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2020年12月22日

ネットフリックスドラマ『クイーンズ・ギャンビット』レビュー:重厚感とエンタメ性、ファッショナブルで一気見不可避な人気作!

ネットフリックスドラマ『クイーンズ・ギャンビット』レビュー:重厚感とエンタメ性、ファッショナブルで一気見不可避な人気作!

■橋本淳の「おこがまシネマ」

どうも、橋本淳です。71回目の更新、宜しくお願いいたします。

2020年も最後の更新となりました。

月日は早く過ぎていきますね。この大変な世の中も早く過ぎ去ってほしいものです。来年は、皆様にとって素敵な年になりますように。

今年も沢山の映画に出会えたり、再会できたり、発見したりと、楽しいこともありました。感染症対策のため、なかなか映画が公開しなかったり、先延ばしになったりと暗い情報が多いですが、そういうときには配信系の映画やドラマに助けられます。家で名作が観れるという贅沢な時代、素晴らしいですね。まぁ、お陰で寝不足になりがちになりますが、、ね。

わたしは、いま舞台の本番の真っ最中(来年の1/7までやっております)なので、年末年始も関係なく、緊張感ある日々を過ごしております。

そんな最中、またもや寝不足必須な作品に出会ってしまいました。一気見してしまう面白さなので、多くの人はきっと、一晩で観終えてしまうと思います。

2020年最後は、こちらの作品をご紹介します。

Netflixドラマ『クイーンズ・ギャンビット』(全7話)

舞台は1960年代のアメリカ。交通事故で母を亡くしてしまったベス・ハーモン(アニャ・テイラー=ジョイ)は、カトリック系の孤児院に引き取られる。そこには沢山の孤児が生活しており、引き取り手が現れる日を待っていた。



ある日、ベスは地下室に降りていくと、用務員のシャイベル(ビル・キャンプ)が一人でチェス盤に向き合っているところに遭遇する。興味を持つベスだが、シャイベルは女がやるものではないと軽くあしらう。が、何度もその地下室に通うベスに、シャイベルは渋々ながら向かいに座れと促した。

ぶっきらぼうに教えていくシャイベルだが、ベスの並外れた才能に驚愕していく。その早すぎる理解力と賢さに、シャイベルも真剣になって教えていく。好奇心のままに学んでいくベスは、短期間の間に、シャイベルに楽々勝ってしまう程になる。その実力は、高校生と多面打ちをしても全勝してしまうほどにまでなっていた。

そして、ある日、ついにベスにも引き取り手が現れる。新しい家族に育てられつつ、自身からチェスの大会出たいと懇願し、男性ばかりのチェスの大会にも出場していき、彼女はどんどん上り詰める。そしてトッププレイヤーになっていくのだった。孤独、そして様々な依存症を抱え、苦しみながらも、世界を目指していく。



世界的にヒットしている注目のNetflixドラマ。10月23日から配信がスタートしましたが、ずっとTOP10に入り続けるほどの人気作にして注目作。

評判を聞きつけ、僕も観ましたが、いやいやこれは素晴らしい!

次、次、と次が気になりすぎて、一気見してしまいます。

チェスのルールが、分からない?

もちろん、それでもまったく問題なく楽しめます!

話の展開、緊張感ある試合のやり取り、そして時代性、どこをとっても見応えがあります。展開も早く、あっという間の体感時間。

年末、自宅で過ごすなら、是非、まず1話を観ていただきたい。



主演ベスの10代から20代前半までを演じるのは、アニャ・テイラー=ジョイ。

M・ナイト・シャマラン監督の「スプリット」や「ミスター・ガラス」などに出演している今注目の俳優です。目での語り、繊細な表情が武器で、今回も存分にその力を発揮しています。特にチェスの試合のシーンでは真っ直ぐ見据える視線に、観るものが虜になるのは必至です。

ベスの養母アルマを演じるのは、マリエル・ヘラー。映画監督でもあるヘラーが、今作ではその時代の女性像を体現し、見事に演じ切っています。この実力派の2人のやりとりに、引き込まれていきます。

そして、チェスの試合では、その駒の捌きが本当に美しい!

試合の展開で、素早く入れ替わり続ける盤面の駒。それを動かす手や指の動きがクセになる。そして駒を打ちつける音、全部に魅了されてしまいます。
(見終わった頃には、きっとあなたはネットでチェス盤を探し始めてしまうでしょう。はい、そうです。実際わたしがそうでした。)

ファッションと美術に注目!

そして注目すべきは、1960年代のファッションと美術。孤児からチェスプレイヤーになっていくベスとともに変化していく衣装や美術。そこにも注目していただくことで、より深く楽しめることでしょう。

完全なる男性社会の中、1人の少女が闘い抜いていく。そこには多くの壁が出現してくる。その壁は周囲のことはもちろん、ベス自身の中からも表出してくる。

国まで背負わされてしまう彼女がどういうラストを迎えるのか是非、その目で目撃していただければ幸いです。

重厚感もあり、エンタメ性もあり、ファッショナブルでもある、多面的な素晴らしい作品を是非とも鑑賞してみてはいかがでしょうか?

それでは、今回もおこがましくも紹介させていただきました。

(文:橋本淳)

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