『ジョゼと虎と魚たち』開記念舞台挨拶|中川「繊細で綺麗なアニメーションを是非楽しんで」
劇場アニメ『ジョゼと虎と魚たち』が、2020年12月25日(金)に公開となった。そしてこの度、公開を記念して本作の声優を務めた中川大志、見取り図(盛山晋太郎、リリー)、タムラコータロー監督登壇にて、<公開記念舞台挨拶>が行われた。
登壇した中川は「久々にお客様の前に出て、前は歓声があったんですけどシーンとしていて自分も潮時かなぁと思いました(笑)」とコロナ対策で無歓声にて実施されているイベントに絡めてボケると、先日M-1グランプリ決勝に進出した盛山(見取り図)から「こういうご時世だからしょうがないんです!」とすかさずツッコミが飛んだ。中川は笑いつつ、「分かってます。すいません(笑) 改めてこの様な時期にお越し頂きありがとうございます!」と挨拶。リリー(見取り図)は「この映画は駅員が準主役ということで、すごく想いれのある役なので注目してください」と話し、盛山からは「どこがやねん!一言しか喋ってへんがな」とまたしても鋭いツッコミが飛んだ。
公開日を迎えた今の気持ちを聞かれた中川は、「長編のアニメーションが出来上がるということや、出来上がるまでに本当にたくさんの人が関わっていることを想像するだけで凄いなと思います。代表してというとおこがましいですけど、皆さんの前に立ってこの作品をお届け出来ることを嬉しく思います」とコメント。盛山は「こんな素晴らしい作品に中川大志さんの役の上司という重要なポジションで参加させて頂けたので、このでっかいスクリーンで観させて頂くのが楽しみです」と話し、リリーは「台詞が1言だけなんですけど20テイク位やらせて頂きまして、監督から“もう少し上手くできませんか”というすごい有難い言葉を頂けました。その言葉を乗り越えて出来た作品なので、とても大事な作品です」と淡々とボケると、すかさず盛山から「1言のやつが喋り過ぎや」とツッコミが入った。タムラ監督は「企画から4年間くらい経ってまして、取材などで”皆さんの感想が届くころに実感が湧くと思います”とお答えしていたんですが、実は未だにフワフワした気持ちです。本当に大勢のスタッフと一緒に作ったので僕だけが登壇していいのかと思ったりもするのですが、本作、どうぞよろしくお願いいたします!」と作品への想いを語った。
ここでジョゼを演じた清原からのビデオコメントが上映され、清原は「中川大志さん含めて声優の皆さんと共に作品に参加させて頂いたことで、ものすごく沢山のことを勉強させて頂ました。嬉しいなぁという想いで一杯です。アニメーションならではの映像美や、ジョゼと恒夫を取り巻く数々のキャラクターとの愛が形として見えるような温かいストーリーを感じて楽しんで頂けたら嬉しいです」と語った。
中川は清原とのアフレコについて、「今回同じ役者の清原さんと2人でチャレンジさせて貰えるということで、不安なことや大変なことを共有しながらやれたのですごく心強かったです。ジョゼと恒夫の関係性が映画を通して変わっていく、成長していくというのが柱になっているので、2人で一緒にアフレコを出来て本当に良かったです」と収録を振り返って熱く語った。
実は中川がリモート出演で見取り図とトリオ漫才を行った海遊館でのイベント以来、中川と見取り図が実際に会うのは今回が初。ようやく会えた見取り図に対して中川は「先ずは本当にM-1お疲れ様でした!イベントをやらせて頂いた後でしたので、自分も見取り図かのような気持ちでM-1を観させて頂きましたし、本当に感動してめちゃくちゃ笑いました。今日お会いできて嬉しいです」とコメント。盛山は「少女漫画から飛び出してきたような人だなと。タキシード仮面かと思いました。今僕アクリル板越しに中川さんを観ているのでまだちょっとリモート感があります」と話し、リリーは「今日トイレの大から出た瞬間に大志くんがいらっしゃったので、めちゃくちゃ気まずかったです」とコメントし、見取り図でしっかり笑いをとった。
今回アフレコ初挑戦となった見取り図、盛山は「挑戦してみたら全然出来なくて、大阪の人間で大阪弁のキャラなのに大阪弁が自分で分からなくなってしまって、エセ関西弁になってしまう瞬間がありました」とアフレコの難しさについてコメント、一方リリーは「本当に楽しくて声優という仕事が大好きになったので、もし続編がある時は僕にジョゼ役を」と真面目な相方のコメントとは真逆の回答で会場を笑わせた。
タムラ監督は中川、見取り図のアフレコについて、「中川くんは最初から役を作り込んできてくれていたイメージがあって、真摯に向き合ってくれてるんだなと思ってすごく嬉しかったですね。その時に少し受け身なキャラクターとして作ってきてくれていたので、もう少しグイグイ行く、ジョゼを振り回すくらいのバランスが欲しいと言ったらすぐに応えてくれて、非常に勘が良いなと思いました」と大絶賛。見取り図に対しては「この作品は田辺聖子さんの原作なんですね。田辺さんは大阪を舞台に小説を書かれてきた方で、大阪の作品を作るに当たって、大阪の芸人さんを入れないのはつまらないなと思っていまして。見取り図さんをご紹介頂いて、盛山さんの声を聞いたときにこれは店長にいけそうだなと思えて、お願いさせて頂きました」とキャスティング秘話を公開。盛山は「そしたらお前(リリー)一切関係ないやんな」と話すと、監督も「そうですね。リリーさんはちょっとオマケかも(笑)」と笑いを誘った。
大阪の名所が多数登場する本作、大阪のイメージを聞かれた中川は「地元の人間では無いので、完成した作品を見た後に、”ここも実在する場所なんだ!”というところが何か所もあったので、これは地元の方はなじみ深いでしょうし、自分が良く知っている景色がアニメーションになるって嬉しいじゃないですか。なので大阪の勉強になりました」とコメント。盛山は「大阪にずっと住んでいるのに大阪に行きたくなるような美しいタッチで嬉しいですね」と回答。またリリーの住んでいる場所の最寄り駅が劇中でジョゼが使う駅だったらしく、「(リリーは)本人が住んでいるところの駅の駅員役をやってたんです。こんな奇跡あります?」とまさかのエピソードを披露した。
ここで劇中で中川演じる恒夫がメキシコに生息する幻の魚の群れを見るという夢を追い、とにかく魚に夢中なことに因んで、恒夫のように「今年1番夢中になったもの(こと)」を聞かれた登壇者。中川は【フェイスシールド】をチョイスし、「今年初めて出会ってドラマの現場で初めて着けたんですけど、最初は戸惑ってしまって夢に出てきたんですよ(笑) 今は色んな形のものが出てきて、色々着けさせて頂いているので、夢中になって見てましたね」とコメント。盛山は【漫才】を挙げ、「先日M-1もありましたし、特に今年はコロナで劇場にお客様に入って頂けないという期間も経てなので。アクリル板を置いて反射している自分の表情を見て気を付けたりとか、一番漫才と向き合ったかもしれないです」と真面目な回答。一方のリリーは【声優】を挙げて「今年は声優と向き合って、喉を潤す機械を買ったりとか。先生(タムラ監督)これからも是非よろしくお願いいたします!」としっかり笑いを取りにいった。タムラ監督は【すッパイチュウ】というまさかの全登壇者の中で最も意表を突いた回答。「今年はひたすらジョゼを作るために机に向かっていたんですけど、ストレス解消にひたすらこれを食べてました。ジョゼのほとんどは「すッパイチュウ」で出来ているかもしれないです(笑)」と語り、これを聞いた盛山は「僕だけ真面目に【漫才】って書いたのめちゃくちゃ恥ずかしい。今すぐ大喜利に変えたい」と嘆いた。
最後に中川が「今年は目まぐるしい1年だったんですけど、映画館でゆっくりと大切な人と観て癒されて心が温かくなる作品になっていると思います。繊細で綺麗なアニメーションを是非スクリーンで楽しんでください!」と話し、イベントを締めくくった。
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