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緊急事態宣言:開く映画館と閉める映画館、それぞれの想い|「もういいかげんにしてくれ!」という悲痛な叫び



現在(2021年4月25日午前の時点)東京、大阪、兵庫、京都の4都府県を対象に緊急事態宣言が発動される中、該当地域の映画館にも休業要請が出されました。 

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これにより、大手シネコンをはじめとする映画館は休業を余儀なくされ……始めてはいるのですが、ここにきて動きが少し変わってきています。

休業することなく、そのまま営業を継続してゴールデンウィーク興行を実施するが劇場が、ミニシアターを中心にどんどん名乗りを上げてきているのです。

緊急事態宣言により休業する映画館一覧(&営業する映画館一覧)

東京都の場合、休業要請に応じた1000平方メートル以下の劇場には協力依頼金として最大34万円(4月25日から5月11日までの場合。1日およそ2万円の計算になります)が支払われますが、これって入場料金で換算すると、1日10人強しかお客さんが来ないのと同じで、とても経営が成り立つわけがないでしょう。

特にGWという、映画業界にとって最大のかき入れどきを目前に控えて!?
(ちなみに「ゴールデンウィーク」とは、映画業界が最初に命名した言葉でもあります)

いきなり「休め」と言われても!?
(菅総理の宣言発表は4月23日の夜で、実施は25日から。つまり1日しか判断の猶予がない)

各映画館とも忸怩たる想いを抑えつつ、急遽の対応を迫られた結果、今回は開ける劇場と閉める劇場が二分することになりました。

閉めることになった劇場にしても、たとえばショッピングモールの中に入っているところや、親会社の意向に従わざるを得ず、やむなく休業を決定したところもあります。

映画館の現場そのものは、特に昨年の第1回緊急事態宣言の発動で全国的におよそ2か月の休館を強いられ、GW興行も断念させられ、以後厳しい経営を強いられてきていただけに、今年のGWはようやく辿り着いた光明になるはずでした。

しかし、それすらも行政は奪おうとしているのです。それも突然に。
(「映画館」や「劇場」などといった単語を「お店」でも「学校」でも「デート」でも何でも置き替えていただけると、みなさんそれぞれの業界や趣味の側面から、忸怩たる想いを共有していただけるのではないでしょうか)

今回の緊急事態宣言は人の流れ=人流を止めるが目的と称していますが、これによって例えば東京の場合、埼玉や千葉、神奈川へ人が流出する悪しき可能性は大となります。

宣言開始の前日(4月24日)、人流を止める目的の緊急事態宣言が、真逆の意味となってしまう場面に遭遇しました。都内の某ショッピングモール内のシネコンに映画を観に行くと、ロビーはおろかモール全体がいつになくごった返していました。いささか鉄火場の様相を呈しているかのように殺気立っていました。(一方で映画館の場内そのものは、観客すべてきちんとマスクを着用し、静かに、そして快適に鑑賞していました。ちなみに私は毎週1、2回は映画館で映画を見ています)

この状況が対象外近隣地域でGW中に頻発する恐れは多分にあります。

こうした懸念を払拭するには本当に困っている事業者への真摯な補償、個人への補償の両側面をもっての自粛しかないとも思われますが、それが示されているとは到底思えません。

この1年、行政は国民にお願いするばかりで、ほとんど有効な対策を示唆してくれませんでした。

その結果、現在多くの店や劇場が赤字に苦しみ、閉業もしくはその危機に瀕しています。

個人にしても仕事や家を失った人の数は増え続ける一方で、自己破産や特例貸付などの申請受付窓口は1年前とは比べ物にならないくらいパニックになっています。

今回多くの劇場が営業継続に踏み切る決断が断腸の想いであるとともに、お上に対して「もういいかげんにしてくれ!」といった悲痛な叫びのように聞こえるのは私だけでしょうか。

もちろん今回の営業継続にあたり、ほとんどの劇場は改めての換気や消毒の徹底、営業時間の短縮はもちろんのこと、客席を1席空けにして収容数を減らすなどの措置をとっています。

行政が本当に人流を抑制したいのであれば、真摯な対策を講じてしかるべき。

メディアもまた感染者数増大のニュースで危機感を煽った直後に聖火ランナーのニュースを明るく楽しく伝える矛盾を解決しない限り、国民の理解はますます得られなくなることでしょう。

「1%でも可能性があるのなら東京五輪をやりたい」

アスリートがそう願うのは当然だと思います。そこは今回の緊急事態宣言における議題では全く無いですし、意見をするべきところでもないでしょう。

しかし、舞台やライヴの初日を目指して練習し続ける人も立派なアスリートです。

映画にしてもこの数年間企画し続けてようやく完成し、GWに公開初日を迎えようとしている作品は多数あり、そこに携わった人たちもアスリートといえるのではないでしょうか。

そうした文化的アスリートの熱意に応える受け皿として劇場が存在します。

#文化芸術は生きるために必要だ

現在、このようなハッシュタグがSNSの中を駆け回り始めています。

私自身「生きるために必要」な映画などの文化芸術のために、今回のGW営業継続を実施することが叶わなかった劇場の想いも重々受け止めつつ、あえて営業継続を決定した各劇場の判断を支持したいと思います。

(文:増當竜也)
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