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2020-05-23

邦画実写

『カメ止め』だけではない!続々登場、リモート映画の勧め!

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4月半ばの緊急事態宣言以降、プロ&アマを問わず文化芸能に携わる多くの人々が今後の道を模索し続けています。

そんな中、『カメラを止めるな!』(18)で一躍注目された上田慎一郎監督が、スタッフ&キャストを再集結させた短編リモート映画『カメラを止めるな! リモート大作戦!』が配信され、大きな話題となっています。

短編映画『カメラを止めるな! リモート大作戦!』
(PANPOCOPINA パンポコピーナ)
&t=727s

映画の撮影は大勢で同じ場所に一挙集って行うもの、といった定石を打ち破り、スタッフ&キャストは誰とも直接会うことなく、Zoomを使用しての画面共有やスマホなども駆使して家の中で個々に撮影したものなどを巧みに編集して1本の作品を完成させるというのは、これまでにない新しい映画の形として大いに注目するものがあります。

そして実は現在、『カメ止め!』だけでなく多くのリモート映画が作られているのです……

《キネマニア共和国~レインボー通りの映画街470》

今回はその一部をご紹介!

多くの気鋭クリエイターが
リモート映画に参戦!


いち早くリモート映画に名乗りを上げたのは、『世界の中心で、愛を叫ぶ』(04)『ナラタージュ』(17)などで知られ、現在新作『劇場』『窮鼠はチーズの夢を見る』がコロナ禍のために公開待機中の行定勲監督でした。

まず4月24日に発表したのが『きょうのできごと a day in the home』。

『きょうのできごと a day in the home』
(ROBOT CONTENT LAB)


以前行定監督が手掛けた映画『きょうのできごと a day on the planet』(04)とも呼応しあう世界観のもと、オンライン同窓会に興じる男たちの一見とりとめのない会話の数々から、何某かの抒情みたいなものが醸し出されていきます。

Zoomを使用してのノーカット撮影で、柄本佑、高良健吾、永山絢斗、アフロ(MOROHA)、浅香航大、そして有村架純と、キャストも実に豪華!

会話の中で映画ネタが主軸になっていくのも、「早く映画館で映画を見て貰える世の中になってほしい」という行定監督の想いが伝わってくるようです。

続いて5月17日より、リモート映画第2弾『いまだったら言える気がする』を発表(当日はライブ配信でした)。前作からたった3週間ほどでのアップですから、かなりの勢いも感じます。

『いまだったら言える気がする』
(ROBOT CONTENT LAB)


こちらのキャストも中井貴一(小説家)と二階堂ふみ(女優)、BiSH アイナ・ジ・エンド(小説家の娘)と実に豪華で、お三方とも行定監督の趣旨に賛同してのボランティア出演とのことです。

ストーリーは自粛中の女優が小説家とZoomを用いて語り合っていく中で、やがてそこに小説家の娘も現れて……というもの。

前作とは一転して、しっとりした大人のラブストーリー的な情緒の発露は、行定作品ならではの味わいともいえるでしょう。

もちろんこちらもノーカットの一発収録で、また会話の中に「映画館行きたーい!」といった映画ネタも多数です。

演劇&映画界の第一人者・三谷幸喜の代表作のひとつ『12人の優しい日本人』を、三谷作品にゆかりの深いキャストを集めてのユニークな朗読劇も前後篇でアップされています。

『12人の優しい日本人 を読む会』(前編)
(12人の優しい日本人を読む会)


『同』(後編)
(12人の優しい日本人を読む会)


12人の陪審員の審査の模様が12分割の画面で繰り広げられていくさまが実に圧巻で、往年のマルチスクリーン方式の映画を見ているかのような味わいもありますね。

柄本時生、岡田将生、落合モトキ、賀来賢人の4人で結成された「劇団年一」の面々が繰り広げる『肌の記録』は、ちょっと他とは異なる面白い試みがなされています。

設定は今から100年後の世界。

現在30歳の幼馴染ながらも、実はオンライン以外で会ったことがないという4人の男たちが、リモート画面の中で「ごっこ」に興じていくさまが描かれていきます。

こちらは2週間のリハーサルを入念に行ってのスタイルで、演劇とも映像ともつかない不可思議かつ贅沢な体験を得ることができます。

(※本作の上演期間は5月21日23時59分で終了となっていますが、今後のリピートなども期待して、今回ラインナップに加えさせていただきました)

俳優のみならず監督&プロデューサーとしても活躍中の斎藤工も、現在映画と映画館の灯を絶やすまいとエネルギッシュな活動を続けています(現在、日常化したテレワークを舞台にした映画企画“TOKYO TELEWARK FILM”を始動させ、オンラインミニシアター“STAY HOME MINI-THEATER”にて定期的にプロデュースしたリモート映画をプレミア上映開催中!)

※STAY HOME MINI-THEATERの詳細は下記にて
https://stayhome-minitheater.com/news/category/news

そんな斎藤工を主演に据えた超短編リモート映画シリーズが『8日で死んだ怪獣の12日の物語』です。

『8日で死んだ怪獣の12日の物語』
(岩井俊二映画祭チャンネル)


こちらは樋口真嗣ら5人の監督がコロナ禍と対峙しべく発動させた“カプセル怪獣けいかく”のスピンオフ企画で、樋口の原案を得て、岩井俊二が脚本・監督・造形を担当という豪華な布陣。

※カプセル怪獣けいかくの詳細は下記にて


お話は、通販でカプセル怪獣を買ったサトウタクミ(斎藤工)が、果たしてちゃんと怪獣を育てられるのか、その過程を5月20日から毎朝8時半に配信していくというもの。

毎回の時間は1分30秒前後の尺で、全12回。

どんな非常時でもエンタメをきちんとお届けしたいというクリエイターたちの意気込みと遊び心が見事に融合した作品で、毎日続きを見るのが楽しみな作品です。

まだまだいっぱい!
インディ系リモート映画たち


これら以外にも現在、インディペンデント界隈を中心に続々とリモート映画が発表されています。

●映画『アワータイム』
(元町映画館)


オンライン飲み会で、幼馴染の男女4人が集結。しかし、そこに突然奇妙な人物が次々と乱入し……。

神戸の映画館「元町映画館」と、学生による学生のための映画宣伝隊「映画チア部」で制作。本編約25分のうち20分が1テイク収録&ノーカット編集。

●リモートホラー映画『オンライン同窓会』
(ホラーちゃんねる)


自宅待機中の高校同級生たちによるオンライン同窓会。そこで起きる不可解な出来事とは……?

恐怖ドラマや心霊動画、都市生活ドキュメントを毎日アップしている日本最大級ホラー専門You Tubeチャンネルが挑むリモート・ホラー映画。

●リモート短編映画『はるかのとびら』
(CROCO FILM)


自粛中の新人女優を励まそうと、事務所の先輩らがビデオ電話をかけるが彼女の気は晴れず、すると……。

昨年人気を集めたカルト映画『みぽりん』(19)松本大樹監督の新作。同作キャスト陣が本人役で出演し、あっと驚く展開を経て、最後にカタルシスをもたらす。

●リモート1『正義と悪が今やるべきこと』
(映画ヤロウZ)

悪の総統と悪の手下、ヒーローがなぜか一挙集ってリモート討論しつつ、3つのお題のクリアをめざす!?

映画制作バラエティ「映画ヤロウZ」が視聴者からいただいたお題に沿って「3日間で生配信映画を完成させろ!」を実践。本番は生配信。メイキング映像あり。

●完全リモート映画『カイブツはいない』
(ほろよいチャンネル)
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突如、謎のカイブツが世界中に出現し、社会は混乱。政府は対策として果物ナイフを配布するというが……。

現在のコロナ禍をカイブツ出現に置き替え、政府やマスコミ、SNSなどに翻弄されながら、いつしか狂気を帯びていく人間の心の闇が社会風刺的に描かれる。

上記以外にもまだまだ作品は発表されているかと思われますし(先日NHKでもリモートドラマをやってましたね)、これからも続々リモート映画は制作されていくものと思われます。

※速報※ 吉田羊&大泉洋のダブル主演、岡田惠和・脚本、松永大司・監督のリモート・ショート連続ドラマ『2020年 五月の恋』が5月28日よりYou-tubeのWOWOWオフィシャルチャンネルとWOWOWメンバーズオンデマンドで連日無料配信され、6月2日23時45分からはWOWOWプライムで連日無料放送されます。

またこういった現状と呼応するかのように、松竹では「#リモート映画祭」なるプロアマ問わず広く在宅でリモート制作した短編映画をSNSで公募中。
(応募方法などの概要は、以下を参照)

公式HP:https://www.shochiku.co.jp/entertainment/event/remotemoviefes/

Twitter:https://twitter.com/remotemoviefes

現在のリモート映画は会話劇を主軸とした者が多数ですが、即興スタイルのものから脚本をかちっと仕上げてリハーサルも入念に行ったもの、また今後は撮影のフットワークの良さを活かしたものなども期待できそうです。

困難な時期だからこそ、何とか今できる範囲の中でやれることはやっていこうとするチャレンジ精神のひとつの表れがリモート映画ではないかと思われます。

これからの映画界の新たな原動力となりますように!

(文:増當竜也)