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2021-02-15

『ファーストラヴ』レビュー:堤監督作品の「闇」を巧みに引き出す芳根京子の存在感!

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■増當竜也連載「ニューシネマ・アナリティクス」SHORT

島本理生の同名小説を堤幸彦監督のメガホンで映画化したサスペンス・ミステリ作品。

父親を殺した女子大生(芳根京子)の事件を取材する公認心理士(北川景子)が、夫(窪塚洋介)の弟でもある元恋人(中村倫也)が被告人の弁護士(中村智也)であることに驚愕しつつ、ともに真実を追求していくとともに、自分自身の過去と向き合っていくことになります。



登場人物個々の過去の記憶=心の闇にスポットを当てながらドラマが進んでいくので、最初は出来過ぎているように思えた人物関係の配置もさほど気にならなくなり、事件の真相への興味を増大させてくれる効果をもたらしてくれています。

「ケイゾク」(99)「TRICK」(00~03)などコミカルなサスペンスTVドラマで台頭してきた堤幸彦監督ですが、その本領は闇の描出にこそあり、本作も含めて最近はそうした資質をオープンにした作品が増えてきています。

もっとも、どんなドロドロした題材でも最大公約数的な観客のニーズに訴えるべく、どこかでその資質にストッパーをかけ、程よく見られる佳作の粋に留まってしまう感を受けてしまうのも個人的印象として偽らざるところ。

その意味では己の内に潜む闇と狂気をフルに全開させた堤作品を見てみたいという、そんな欲求に駆られてしまうのも確かなのでした。



ただ今回は、北川景子と中村倫也それぞれ柄にあった好演もさながら、そこにいるだけで闇とも負ともつかないオーラを発露し続けていくかのような芳根京子の存在感に目を見張らされます。

思うに彼女、シリアスなものからコメディまで常にチャレンジングな役柄に挑戦し続けている頼もしい若手女優であり、その資質と意欲が堤作品に内包する闇をいつもの数倍引き出してくれている感もありました。

監督と俳優のコラボがもたらす化学反応というものは、やはり確実にあるようです。

(文:増當竜也)

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