け戦隊ヒーロー【篠宮暁の特撮辞典・第14回】
『未来戦隊タイムレンジャー』恋愛に人間ドラマ…大人向け戦隊ヒーロー【篠宮暁の特撮辞典・第14回】
【オジンオズボーン・篠宮暁の特撮辞典】
高年齢層もターゲット『未来戦隊タイムレンジャー』
激動の1900年代を終え、コンピューターが誤作動起こすかもしれないと言われた2000年問題も、特に問題が起きずホッとして間もない頃、『未来戦隊タイムレンジャー』が放映開始となりました。
子どもをターゲットにして制作されてきた、スーパー戦隊シリーズ。途中、子どもの親を取り込み、人気が出た作品もありましたが、あくまでも子どもがターゲット。しかし、「タイムレンジャー」は高年齢層もターゲットの視野に入れてきました。
恋愛、悲しい過去、黒幕の正体…深いドラマ!
まず、オープニング曲を聴いてもらうとわかると思うのですが、「これ、子どもが口ずさめるんか?」というくらい難しい曲なんです。
英語ガンガン入ってるし、リズム取りにくいし、いわゆるヒーローソングの曲調じゃないんです。カラオケで歌っても、あんまり盛り上がりません。
でも、これが未来感を演出するパーツのひとつで、「タイムレンジャー」に欠かせないものとなりました。
後半にかけて進展していく、タイムレッドこと浅見竜也とタイムピンクことユウリの恋愛模様も、スーパー戦隊らしからぬ展開で、最終回は涙なしでは見れません。また、メンバーひとりひとりが悲しい過去を背負っており、それを丁寧に描いていく様は拍手せずにはいられない程でした。
意外な黒幕の正体に怒りを沸かせつつ、でも同情する部分もあり…。ロンダースという敵も憎めないところが多分にあり…。そのあたりが「タイムレンジャー」というドラマを深くしている要因のひとつだと思います。
ブレイク前の永井大さんが浅見竜也を演じてるんですが、彼の名演技も見どころになってます。
特撮の概念を覆す熱狂体験
当時、僕は高校3年生で、周りの友だちには内緒でこっそり特撮を見てたんですが、「タイムレンジャー」、そして同じ年に放映開始された『仮面ライダークウガ』の2作品で初めて、特撮に熱狂的にのめり込むという体験をしまして、人に勧めたくて仕方がない衝動に駆られました。
2000年という年は僕にとっての特撮の概念を覆してくれ、更に好きにさせてくれた年になりました。
少しだけ深い話をこのタイミングでさせてください。
実はここでも書かせて頂きました「シンケンジャー」、「電王」、「龍騎」、そして「タイムレンジャー」。全て、小林靖子さんという方が脚本を書いてらっしゃってるんですが、僕は小林さんが書いてるというだけで無条件にその作品の大ファンになってしまう傾向があります。
そんな中毒症状になったきっかけが「タイムレンジャー」でした。
小林靖子さんを語るとまた長くなりますので、それはまた後日。彼女を知らなかった人は、小林靖子という名前を覚えておいてください。このお方の功績は計り知れないものがあります。
『未来戦隊タイムレンジャー』、見ライと損しますよ。
ちなみに、「タイムレンジャー」の宣伝を兼ねてやっていた、ナインティナイン岡村さん扮する「オカムレンジャー」の変身シーンのクオリティの高さも、是非確認してみてください。
(文:オジンオズボーン・篠宮暁)
※この記事は、WEBサイト「WB」にて以前連載していたものを、再編集したものです
以前の記事はこちらから
【オジンオズボーン・篠宮暁の“特撮”向上委員会】も連載中!
無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。
無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。