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『SNS 少女たちの10日間』レビュー:SNSがもたらす性犯罪の危険を浮かび上がらせた衝撃ドキュメンタリー!



先日ご紹介したばかりの『スプリー』もそうでしたが、SNSが日常社会に入り込んで久しい昨今、そこから生じる闇も年々ドス黒くエスカレートしていることを改めて痛感させられるドキュメンタリー映画です。



オーディションで童顔の女優を3人選び、12歳の少女と偽らせ、彼女らの子ども部屋セットを撮影スタジオ内に建て、SNSで「友達募集」をかけさせるという、まさに囮捜査のような設定のもと、まるで砂糖に群がるアリのように集まってくる男たち!

こちらには個人の性癖までとやかくいう権利こそないものの、さすがに卑劣な行動に出る輩を立て続けに目の当たりにしていくと、嘆きたくなる以前に、とにもかくにも吐き気がするほど気持ち悪い!



さらには彼らの顔のボカシの入れ方がまた異様に不気味で、見ていて嫌悪感は増大していくのみ。

特に今回は児童への性的搾取が問題として採り上げられているだけに、なおさらこちら側も意識が過剰になってしまうのかもしれません。

もっとも意識過剰ということでは、この映画のスタッフも制作過程の中でどんどん「正義」の意識がエスカレートしていく節が感じられ(女優さんの顔とモデルの体を合成させたヌード写真を作成したときは、さすがに引いた)、これもまたひとつの「闇」かもしれないと、妙に忸怩たる想いに捉われたりもします。



やがて映画はセットを飛び出して、彼女らと男たちが直接会うように仕向け、その現場たる喫茶室に隠しカメラを仕込んで撮影していきますが、彼女たちに危険がないよう多くのスタッフが客を装って周囲を取り囲んでいるあたりも、まるで刑事の張り込み捜査の現場のようにスリリングで、同時にリアリティ・ショーでも見せられているかのような錯覚にまで陥ってきます。

さすがにこのあたりまでくると、もう犯罪として彼らを捕まえないとヤバいでしょう? という気にもなってきますが、現に本作の映像は後に証拠物件として警察に提出されたとのこと。



しかしそうなるとますますこの作品、おとり捜査をそのままドキュメンタリーとして捉えた作品という風にも捉えられるかもしれません。

それにしても、こうしたSNSがもたらすさまざまな「闇」といかに対峙しつつ、払拭していけばよいのか? それは今後の大きな課題になってくるのは間違いないようです。
(3人の女優さんたち、この仕事がトラウマになってなければよいけど……)

(文:増當竜也)

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