■オジンオズボーンオジンオズボーン・篠宮暁の“特撮”向上委員会

レジェンド達が毎週登場し賑わせ、そしてストーリーもとにかく気になることだらけの『仮面ライダージオウ』。

そんな「ジオウ」の製作に至るまでを書いたファン必見のエピソードはもちろん、そもそも平成ライダーとはなんぞやというビギナーファンへも「こんなにも丁寧か」と思うほどの良書が発売されました。

それが、『「仮面ライダー」2000-2018全史』（別冊宝島）。

まずうれしいのが、平成ライダー全作品の振り返りが丁寧に、そして簡潔に書かれていること。仮面ライダーにまったく触れたことない人は、これを読んで「どの作品から見ようか」という羅針盤にもってこいの内容。

ただあらすじを紹介するのではなく、当時の空気感みたいなものも文章から読み取ることができます。

「ジオウ」から見始めた人も前から見てる人も是非読んでおきたいのが、ジオウのプロデューサー白倉伸一郎さんと1話、2話のパイロット監督を務めた田崎竜太さん、そして脚本家の下山健人さんのインタビュー記事。

これを読むことで、「ジオウ」が生み出されるまでの熱や苦悩を感じ取ることができます。

ファンを喜ばせようとしつつも、それ以上にリアルタイムで見る今の子供達を意識されているのというのは、さすがだと思いました。

そして白倉プロデューサー絶賛の主人公・常盤ソウゴを演じる奥野壮さんやゲイツ役の押田岳さん、ツクヨミ役の大幡しえりさんのインタビューを読めば、どんな意識で役に向き合ってるだとか、制作現場の雰囲気も垣間見ることができます。

このムックの凄いところはここから。

「ジオウ」と同じように過去の作品を題材にし、毎週とんでもないお祭り騒ぎと化した『仮面ライダーディケイド』直後、平成二期の1本目、『仮面ライダーW』のプロデューサー塚田英明さんと脚本の三条陸先生のインタビューを掲載。

そこでは、「ディケイド」の後だからこその苦労なども語られていたり、『仮面ライダーフォーゼ』についてや、現在「週刊ビッグコミックスピリッツ」で連載中の『風都探偵』についてもお話しされてたり。

そこからの『風都探偵』特集や「月刊ヒーローズ」で連載中の『仮面ライダークウガ』特集も濃密で、その漫画版「クウガ」の脚本、ならびに「アギト」、「ファイズ」、「キバ」でメインライターを務めた、井上敏樹御大将のインタビューも載ってる豪華さ。

まだまだ続きます。

これがなければジオウへ繋げなかったであろう『仮面ライダービルド』そして『仮面ライダーエグゼイド』の大森敬仁プロデューサーのインタビューでは、2年連続チーフ担当の苦労などもしっかりと記され、僕が神と崇めるエグゼイドの脚本を担当された高橋悠也さんのインタビューでは、小説版「エグゼイド」を書き終わった今だからこそ聞ける内容も書かれているなど、相当充実しております。

まだあります。

仮面ライダーにとって最も欠かせないアイテム、変身ベルト。

その変身ベルトの素材や音声にこだわり、大人向けに発売されてる「COMPLETE SELECTION MODIFICATION」、通称コンセレ。

そのコンセレまで特集組んじゃってるんです、このムックは！

インタビューには、もはやカリスマと化してるフナセンさんがお答えに。

ちなみに昨年は取材で、フナセンさんにお話を聞かせていただきました。

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「ジオウ」、そして平成ライダーを語る上で欠かせない一冊。

これを読んでもっと知りたいと思われた方、次回僕のオススメの仮面ライダー関連の良書を紹介させていただきます。

（文：篠宮暁）

【オジンオズボーン・篠宮暁の“特撮”向上委員会】
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