(C)1997 青山剛昌/小学館・読売テレビ・ユニバーサル ミュージック・小学館プロダクション・TMS
(C)1997 青山剛昌/小学館・読売テレビ・ユニバーサル ミュージック・小学館プロダクション・TMS

映画コラム

REGULAR

2021年02月05日

『名探偵コナン 時計じかけの摩天楼』の「5つ」の魅力を徹底解説!隠された父と息子の物語とは?

『名探偵コナン 時計じかけの摩天楼』の「5つ」の魅力を徹底解説!隠された父と息子の物語とは?



5:後の劇場版がもっと楽しみになる理由

ここまで本作を称賛しましたが、正直に申し上げて個人的には不満もありました。それは「少年探偵団がほとんど活躍してない」「小五郎がヘボ探偵のまま」ということ。少年探偵団は吉田歩美の「甘い(パイプの)匂いがする」という証言以外は特に捜査で役に立っているところがないですし、前述した通り小五郎は探偵としては全くいいところがないのですから。

しかし、劇場版『名探偵コナン』の素晴らしいところは、その後の作品でまさに「あのキャラクターの活躍が少ない(ない)」という不満を解消してくれるところにもあります。



具体的には、2001年に公開された5作目の『天国へのカウントダウン』では、人気キャラクターの灰原哀も新たに加えた少年探偵団のメンバーが「お前らみんな最高だ!」と言えるほどの大活躍をしているのですから。この作品では、今回の『時計じかけの摩天楼』の真犯人だった森谷の弟子に当たる人物が登場するという「リンク」もあったりもします。



小五郎が大活躍する作品が観たいのであれば、2005年の9作目『水平線上の陰謀(ストラテジー)』がオススメです。序盤ではいつも以上にだらしない姿を見せているだけに、後半の「対決」のカッコ良さにギャップに惚れ惚れとできます。



合わせて、1998年の2作目『14番目の標的(ターゲット)』も、小五郎の「刑事を辞めるきっかけとなった事件」や「妻と別居した理由」などの過去が描かれるので、観てみると良いでしょう。

好きになったキャラクターが後の作品でもっと大好きになれる。その他の多数のゲストキャラクターの活躍の場もまだまだ残されている。20年以上にわたり、劇場版『名探偵コナン』が愛されているのは、ファンからの「まだまだあのキャラクターが観たい!」という気持ちが溢れている、というのも大きな理由なのではないでしょうか。もしも「あのキャラクターの活躍が少ないな」と不満を持ったとしても、「いつかは大活躍してくれるはずだ!」と希望も持てるのです。

そして、新型コロナウイルスの影響でまるまる1年の延期を経て、2021年4月16日に公開される24作目『名探偵コナン 緋色の弾丸』は、人気キャラクターの赤井秀一が劇場版では5年ぶり、世良真純が7年ぶりに登場する他、羽田秀吉や領域外の妹が劇場版初登場となります。彼らが、またどんな活躍をしてくれるのか、今から楽しみで仕方がありません。

(文:ヒナタカ)

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

(C)1997 青山剛昌/小学館・読売テレビ・ユニバーサル ミュージック・小学館プロダクション・TMS

RANKING

SPONSORD

PICK UP!