女優・綾瀬はるか、「進化と深化」の20年を辿る
変化球もこなせる余裕
凛々しさとコミカルさを持った綾瀬はるかによる「八重の桜」の新島八重は、物語のけん引役としてしっかりとその責任を果たし、この実績が2016年から3年間に渡る大作企画のNHK大河ファンタジードラマ「精霊の守り人」へと繋がっていきます。
「八重の桜」、「精霊の守り人」を経た綾瀬はるかは一つの作品の中でシリアスからコメディ、さらにアクションや変化球キャラクターまでこなす余裕を感じさせるようになります。
「精霊の守り人」を完走した後の作品は「奥様は、取り扱い注意」「義母と娘のブルース」そして最新作の「天国と地獄~サイコな2人~」とどれも正統派とはカテゴライズしがたい部分を持つ作品です。しかし、どれも非常に独特な魅力を持った作品となり、また視聴率の面でも好記録を残し、綾瀬はるかの余裕=万能さが際立って見ることができます。
「世界の中心で、愛をさけぶ」以降の一時期、型通りのザ・ヒロインを求め続けられていたころが嘘のようです。
「奥様は取り扱い注意」は映画『ICHI』や「精霊の守り人」で見せた綾瀬はるかのアクション俳優としての素養を前面に押し出した企画で、「SP」シリーズを兼ねた金城一紀が綾瀬はるかありきで作った作品で、今年2021年3月に劇場版も公開されます。
「義母と娘のブルース」では元キャリアウーマンで上白石萌歌の義母という役どころ。どこに行くにもスーツ姿、会話はビジネス用語という今までにないキャラクターを演じた本作はその後も特別編が放映されるほどのヒット作となりました。
最新作は入れ替わりサスペンス!?
ドラマ「天国と地獄」より
綾瀬はるかの最新作ドラマ「天国と地獄~サイコな2人~」では正義感あふれる熱血刑事とサイコパスの殺人鬼(=高橋一生)の魂が入れ替わるという突飛な設定のドラマ。
またもや正統派とは言い難いドラマですが、綾瀬はるか(と高橋一生)の存在感で視聴者の気持ちを引っ張り続けます。
あの「半沢直樹」などの池井戸潤作品で知られるTBS日曜劇場枠の新作で、こういうSF要素があるものはどうなのかな?とも思いましたが、綾瀬はるか自身が出演していた「JIN-仁-」もよくよく考えればタイムスリップものでしたね。まだ物語は半ばというころですが、果たして入れ替わった理由何なのか?犯人の動機は?別の真犯人がいるのか?そして、入れ替わった2人の魂は元に戻ることができるのか?
ドラマ後半戦に向けてまだまだ謎も要素も山積、どんな決着を見せてくれるのでしょうか?
脚本の森下佳子は「世界の中心で、愛をさけぶ」「JIN-仁-」「Mr.BRAIN」「義母と娘のブルース」で綾瀬はるかと組んできた脚本家で、彼女の活かし方を熟知しています。そのためにこれだけ突飛な設定のオリジナル脚本のドラマでも人を惹きつけ続けているのでしょう。
無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。
無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。