鬼滅2期「鬼滅の刃 遊郭編」、なぜ映画ではないのかを考察!
コミックス全23巻の累計発行部数が1億5000万部を突破した吾峠呼世晴の漫画『鬼滅の刃』。人喰い鬼の棲む大正時代の日本を舞台に、炭売りの少年・竈門炭治郎が、鬼と化した妹・禰豆子を人間に戻し、家族を殺した鬼を討つために旅立つ姿を描いた作品。現在『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が公開中で、日本国内歴代最高興行収入を更新し続けています。そのインパクトもまだ残っている中で、制作のアニプレックスから第2期アニメーション放映の発表がありました。
鬼滅2期「鬼滅の刃 遊郭編」
『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』に続く物語、『遊郭編』のテレビアニメ化が決定、同時に、ティザービジュアル&第1弾PVを公開しました。
無限列車での任務を追えた炭治郎たちの次なる任務を描く『遊郭編』。
鬼殺隊最高位の剣士《柱》の一人、音柱の宇髄天元とともに炭治郎たちが向かうのは、鬼の棲む"遊郭"―
ティザービジュアルは『遊郭編』で炭治郎たちとともに任務に挑む宇髄天元が描かれた、鮮やかな極彩色のビジュアル。
また、第1弾PVでは、遊郭の街並み、そしてそれを屋根から見下ろす宇髄天元の姿も描かれています。是非ご注目ください!
なぜ映画ではないのか?
『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の大ヒットが記憶に新しい中で、「鬼滅の刃」の次の一手はアニメーションシリーズの第2期という形になりました。考えようによっては映画があそこまでヒットしたのだから、“次も映画でいいじゃないか?”という意見もありそうなところですが、アニメシリーズという選択になりました。
こうなったのはいくつかの理由があるかと思います。
まず、映画にしようにもできなかったということ大きいでしょう。原作をお読みになられている方ならご存知かと思いますが、「鬼滅の刃」は全23巻の物語の中でいくつかの大きな章に別れています。そんな中でコミックス約2巻分で描かれた「無限列車編」のボリュームは映画というメディア(=2時間の枠内に収める)ことにとって最良のサイズ感でした。
対して、この後に続く「遊郭編」「刀鍛冶の里編」「無限城決戦」はどれもコミックスで4~7巻のボリュームがあって、映画に落とし込む場合は4時間の映画にするか、前後編にしなくては枠に収まりません。無理矢理、映画の枠に納めるよりはアニメシリーズの放映枠の方サイズ感がぴったりときます。
また『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』があまりにも大ヒットし過ぎたというのものあるかと思います。どれだけ“鬼滅”ブランドの影響力が大きいと言えども、流石に興行収入300億円以上を連発できるわけではありません。スタジオジブリ作品で知られる鈴木敏夫プロデューサーも「興行収入100憶円以上はやってやれるものではない」と語っている通り、社会現象は狙って起こせるものではありません。
映画というフォーマットにすることのメリットよりデメリットが勝ったと言うことでしょう。ネットへの配信もスムーズにでき、より多くの観客に見やすさを提供できるという点を考えるとアニメシリーズというフォーマットがこれからの“鬼滅の刃”に一番ぴったりだと言えるでしょう。コロナ禍だからこそ成り立った『無限列車編』の超拡大公開による劇場の盛り上がりも忘れ難い部分があるのですが、今後の「鬼滅の刃」の続編も今回と同じ理由でアニメーションシリーズという形が選ばれていくのではないかと思います。
(文:村松健太郎)
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