新田真剣佑 「今とこれから」:世界進出前「るろ剣」で大いなる存在感
海外進出前に置き土産連発2021年春の新田真剣佑
新田真剣佑は2021年4月に現事務所を退社して、海外作品への出演に軸足を移すと発表しています。アメリカで生まれ、ハリウッドで育った新田真剣佑。この辺りは父親の千葉真一がハリウッドで成功を収めたことが大きな理由になっていると思われます。生まれ育った環境から新田真剣佑の中でハリウッド、海外ということは非常に近しい存在だったことは容易に想像できます。さらにその出自はアジア圏の人間が海外進出する際に大きな壁となる言葉の壁の問題もクリアできるであろうこともわかります。
もともと本格的に演技の仕事する以前アメリカの映画には出演しており、『ちはやふる』3部作で大きな注目を浴びた後の2018年にはギレルモ・デル・トロプロデュースの大作シリーズ第2作『パシフィック・リム:アップライジング』にすでにハリウッド映画に出演しています。一部報道によるとすでに新田真剣佑を主演に想定した日本のコミック原作の撮影の準備がハリウッドで進んでいるとも言われています。クエンティン・タランティーノ監督を筆頭にファンも多い日本のアクションスター千葉真一の息子の本格ハリウッド進出は、スタートから大きな一歩を踏み出しそうです。
そんな“楽しみしかない”状態の新田真剣佑ですが、それまでの日本でも出し惜しみはしません。
2021年だけを見ても、1月に岩田剛典とW主演した映画『名も無き世界のエンドロール』が公開され、3月には(意外な話ですが)単独初主演映画となる『ブレイブ-群青戦記-』が公開されました。
前者では心の奥底を見せないままある計画を推し進める青年を演じ、衝撃的なエンディングを生み出しました。『ブレイブ-群青戦記-』では戦国時代・桶狭間の戦い直前の場にタイムスリップしてしまった高校生を演じました。『ブレイブ』の高校生たちは文武のエキスパートたちでもあり、状況に混乱しつつも己の持つ技能で事態の打開を目指し、織田信長軍との戦い挑みます。新田真剣佑はその中心になる西野蒼を演じ見事な身体能力の高さを見せています。
これに先行する形で私は新田真剣佑が参加した演劇ユニット地球ゴージャスのプロデュース公演(「ZEROTOPIA」「星の大地に降る涙THE MUSICAL」)でリアルな新田真剣佑の立ち回りを見ていてわかっていたつもりでしたが、新田真剣佑の身体能力の高さとアクション・立ち回りのセンスの良さは見事なものです(父親譲りなのかもしれませんね)。
今回の海外進出重視のシフトチェンジで、また実現は難しくなりましたが、いずれは本格的な時代劇で新田真剣佑を見たいと思います。
また月9ドラマ「イチケイのカラス」にも出演中。ここでは今のところムードメーカー的な立ち位置、ワンポイントコメディリリーフ的なキャラクターのようですが、竹野内豊が演じる入間みちおと過去に因縁があるキャラクターなようで、物語にどのように絡んでくるのか気になるところです。
4月以降海外に軸足を置くと宣言している一方で日本で出演映画が3本、出演ドラマが1本と置き土産というには余りも豪華すぎる置き土産を残して、新田真剣佑は海を渡ります。
(文:村松健太郎)
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