インタビュー

2017年09月21日

ダニエル・ラドクリフにインタビュー!オナラで海を渡る死体を演じた『スイス・アーミー・マン』

ダニエル・ラドクリフにインタビュー!オナラで海を渡る死体を演じた『スイス・アーミー・マン』




©2016 Ironworks Productions, LLC.



ハリー・ポッターシリーズの後、奇抜な作品に出演されることの多いダニエル・ラドクリフさんの最新作『スイス・アーミー・マン』がいよいよ2017年9月22日(金)に公開されます。

本作でダニエルさんが演じるのはなんと死体。オナラもすれば会話もする死体役ということもあり、公開前から大きな話題となっています。

シネマズ by 松竹ではダニエル・ラドクリフさんにインタビューを実施。死体役に挑戦した理由、作品の見どころなどをお聞きしてきました。

【あらすじ】
無人島で助けを求める孤独な青年ハンク(ポール・ダノ)。いくら待てども助けが来ず、絶望の淵で自ら命を絶とうとしたまさにその時、波打ち際に男の死体(ダニエル・ラドクリフ)が流れ着く。ハンクは、その死体からガスが出ており、浮力を持っていることに気付く。まさかと思ったが、その力は次第に強まり、死体が勢いよく沖へと動きだす。ハンクは意を決し、その死体にまたがるとジェットスキーのように発進!様々な便利機能を持つ死体の名前はメニー。苦境の中、死んだような人生を送ってきたハンクに対し、メニーは自分の記憶を失くし、生きる喜びを知らない。「生きること」に欠けた者同士、力を合わせることを約束する。果たして2人は無事に、大切な人がいる故郷に帰ることができるのか──!?




──これまで見たことない奇抜な展開と脚本に驚かされました。ダニエルさんはどこに惹かれましたか? 心をつかまれたポイントを教えてください。

ダニエル・ラドクリフ(以下、ダニエル):もちろんユニークなところが面白いと思いました。ただ、私に送られてくる脚本の中には変わったものが多いのです。ですが、変でありながら傑作になりうるものは少ないです。本作は、 “変” でありたいがために “変” を推しているものではありませんでした。そこに惹かれ、即座にやりたいと思いました。



(C)Yukitaka Amemiya



──死体役をやるとなった時、周りの方はどんな反応をしましたか?

ダニエル:私の周りの人は全然驚かなくなってます。エージェントも私のテイストが変わっていると理解しています(笑)。変わった脚本が好きだと認知してもらっていますし、変な脚本が送られてくるのはとても嬉しいことなのです。死体役に関して言えば、この先のキャリアにおいて死体役のオファーなんて二度とないと思ったのでチャンスだと感じました。本作の死体役はただの死体ではなく明るさとチャーミングさがあって、そして決してゾンビではない、それがやってみたいと思った理由です。

──たとえ死体であっても誰かのために何かをしてあげることはできる。それが本作の1番のメッセージだと感じました。ダニエルさんはどう思われますか?

ダニエル:どんなに素晴らしい芸術作品においても、いろんな解釈をさせてくれますよね。本作も、様々な形で受け止めていただいていることを嬉しく思います。私自身が感じるメッセージは、自分の変わっているところをいかに受け入れることができるか、そして他人の変わっているところを受け入れることができれば世界はもっと幸せになるということです。

どうしても死体であることや、死体がオナラするシーンばかりが先行してしまいますが、それは自分の肉体に感じる居心地の悪い部分を表現しているのです。自分自身の嫌いなところ、気に入らないところなど、誰もが感じる普遍的な部分。それを恥ずかしいと思う気持ちがいかに愛を遠ざけているか、恥ずかしいと思う気持ちを解き放つことができれば、愛にもっと近づけるはず。それが本作のメッセージだと考えています。




©2016 Ironworks Productions, LLC.



──死体の役作りは一体どのようにされたのでしょうか?

ダニエル:想像力を大きく使わなければいけない役作りでした。これまでの役作りで言えば、リサーチを重ね、それから役を作っていくのですが、今回はリサーチすることはできませんし、お手本もありませんから。

実際のところ少し悩んでいたのですが、友人から「死体役に正解はないし、間違えようがないじゃないか」と言われて、それですごく楽になりました。そこからは、死体に命が戻ってきた時にはどんな音をたてるのか、などを考えながら演じるようにしました。

──ハリーポッター後の出演作がどれもエキセントリックですが、ご自身は今後のキャリアについてどのように考えておられますか?

ダニエル:ハリー・ポッターシリーズの後に、現在のようなキャリアにしようと計画していたわけではありませんでした。ただし、自分が本当にやりたいと思える作品を選べる立場にいることは自覚していました。そこからは自分のテイストに導かれるように選んできただけなのです。

私が1番重要にしていることはオリジナリティであり、脚本を読んだ時に脚本家や監督のフレッシュな声があれば出演したいと思っています。




©2016 Ironworks Productions, LLC.



──主人公の2人は生きることに欠けた人間ですが、映画だけでなく現実でも同じように苦しんでいる人は少なくないと思います。それらの方にメッセージをいただけますか?

ダニエル:誰もが1人では生きていけないのだから、自分以外の人に頼っていいと思います。やはり人間というものは社会性のある生き物なので、自分以外の人とやりとりをすること、友情を見出すことが人生の意味につながってくると思うのです。

そのために、時には自分の脆い部分をさらさなければならない、人によっては怖いことかもしれないけれど、それが友情や、オープンな付き合いに発展するはずです。

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(取材・文:ゆうせい)

『スイス・アーミー・マン』
9月22日(金)、TOHOシネマズ シャンテほか全国公開
配給: ポニーキャニオン
©2016 Ironworks Productions, LLC.
公式サイト:sam-movie.jp

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