エグゼイドにリンク!? 攻めの昭和ライダー『仮面ライダーX』【篠宮暁の特撮辞典・第41回】
■オジンオズボーン・篠宮暁の特撮辞典
いまだに賛否両論! 攻めのライダー
仮面ライダーシリーズ3作目、5人目の仮面ライダー。5人目にして初のメカニカルなライダー。武器を所有するライダー。ベルトではなくアイテムを使って変身するライダー…。
『仮面ライダー』、『仮面ライダーV3』が続けて大ヒットし、相当なプレッシャーがあるなか、守りに入ることなく『仮面ライダーX』は攻めました。その攻めはいまだに賛否両論あるところですが、このチャレンジ精神があったからこそ、平成ライダーシリーズになっても、マンネリさせまいと攻め続けられているのじゃないかなと思います。
地味? シブい? グレーのスーツ
Xのマスクは、昭和ライダーの中でもライダーマンと並び、1、2を争うかっこよさだと思います。マフラーのカラーリングなんかは、Xがぶっちぎりにシブいです。
しかし僕の幼少期、仮面ライダーごっこをした時に、周りでXを選ぶ友達はいませんでした。グレーのスーツが子どもには地味に見えていたのだと思います。
本来はメカニカルということで、銀のスーツになるはずだったのですが、耐久性の問題で灰色になってしまったらしいです。今ではスーツの素材も進歩して、戦隊のスーツでも銀がよく使われていますが、もしあの時代にもあればXの位置付けも少しは変わっていたのかもしれません。
怪人のクオリティがものすごく高い
「X」はストーリーはそれまでの作品に比べるとやや大人向け、個人的には仮面ライダーの初期の暗い感じがあり、始まりはすごい好きです。
しかし、途中から作品のトーンがバラつく感じになり、戸惑う方もいるかもしれません。ですが、一貫して「X」がすごいところは、怪人のクオリティがものすごく高いというところ。
キングダークという巨大な敵も現れるのですが、これが横たわっている姿は圧巻で、その後の特撮にかなりの影響を与えたと思います。
キングダークと共に特筆されるべき敵は、やはりアポロガイストでしょう。敵なのにかっこいい。敵なのに変身ポーズを決める。かっこいいのに卑劣。昭和ライダーシリーズを代表するライバルとなりました。
この作品にも引き続き、おやっさんこと立花藤兵衛が出演。前作と世界観を分けるという案も出たらしいのですが、かろうじておやっさんは残りました。このことでライダーシリーズの進むべき方向が決まったと思います。
決まった方向へ右往左往しながらも進んだ先に、今のエグゼイドにたどり着いている気がします。
このエクしたイッカスライダー、いやイカしたエックスライダーをしかと見てください。
(文:オジンオズボーン・篠宮暁)
※この記事は、WEBサイト「WB」にて以前連載していたものを、再編集したものです
以前の記事はこちらから
【オジンオズボーン・篠宮暁の“特撮”向上委員会】も連載中!
無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。
無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。