休日の鑑賞にぜひ!Amazonプライム・ビデオのオススメ映画3本!

世界規模で広がっているコロナウイルス対策の一環として出された、大規模なイベントへの開催自粛要請。その影響を受けて、映画館での新作映画公開スケジュールにも、大幅な変更が見られるようになってきました。


本来であれば、春休みシーズンの子供たちをメインターゲットとしたアニメ作品が公開されているはずなのですが、残念ながら、それらの作品も次々と公開延期に…。更には、ファミリー向けの作品に加えて、『007』といった人気シリーズの新作も、本国での公開延期により日本での公開が先送りになっています。

でも、ご安心を!
現在のような、外出が難しい状況に役立つのが、自宅でゆっくり映画やアニメが楽しめる、様々な動画配信サービスの存在です。何しろ、見逃していた作品や各配信サービスのオリジナル作品が、家のテレビやスマホでも楽しめるのですから、忙しい現代人にとっては心強い味方と言えるでしょう。

ただ困るのが、観たい作品のタイトルや好きな俳優の名前など、検索するための事前情報が無いと、なかなか好みの作品にめぐり合えないこと。もちろん過去の鑑賞作品の履歴から、好みに合いそうなタイトルを自動的に表示してくれるのですが、気が付くといつも似たようなタイトルが表示されていたりする、そんな経験は無いでしょうか?

そこで今回は、いつもの新作レビューとは趣向を変えて、Amazonプライム・ビデオで配信中の作品から、隠れた良作やユーザーレビューの高い作品を、まとめて3本ご紹介したいと思います。

半径15メートル以内の人間を即死させる男!


まずご紹介するのは、2018年に日本公開されたカナダ映画『(r)adius/ラディウス』です。

シンプルなタイトルからは、作品の内容が想像できないのですが、観客の予想を超える展開の連続で、最後まで飽きさせない作品となっています。




ストーリー


自動車事故から目覚めたが、過去の記憶を無くしてしまった男・リアム。
助けを求めて近くの町に向かった彼が目にしたのは、町中にあふれる住民たちの死体だった。大気中に広まった未知のウイルスによる空気感染なのか? 不安にかられる彼の前に生存者が現れるが、リアムが近寄ろうとした途端、彼の目の前で生存者は死んでしまう。その後も近寄った者が次々と即死していくのを観たリアムは、彼の半径15メートル以内に近寄った生物が死ぬという事実を知る。
だが、同じように記憶を無くし、彼に近寄っても死なない女性・ジェーンと出会ったことで、リアムは彼女と共に、この謎を解き明かそうとするのだが…。

見どころ


謎のウイルスによる人類滅亡を生き延びた男の物語? と思わせて、実は主人公のリアムには、自分の半径15メートル以内に近寄った生物を即死させる能力があった! という驚愕の事実が明らかになる本作。

この段階でも相当面白いのですが、彼と同様に記憶喪失となっている女性・ジェーンと出会い、しかも彼女がリアムの名前を知っていた上に、彼に近寄っても死なないことが判明するなど、更に観客の予想を超えた方向へ進んでいく展開は見事!

何しろ、リアムの頭上を飛んでいたカラスまでもが、即死して落ちてくる状況だけに、一切の記憶を無くした上に他人にも助けを求められないという、主人公の絶望的な境遇に対して、観客側も充分感情移入できるというわけです。

加えて、リアムの半径15メートル以内にジェーンがいる状況では、何故か彼の能力が発動しないため、二人は一緒に行動して謎の解明に乗り出すのですが、事情を知らない警察はリアムを一連の事件の犯人として追ってきます。

この辺の警察から逃亡する展開は、一定の距離以上離れると爆発したり、一定の速度を下回ると爆発する爆弾を巡るサスペンスを思わせて、実にハラハラさせてくれるのですが、文字通り"歩く時限爆弾"と化したリアムを巡る物語は、ここから更に意外な展開へと突入することに!

果たして、この二人の能力の謎と、彼らが無くした記憶に隠された秘密とは何なのか?

テレビシリーズ化しても充分通用する、SFとミステリーを融合させたその展開を、ぜひお楽しみ頂ければと思います。

スマホを届けただけなのに?


続いてご紹介するのは、全8話からなるオムニバスのホラー作品『奇々怪々譚 醒めない悪夢の物語』です。

このジャンルのレビューには、「観てがっかりした」や、「安っぽい作りで、内容がジャケットのデザインに負けている」など、低評価のレビューが見られることが多いのですが、本作には高い評価が寄せられています。




見どころ


『世にも奇妙な物語』のようなオムニバス構成に加えて、全8話を合わせても76分という、非常にコンパクトな上映時間の中には、実はホラーだけでなく"笑い"で終わる作品も、何本か含まれている本作。

こう聞くと、「え、それって、全体のバランスを崩してしまうのでは?」と誤解されそうですが、この恐怖と笑いの取り合わせが、意外にも良いアクセントとなっているのです。

加えて、出演キャストにも演技力のある俳優を揃えているため、元々優れたアイディアに溢れていた脚本が、より魅力を増すことになるのも見事!

例えば、第1話の『カーテンの向こう』のように、車椅子生活で体の不自由な老人が、玄関と部屋を仕切るカーテンを開けられるかどうか? この部分だけでも観客の興味が終盤まで持続するのですが、俳優の演技も実に自然で違和感無いため、ラストに訪れる恐怖が更に倍加することになるのです。

ホラー以外のエピソードでは、まるで落語のオチのようなセリフ一言で見事に終わる『深夜の来客』と『東京の友達』もオススメですが、個人的にオススメしたいのが、第5話の『女友だち』です。

最近、赤いワンピースを着た女にストーカーされている気がすると言っていた女友だち。彼女が女子会で忘れたスマホを届けに、タクシーで彼女の自宅に向かうヒロイン。その途中、女友だちのスマホに彼氏からLINEのメッセージが届きます。

純粋な興味から、その会話を見てしまったヒロインに知らされる驚愕の事実とは何か? 更に、女友だちの自宅に着いた彼女を待っていた恐怖とは?

この手のジャンルの作品を観て、「うわ、またジャケットのデザインに騙された…」、そんな体験をされている方にこそ、ぜひ観て頂きたい作品です!

人形の世話を頼まれた女性が体験する恐怖とは?


最後にご紹介するのは、2016年に日本でも劇場公開された作品『ザ・ボーイ ~人形少年の館~』です。

邦題のサブタイトルに若干のネタバレが含まれているのですが、意外な展開と深まる謎への興味で、最後まで観客を楽しませてくれる作品となっています。




ストーリー


広大な洋館に暮らす老夫婦から、小さな男の子の世話役として雇われたグレタ。しかし、現地に着いた彼女が目にしたのは人間の子供ではなく、何と子供と同じ大きさの人形だった。
食事や着替え、更に本の読み聞かせや、人形には必ず音楽を聞かせるなど、人間の子供と同じように接することを、老夫婦から命じられるグレタ。最初は疑いの目で見ていた彼女だが、仕事として人形の世話をするうちに、この人形が生きて動いているのでは? そう考えるしかない数々の不思議な現象に遭遇することに…。
次第に、この人形に魅せられ、いつしか老夫婦のように人形を溺愛するようになるグレタ。果たして、この人形は本当に生きているのか?

見どころ


実の息子ブラームスを、8歳の誕生日に火事で亡くした老夫婦。

それ以来、息子の姿に似せた人形と一緒に暮らし、まるで人間の子供のように接している彼らの様子に、「この老夫婦はどこか怪しい」、観客側も疑惑を抱きながら鑑賞することになります。

自分たちの留守中も、決められた"10のルール"を守って人形の世話をするように言い残して、旅行に出かけてしまった老夫婦。

広い洋館で人形と二人きりになってしまったグレタの周囲で、自分の服やアクセサリーが消えたり、知らない間に人形がベッドの上に座っているなど、人形が生きて動いているとしか思えない現象が起こるようになります。

当初は人形に対して恐怖の感情を抱いていたグレタも、次々と起こる不思議な現象に、いつしか人形と心を通わせ、老夫婦のように人間扱いしていくことになるのですが、ここから映画は更に予想外の展開へ!

果たして、死んだブラームスの霊が人形に取り付いているのか? それとも、本当に人形は生きているのか?

映画の冒頭から張り巡らされていた数々の伏線が、見事に回収されていく終盤の展開や、表情が変わらないはずの人形を、首の角度やライティングで生きているかのように見せる手法も上手いのですが、グレタの暴力的な元カレが登場する終盤の展開から、一気にホラー映画へとシフトして迎える衝撃のラストは必見!

単にアイディア勝負の怖い映画ではなく、老夫婦の息子への愛情の深さと、意外な人形の存在理由が観客に深い余韻を与える作品なので、休日のお楽しみにぜひ!

最後に


いかがでしたか?
今回は、あらすじを聞いただけでも「面白そう!」と思えて、更にユーザーレビューも高い作品をご紹介したのですが、この他にも隠れた良作・佳作は、まだまだ埋もれています。

最近は、地上波での映画放送が激減してしまい、BS放送にそのオンエア枠が移行しているだけに、興味の無かったジャンルの作品をテレビで偶然観ることで、その魅力に目覚めて次第に自分の映画の世界が広がっていく、そんな体験が困難になっているように思えます。

こんな状況だからこそ、お家で手軽に楽しめる配信サービスを利用して映画の知識を深めるというのも、映画好きにとって有意義な時間の過ごし方と言えるかもしれません。

今回ご紹介した3本から、また新たな映画の楽しみ方を発見して頂ければ幸いです。

(文:滝口アキラ)

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