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今でも特撮が好きな「原点はここにあったんだ」と回顧!吉川進さんのプロデュース作品を語る

■オジンオズボーン・篠宮暁の“特撮”向上委員会

吉川進さんといえば、平山亨さんと共に東映特撮の礎を築いたことで特撮ファンには広く知られている。

吉川さんがいなければ『仮面ライダーゼロワン』と『魔進戦隊キラメイジャー』も当然なかっただろうし、特撮そのものの在り方ももっと違ったものになっていたかもしれない。

その吉川さんが先日亡くなられた。

ネットニュースで知った。

記事には、吉川さんが手掛けられた作品が並べられている。

そこに挙げられているのは、吉川さんを語る上で絶対に欠かすことができないヒーロー。

途中でアクション担当を大野剣友会からJACに変えて一触即発になりかけたり、後半まで子供を飽きさせないように考案されたのがゴレンジャーハリケーンだったりと、逸話をあげればキリがない『秘密戦隊ゴレンジャー』。

良心回路が不完全な為、完全無欠のヒーローではないが、それがゆえの葛藤により機械なのに人間より人間らしい、仮面ライダーとはまた違うヒーロー像を目指した『人造人間キカイダー』。

壮大なスケールで巨大メカを駆使しながら一人で立ち向かっていき、新たな技術も積極的に取り入れ独特の映像を作りつつ、人間ドラマも丁寧に構築した『宇宙刑事ギャバン』。

この一週間でこれらの作品たちの話をした方も多いだろう。

当然僕も大好きなヒーロー達だが、今回は僕が特に影響を受けた吉川プロデュースの作品を振り返ってみる。

吉川さんが立ち上げた『宇宙刑事ギャバン』から始まったメタルヒーローシリーズ。

僕が初めて見たメタルヒーローは1985年の『巨獣特捜ジャスピオン』。

白が映えるフェイスマスクと黒崎輝さん演じるジャスピオンのモジャモジャの頭を見ると、脳の奥の方に微かに残ってる、いや残ってるかも定かでない2歳の頃に感じた何かが刺激される不思議な感覚になる。

その「ジャスピオン」の次作『時空戦士スピルバン』は、今、僕がこうして大人になっても特撮を好きでいられる要因になってる作品だ。

とにかく悲しい。

生まれた星を敵であるワーラー帝国に滅ぼされ、生き残った人達で脱出した宇宙船も燃料切れで宇宙をさまよい食料も消耗していく中、子供二人だけでも生き残らせるために別の船に二人を乗せ、餓死を免れるため、宇宙船ごと爆発。

その残った二人が主人公のスピルバンとダイアナ。

さらに悲しいのは優秀な頭脳が欲しいがため、父親と姉はワーラー帝国に拉致され、父親はドクターバイオという異形の姿に改造、洗脳されて、そのドクターバイオは姉もヘルバイラという怪物に改造。

要所要所で流れる初期EDテーマ、水木一郎さんが歌う「君の仲間だスピルバン」も、子供番組に相応しからぬ悲しいメロディで、トラウマとして僕の脳にこびりついてる。

そのときの衝撃、刺激、興奮が忘れられなくて、いまだにどっぷりと特撮の沼にハマってしまっている。

僕が大好きな作品『仮面ライダービルド』では人体実験が用いられたが、その人体実験による悲しさに強く惹かれてしまったのはこういう背景がある。ということを、今回吉川さんが亡くなられたことで気づかせてもらった。

「原点はここにあったんだ」と。

その後の超人機メタルダーの最終回。

メタルダーにつけられている超重力制御システムが最終決戦の影響で壊れ、このままでは地球を破壊してしまうため、腹部にある超重力エネルギー装置を味方である八荒に剣で突き刺されるシーンもトラウマに。

『仮面ライダーBLACK』では、サボテン怪人の回で食料不足で飢える怪人のために、雨で菌を無差別にばら撒き人間の体にゴルゴメスの実を生やして収穫するシーンもトラウマになった。

雨でばら撒く恐ろしさは『仮面ライダーアマゾンズ』のトラロック作戦にも通ずるものがあり、上記の繋がりからなのか強烈に惹かれてしまった。

幼少期に良質な特撮を見せていただけたおかげで今もこうしてずっと好きでいられることと、今回こうして振り返ることで気づけていなかったたくさんのことを気づかせていただいたことに多大な感謝を申し上げ、心よりご冥福をお祈りします。

(文:篠宮暁)

【オジンオズボーン・篠宮暁の“特撮”向上委員会】
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