かっこいいヒーローに必須の悲劇|仮面ライダーが背負う悲しみを振り返る

■オジンオズボーン・篠宮暁の“特撮”向上委員会

僕が惹かれてしまうヒーローのタイプはてんでバラバラですが、ひとつだけ共通点があります。

悲しい過去を背負っているという点です。

悲劇を経験しているという要素は僕の中のヒーローの定義には必須で、それがよりヒーローをヒーローたる存在に確立してくれるものだと信じています。

『騎士竜戦隊リュウソウジャー』でいうとマスター達が庇って死んでしまったところがそれですし、『仮面ライダーゼロワン』でいうとデイブレイクがかなりの惨劇で、これから全貌が見えてよりすさまじかったことがわかればわかるほど、ゼロワンが引き立っていくと思います。

「ゼロワン」で或人のお父さんが亡くなるシーンは、僕の中で或人がヒーローの定義を満たす最重要エッセンスとなっています。

よくよく振り返ってみるとデイブレイクのような悲劇は、平成ライダーでも度々描かれてきました。

デイブレイクの前は、「ジオウ」のオーマの日。

「ビルド」ではスカイウォールの惨劇。

「エグゼイド」ではゼロデイ。

「ドライブ」ではグローバルフリーズ。

「ウィザード」ではサバト。

「カブト」では渋谷隕石。

「ファイズ」の流星塾同窓会。

「アギト」のあかつき号事件などなど。

ここでそれらがどれくらいの惨劇だったか、一回まとめてみたいと思います。

第44話



デイブレイクは街一つ分の爆発を起こした大事故。

オーマの日はダイマジーンが地球の人口を半分に。

スカイウォールの惨劇は国が三つに壁で分断。

ゼロデイはバグスターウイルスに感染し、相当数の人間が失踪。

グローバルフリーズは、全世界で一斉に起きたロイミュードによるテロ行為。

サバトは多くのゲートがファントムに変貌。

渋谷隕石は渋谷周辺を壊滅状態に。

流星塾同窓会はオルフェノクによるクラスメイト殺害。

あかつき号事件は、アギトの全ての始まりの海難事故。

こう見ると大森プロデューサーの作品の惨劇は規模が大きいです。

でも軸がしっかりしてるからどんなに規模が大きくなっても、まったくチープにならないし破綻しない。

お見事でございます。

こうしてまとめてみましたが、ここからはもしこれらの惨劇が実際に起こってしまったらどれが一番イヤかを考えてみたいと思います。

デイブレイク

嫌です。

あの大量の旧型ヒューマギアが襲ってくるのは怖すぎます。

あの顔のデザイン、秀逸すぎる。

スカイウォールの惨劇

嫌です。

実家の京都帰れないし、北海道においしいもの食べにもいけないし。

ゼロデイ

嫌です。

データにされるのは悲しすぎる。

さきぃー!

グローバルフリーズ

嫌です。

どんよりで体が動かないのにロイミュードに襲われるなんて、どうかしてしまいそうです。

でも重加速は体験してみたくはあります。

渋谷隕石

嫌です。

デイブレイクぐらい嫌です。

流星塾同窓会

嫌です。

あのシーンまじでゾッとする。

あかつき号事件

サバト

嫌です。

船に酔いやすい体質だし、ドラゴン抑え込める自信もありません。

オーマの日

これが一番嫌です。

人類が半分に?規模が一番大きい!

どれも嫌ですが強いていえば、スカイウォールの惨劇です。

でも、そのあとエボルトが支配すること考えるとビルドの世界も嫌やな。

ヒーローを輝かせる悲しみ。

僕らも一緒に悲しみを背負って涙して、そして応援していきましょう。

(文:篠宮暁)

【オジンオズボーン・篠宮暁の“特撮”向上委員会】
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