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専門家MEG(サメ)を語る!埼玉県立自然の博物館の北川氏『MEG』へコメント!
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専門家MEG(サメ)を語る!埼玉県立自然の博物館の北川氏『MEG』へコメント!
© 2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., GRAVITY PICTURES FILM PRODUCTION COMPANY, AND APELLES ENTERTAINMENT, INC.
200万年前に実在した超巨大ザメのメガロドン、通称“MEG”が現代に甦る海洋パニック・エンターテイメント『MEG ザ・モンスター』が2018年9月7日(金)より公開される。
この度、本作をいち早く鑑賞した埼玉県立自然の博物館の北川博道氏(地質学、脊椎動物学専攻、脊椎動物化石研究)が古代生物メガロドン〈MEG〉についてコメントを寄せている。
本作を見て、
「設定が面白い!本編に出てきた海底の火山は実際にあって、描写がしっかりしていますね。深海の要素がぎゅっと凝縮されていて面白かったです」
と専門家ならではの感想を話す北川氏。
劇中では深海から目覚めたMEGがビーチまで迫り、人々を恐怖の渦に陥れる。作中で血の匂いや音を感じて襲いに来る描写があるが、実際はどのくらい器官が発達していたのか?と質問すると、
「ホホジロザメや現存するサメをケースにすると、ホホジロザメは 瞬膜と言って目を閉じることができます。ネズミザメ目という種類は目が閉じられないが、そのかわり眼球を反転させることができます。目が発達していて、かなり目は良いようですね。深海にいるサメなどは感覚器官がかなり研ぎ澄まされていて、少ない光を一回バウンドさせて目の中で増幅させるという機能があります。目で微弱な電波を受信できるように発達しているんですね」
と特徴的な器官があることも触れつつ解説。
© 2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., GRAVITY PICTURES FILM PRODUCTION COMPANY, AND APELLES ENTERTAINMENT, INC.
ニュースなどでよくサーファーがサメに襲われ、怪我を負うという事件があるが、その謎については、
「上の方でバチャバチャ泳いでいる人やサーファーが襲われるのは鰭脚類(アシカとかアザラシなど)が泳いでいるように見えるから」
とサメは勘違いして襲ってしまうのだと熱く語った。
続けて、
「磁場とか電波を受信できるのでこれがGPSのような役割を果たし、獲物の場所が分かったりします」
と驚きのGPS機能の存在が明らかに。
「GPSの機能がありますが、イルカみたいに何かを発するのではなく、受信するのみ。側線という感覚器官を持っていて、食べるために発達しました」
とハンターとして必要な機能が発達しているとのこと。
また、サメは目だけでなく、耳も良いと言い、
「キロ単位でわかる。何キロか先に美味しそうな音が聞こえたらとりあえず行ってみる!」
と豆知識を披露。
「目視ですが、美味しそうな匂いを感じれば、追いかける」
とサメの特徴を話しつつ、
「口に入れて間違っていたら味覚で帰りますよ(笑)」
と驚きの回答。
© 2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., GRAVITY PICTURES FILM PRODUCTION COMPANY, AND APELLES ENTERTAINMENT, INC.
そう、サメには味覚があるそうで、
「食べられるものや食べられないものを判断する能力があり、食べられないと思ったら噛むのを離す。食べる時は噛み砕くではなく、噛み切って飲み込んでしまうというかんじですね」
とのこと。
「食べるためだけに色んな物を絞って進化し、生き残ってきたのがサメです」
サメの知られざる機能を知れば、MEGにもし対峙しても対応できるかも??
© 2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., GRAVITY PICTURES FILM PRODUCTION COMPANY, AND APELLES ENTERTAINMENT, INC.
そして本作ではシャークケージの中に入りMEGを待ち構える水中シーンがあるが、
「噛む力を計算で求めていて推定した最新の研究があったんです!」
と北川氏。
「サメの噛む力は18万ニュートンと言われていて、噛んだ時18トンの重さがかかるくらいなんです。なんとティラノサウルス3匹分なんですよ!」
とケージや船をサメは簡単に噛めると力説。
「実際にホホジロザメで、船を噛んだという被害も報告されています」
と、サメの強靭な歯と噛む力による衝撃的な事件があったそうだ。巨大ザメMEGが出てくる本作を観ればあなたは海に行けなくな。サメに詳しくなれば本編をより一層楽しめること間違いなしだ。
北川博道氏 プロフィール
埼玉県立自然の博物館自然担当学芸員
理学博士 専門は古脊椎動物学
2011年京都大学大学院理学研究科修了。同学教務補佐を経て、2012年より現職。ゾウ化石を中心とした哺乳類化石をもとに、日本の生物相の成り立ちを調べている。博物館がある埼玉県は、様々な化石が見つかる化石の宝庫。荒川の河床から秩父の山奥まで、様々な場所で化石の調査を行っている。
ストーリー概要
人類未踏の地とされる「マリアナ海溝」を超える深海が発見された。沖合に海洋研究所を構えた探査チームが最新の潜水艇で深海へと繰り出す。生物がほとんど存在しない冷たい深海の海域を超えると、そこには温かな海域が存在し、幻想的な未知の生物世界が広がっていた。世紀の発見に心を躍らす研究チームだったが、巨大な“何か”に襲われ、身動きがとれなくなってしまう。深海レスキューのプロである、ジョナス・テイラー(ジェイソン・ステイサム)を救助に向かわせるが、彼の目に飛び込んできたのは200万年前に絶滅したと思われていた実在する巨大ザメ“メガロドン”だった―!!
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