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2020-06-18

コラム

『スウィンダラーズ』、『愛の不時着』のヒョンビンが正義の詐欺師に!




第12回:『スウィンダラーズ

Amazonプライム・ビデオで配信中のオススメ韓国映画を紹介するこの連載。今回は2018年日本公開の韓国映画『スウィンダラーズ』をご紹介したいと思います。

本来は敵同士である詐欺師とエリート検事が、共通の目的である伝説の大物詐欺師逮捕のためにチームを組むというストーリーからは、韓国版『コンフィデンスマンJP』のような内容を予想したくなる本作。

現在配信中の人気ドラマ『愛の不時着』主演のヒョンビンが、“詐欺師を専門にダマす詐欺師”という異色のヒーローを演じていることでも話題の作品なのですが、気になるその内容と出来は、果たしてどのようなものなのでしょうか?

ストーリー




韓国を驚かせた希代の詐欺師チャン・ドゥチルが死亡したというニュースが発表される。しかし、詐欺師だけをダマす詐欺師ジソン(ヒョンビン)は、チャン・ドゥチルがまだ生きていると確信し、事件の担当検事パク・ヒス(ユ・ジテ)に、彼を捕まえようと提案する。パク検事の非公式捜査ルートである詐欺師3人組コ・ソクトン(ペ・ソンウ)、チュンジャ(ナナ)、キム課長(アン・セハ)も合流して、行方をくらましたチャン・ドゥチルの側近クァク・スンゴン(パク・ソンウン)に接近するため、新しい作戦を立て始める。しかし、パク検事はチャン・ドゥチル検挙ではなく、別の目的のためにひそかに違う作戦を立てていた。これに気づいたジソンと他の詐欺師たちも互いにダマされないため、それぞれの計画を立て始めるが…。




最後まで先の読めない展開と、ヒョンビンの魅力が満載!



巨額の詐欺事件で大量の被害者を出しながら、集めた大金と共に姿を消した伝説の詐欺師ドゥチルを倒すため、エリート検事と"詐欺師だけをダマす詐欺師"が手を組んだ!

この設定だけでも既に面白そうなのですが、主人公ジソンを演じるヒョンビンのカッコよさはもちろん、『オールド・ボーイ』の悪役ユ・ジテや、『新しき世界』で強烈な印象を残したパク・ソンウンなど、役者の持つイメージを利用して物語の展開に意外性を与えている点も、実に効果的と言えるのです。

国外逃亡したドゥチルが死亡したとのニュースが報道される中、父親を自殺に見せかけて殺害したドゥチルへの復讐に燃えるジソンは、彼が巨額の資金と共にまだ生きていると確信。同じく事件を追うパク検事に対し、自身が立てた計画によるドゥチル逮捕への協力を持ちかけます。

決して人前に姿を見せないドゥチルへの足がかりとして、彼の側近であるスンゴンに標的を定めたジソンのチームは、カジノを利用した3千億ウォンのマネーロンダリングという巨大な罠を仕掛けるのですが、果たしてその先に待つものとは?



これからご覧になる方のために、これ以上詳しく書くことは控えさせて頂きますが、綿密に練り上げられたはずの計画が、予期せぬ裏切りやアクシデントによって危機的状況に陥るサスペンスや、敵と味方が入れ替わり二転三転するストーリーなど、果たして誰が味方で誰が敵なのか? 最後まで全く予想できない攻防が続くのは見事!

各登場人物が自分の思惑のために相手を出し抜こうとする中、果たしてジソンはドゥチルの資金を奪い、父親の無念を晴らすことが出来るのか?

映画の冒頭に登場する大規模な詐欺事件が、実は映画の終盤で重要な意味を持つことになるなど、細かい部分を見逃すと後半の展開でダマされることは確実な、この『スウィンダラーズ』。

その見事な仕掛けと予想外の結末は、必見です!

最後に



"詐欺師を専門にダマす詐欺師"という異色のヒーロー像が秀逸な本作ですが、裏の仕事から足を洗おうとしていた父親の復讐という背景が与えられていることで、本来は犯罪者である主人公に対して観客側が感情移入しやすくなる点は、実に上手いと言えます。

加えて、韓国で実際に起きた史上最大のマルチ商法詐欺事件がモチーフとなっているだけに、その犯人が逆にダマされる! という展開は、観客の日頃の不満やストレスを見事に解消してくれるのです。

更に、主人公ジソンが長年かけて準備したドゥチルへの復讐計画が、本来は敵である検事チームの協力を得て実行に移されるのですが、ここに予期せぬアクシデントや仲間の裏切りが絡み、最後まで先の読めない展開が続く脚本は見事!

見事なチームワークで悪党をダマす、最強の詐欺師チームの誕生が描かれるだけに、どうしても続編を期待したくなる、この『スウィンダラーズ』。

冒頭に登場する逃亡シーンでヒョンビンが披露する見事な変装や、二転三転するストーリーに味方の裏切りなど、実は韓国版『ミッション:インポッシブル』といった内容に仕上がっているので、全力でオススメします!

(文:滝口アキラ)