映画コラム
『バトルシップ』のツッコミどころベスト5!俺たちはこの映画を愛している!
『バトルシップ』のツッコミどころベスト5!俺たちはこの映画を愛している!
(c) 2012 Universal City Studios Productions LL LP. ALL RIGHTS RESERVED .
本日9月8日、金曜ロードShow!にて、ついに、ついに『バトルシップ』が放送されます!
実はこの『バトルシップ』、最低な映画を決めるラジー賞に6部門にノミネートされたうえ、アメリカでは興行的に失敗しています。しかし、日本では洋画で7位の成績である14億円超のヒットを記録し、“バトルシッパー”と呼ばれる熱狂的なファンを生み出しました。地上波放送がされた時にはTwitterのトレンドワードランキングを占領し、立川シネマシティの極上爆音上映も大好評で迎えられているのです。
なぜここまで『バトルシップ』が愛されているのかと言えば、「ド迫力の映像」「戦艦好きの男の子が大興奮」「日本人の浅野忠信が大活躍」「艦隊ゲームを映画化するムチャさ」などいろいろあるでしょうが、個人的には「ツッコミどころ満載」というスキありすぎなところも愛おしくて仕方がありませんでした。
ここでは、みんなが「なんでやねん!」とツッコミをいれるであろう、『バトルシップ』の素晴らしきツッコミどころのベスト5を挙げてみます!
※以下からは『バトルシップ』本編のネタバレに触れています。鑑賞後に読むことをおすすめします。
5位:信号はブバァーッ!と出すものだった!
映画の冒頭から「どうしよう……」と思いました。何がって、地球によく似た惑星があるからって、信号を目に見える形で「ブバァーッ!」と地球から出すことですね。ブバァーッって!どこが信号用の電波やねん!めっちゃキラキラ光っているやんけ!ビーム攻撃だろそれ!
ちなみにこの信号、「通信装置は従来の5倍のパワーを持つ」「ランドサットから増幅して出している」という説明がされていました。5倍どころじゃねえよ。うん、まあ、製作者はたぶんドバイの通貨なみに数値をインフレさせてしまったのでしょう。そういや、後で「駆逐艦はターミネーター並の攻撃力だ!」というどんぶり勘定過ぎる例え方をしていたな。
4位:主人公が飲んだくれ、ニート、前科持ちの三拍子!
その「ただの信号をブバァーッ!」の次に登場するのは、稀にみるダメ人間の主人公! 端的に言えば、飲んだくれ、ニート、前科持ちと三拍子が揃っています。バーでお兄ちゃんから「逆境は人が己を知ることのできる絶好の機会である」といいことを言ってもらったのに、「今は逆境でも将来は違うんだよ」というキリギリス的な返事をする始末。どうしようもねえ!
で、続いて主人公がやったことはスーパーに不法侵入なんですよ! しかも動機は “美女をナンパするためにチキンブリトーを手に入れようとしたけど、売っていたお店が閉まっちゃった” から! この時のBGMがピンクパンサーのテーマ曲って、マジメにやる気ねえだろ!(褒めています)
3位:ニートから異例の大出世!
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そんなハリウッド大作映画にあるまじき経歴の主人公は、お兄ちゃんに「海軍に入れ!」と言われ、「BATTLE SHIP」のタイトルがドーン!と大写しになった後は大尉にまで出世していました。うん、なんでやねん! 大尉になるまでにどれだけの時間経過があったのかは作中で示されていませんでしたが、せいぜい3、4年が過ぎたくらいにしか見えないよ! お兄ちゃんのコネを利用しただろお前!
その大尉であるはずの主人公が、率先して甲板に出ていくばかりか、ボートに乗ってエイリアンの兵器まで近づくという「お前本当に偉いの?」と思う行動をしているのも解せませんね。そういえば主人公は「ドナルド・トランプとマイク・タイソンのコラボね」と部下になじられていたことがありましたし、あまり信頼はされていなさそうでした(やっぱりコネで出世したか)。
フォローをしておくと、序盤のPK勝負で自分の役を代えなかったために負けたり、兵士たちが溺れかけているのに目の前の敵に攻撃をしようとしていた自分勝手な主人公が、エイリアンとの戦いを経て、日本人に艦長の座を譲るという過程は上手くできています。お兄ちゃんの言っていた「逆境は人が己を知ることのできる絶好の機会である」は、的を射ていたのですね。
2位:エイリアンは何がしたいねん!
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地球にやってきたエイリアンはバイザーを通して緑色に光ったものを“無害”と判断しスルー、赤く光ったものを “攻撃の対象” とします。なぜそうやって見分ける必要があるの? ということがそもそも疑問なんですが、まあ緑色に光った人間や動物を殺さずに、後に捕虜にしようとしたんだと納得しましょう。
しかし……それにしてはエイリアンたちは砲撃して艦隊にいた人を殺しまくっていたし、空飛ぶ火の玉(元ネタは陸上爆雷のパンジャンドラム)で街を襲っていたよね。人間を殺さないように見分けているんだったら、そんな大雑把な攻撃するんじゃないよ! お前ら何がしたいんだよ! (注:最後までエイリアンが地球にきた目的はわかりません)
1位:エイリアンたちが弱い!またはバカだ!
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エイリアンたちはすごいテクノロジーを持っているはず(ように見える)なのですが、ところどころバカに見えちゃいます。なにせ、最初に宇宙船で地球にやってくるところから衛星にぶつかっちゃっていますからね。間抜けすぎるだろ!
他にもエイリアンたちの行動を振り返ると、「すぐ後ろの音に気づかない」「眼の前の目的に気を取られてスキありすぎ」「手持ち武器がショボい」「ゴツい装備をしているのに生身の人間と格闘しても互角」「通信をするために手作業でいろいろと運ぶ」「宇宙船から砲撃できるのに人間の戦艦の中で単身ウロウロする」など、ツッコミどころは無尽蔵です。
さらには「ブイの電波がなぜかジャミングされていない」「宇宙船がダイナミックにジャンプしながら近づくから格好の的すぎ」など、テクノロジーにも疑問が浮かんでくるし……あーもう、こいつら弱い! またはバカすぎるぞ!
おまけその1:退役軍人たちを演じていたのは本物の兵士だった!
実は、劇中で両足義足の元軍人を演じたグレゴリー・D・ガドソンさんは、実際に両脚を負傷し、義足をつけている帰還兵です。彼がハンデをものともせず、エイリアンと格闘するのはカッコよすぎた!
さらに、終盤に登場する退役軍人のおじいさんたちを演じていたのは、俳優ではなく第二次世界大戦を生きのびた本物の兵士の方たちなのです。どうやってこのタイミングでかけつけたのがわからないのはこの際どうでもいい、最高にアツい登場シーンだったよ!
『バトルシップ』はフィクションバリバリのSFアクション映画ですが、こうした現実で命をかけて戦っていた人たちに敬意を評し、その活躍の場を与えてくれたというのも嬉しいところ。やっぱり最高の映画だよ! 愛してる!
おまけその2:2017年のバトルシップ枠『グレートウォール』をレンタルして観よう!
(C) Universal Pictures
さて、そんな風に楽しいツッコミどころが満載の『バトルシップ』でしたが、きっと本作を観た後は「またバトリシップりたい!」と禁断症状が出ている方が多いことでしょう(多いと信じています)。そんな方には、9月6日よりDVD&Blu-rayがレンタルおよびリリースされたばかりの『グレートウォール』をおすすめします!
なにせ、以下の要素が『バトルシップ』と『グレートウォール』は共通しているのですから!
お金を使いまくった大迫力バトル!(実は中国で作られた映画の中で史上最高)
お話は大味でツッコミどころ満載!(脚本家が一流の方なのになんで?)
アメリカではやや酷評気味&コケ気味(制作費の1/3以下しか稼げず)
さらには、『スターシップ・トゥルーパーズ』、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』、『塔の上のラプンツェル』などの名作を彷彿とさせるシーンも満載!
『キングコング:髑髏島の巨神』にも出演していた中国系美女のジン・ティエンが大活躍することもたまりません!
さらに、『グレートウォール』が素晴らしいのは本編だけではありません! 何とソフト版のリリース&レンタルの際に、 “怪獣映画” を前面に押し出した宣伝をしているのです! 主演のマット・デイモンが完全にいなくなった怪獣イラストはもちろん、JR大井町駅の広告も最高じゃないか! 詳しくは、以下の記事をお読みください!
・日本オリジナル・アドで怪獣映画として強力プロモーション!「グレートウォール」DVD、BDの大胆な戦略
また、『グレートウォール』以外のバトルシッパーにおすすめの映画も以下に紹介しています。この祭りを楽しめるのは今日だけじゃないですよ!
・バトルシップロスな方におすすめの映画15選!
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(文:ヒナタカ)
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