『るろうに剣心 最終章 The Final』レビュー:「宿命の映画」
脅威のクライマックスバトル、新田真剣佑参戦!!
そういったアクションシーンを受けたうえで、最終決戦の相手として剣心の前に立ちはだかるのが『The Final』からシリーズに参戦する怨讐の義弟・雪代縁を演じる新田真剣佑です。
雪代巴を演じた有村架純のプレッシャーも相当なものであったと想像できますが、新田真剣佑が雪代縁を演じることになったプレッシャーもかなりのものであったと思われます。何せ、あの志々雄真実に匹敵する強さの持ち主であることを見せつけなくてはいけません。映画に関して言えば藤原竜也の存在感を凌駕することも求められるのです。
志々雄真実はその存在が”人斬り抜刀斎の後継者”だということである意味、多くを語らずとも圧倒的に強いことが伝わるのですが、それに対し実は裏で志々雄一派に力を貸していたという、雪代縁は劇中の戦いの中で圧倒的な存在であることを証明しなくてはいけません。
これを新田真剣佑はシリーズ初参加にていきなり求められました。(真剣佑のキャスティングについては彼の持つスター性を感じた大友監督がほぼ即決したとのことです。)
新田真剣佑は、このまっすぐ過ぎる眼差しの持ち主でありと若く純粋であるが故に一途な狂気の持ち主でもあるという雪代縁という複雑な役どころを見事に演じきり、さらに持ち前の身体能力の高さを活かすことで圧倒的な強さを見せつけます。
正直言って映画の縁は原作の縁より強いのではないかと感じさせる程です。詳細はネタバレになりますが、劇中での新田真剣佑=雪代縁は圧倒的な強さを発揮し、メインクラスのキャラクターを複数人、戦闘不能状態に追い込みます。
今回の『The Final』『The Beginning』で主人公の剣心は今までにないほど“受け身”に回ります。そのために物語を動かす者として新田真剣佑演じる雪代縁の存在は非常に重要でした。大友啓史監督の中には縁をしっかりと動かせば自然と剣心も動くという確信があり、多くの期待を新田真剣佑に託すことになりましが、新田真剣佑は見事なまでにこれに応えたと言えるでしょう。
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(C)和月伸宏/集英社 (C)2020映画「るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning」製作委員会