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2020-05-15

コラム

おうちで映画も美味しく!そば&うどん映画映画特集!

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以前、ラーメンが出てくる映画ってどんなものがあるだろう? とふと思い立ち、本サイトで記事にしたことがありました。

■映画も美味しく!ラーメン映画大特集!

では、ラーメン以外の麺類が出てくる映画は?

というわけで、今回は日本を代表するお蕎麦とうどんが出てくる映画をピックアップしてみてみようかと……



Photo by Masaaki Komori on Unsplash



《キネマニア共和国~レインボー通りの映画街466》

現代劇&時代劇を問わず、アイテムとしても舞台としても登場することが多い二大和食麺、「あ、そういえばあの映画にも、このドラマにも!」みたいに、いろいろ思い起こされます。

感動ブームを巻き起こした『一杯のかけそば』
日中合作蕎麦映画『コンプリシティ』


蕎麦が出てくる映画と聞くと真っ先に『一杯のかけそば』を思い出す方は、おそらくは昭和世代(って私のことですけど)でしょう。

北海道・札幌を舞台に、毎年大みそかの夜遅くになると母と二人の小さな息子が蕎麦屋を訪れて、かけそば一杯を注文して3人で分け合って食べるという、マコトかウソかの感動エピソードが昭和末期から平成初頭の日本を駆け抜けたことがありました。

このエピソード、『伊豆の踊子』(74)などの名匠・西河克己監督のメガホンで1992年に映画化されています。

母親に泉ピン子、蕎麦屋の主人に渡瀬恒彦、その妻に市毛良枝というキャスティング。

で、真っ先に記しておきながら申し訳ない限りではありますが、この作品、公開後にビデオ化はされたものの、その後DVDなどのソフト化はされておりません。

映画化が発表された当時は企画の安易さを批判されながらも、いざ公開されるとその出来の良さに多くの映画マスコミが感服し絶賛した作品で、非常にオーソドックスな語り口の中から古き良き日本映画の味わいをしんみり醸し出し得た隠れ名編です。
(西河監督は日活青春映画の雄で、その後も山口百恵&三浦友和のコンビ映画を大ヒットさせたり、後年も歌謡曲を原作にした『花街の母』79、戸塚ヨットスクール校長を主人公にした『スパルタの海』83、難病に侵されたDJの実話の映画化『チーちゃんごめんね』84、日大創立100周年記念映画『マイ・フェニックス』89など、正直企画的にはムムム……と思われるものもことごとく見事な“映画”に仕立て上げる名人でもありました。小泉今日子の初主演映画『生徒諸君!』84も彼のメガホンです)

何とかソフト化もしくは配信などをお願いしたいところです。

ちなみにこのエピソード、2010年に韓国で『うどん一杯』というタイトルで映画化されています(蕎麦からうどんに代わっているのがミソです)。

最近の映画で蕎麦屋をメインの舞台に据えたものとしては日本と中国の国際共同企画で制作された『コンプリシティ 優しい共犯』(18)が挙げられるでしょう。


(C)2018 CREATPS / Mystigri Pictures



中国から技能実習生として日本に働きに来ながらも研修先から逃げて不法滞在の身となった若者(ルー・ユーライ)が、ひょんなことから山形県の蕎麦屋で働くことになり、そこの孤独で厳格な主人(藤竜也)と徐々に絆を深めていくものの……といった内容。

2018年度の東京フィルメックスで観客賞を、2020年度オランダのアムステルダムで開催された“CinemAsia Film Festival”でヤング批評家賞を受賞。またトロントや釜山、ベルリンといった国際映画祭でも絶賛された近浦啓監督の秀作で、主題歌となるテレサ・テンの《時の流れに身を任せ》中国語ヴァージョンも印象的です。

蕎麦という点では、蕎麦打ちのシーンなどが名優・藤竜也のいぶし銀の貫禄で魅力的に描出されています。
(藤さんは撮影前に山形県大石町の職人さんから猛特訓を受け、撮影前には卒業記念の意を込めて、朝3時に起きて職人さんやご近所へ50人前の蕎麦を打ったとのこと)

今年の1月に公開されたばかりで、コロナ禍によって現在は地方などの上映がストップされたままですが、自粛の解除とともにぜひ見ていただきたい作品です。

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