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Netflix『隔たる世界の2人』レビュー:ループが表しているもの…約30分の短編にメッセージ性と表現が濃縮

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■橋本淳の「おこがまシネマ」

どうも、橋本淳です。

80回目の更新、今回もよろしくお願い致します。

どうお過ごしでしょうか。
どうか皆様がご健康に過ごせてますように。

今こそ、人類が一致団結したいところではありますが、新型コロナという病は残酷なもので、その繋がりを分断していきます。密をさせない病。

2年前までは、普通に出来ていた日常が、こうも無慈悲に取り上げられてしまう現実を誰が予想できたことでしょうか。

人と会話する、食事をする、当たり前のことが出来ないこの辛さ、苦さ。金八先生も言ってました、「人という字は、、、、」その言葉がいままさに必要なものだと感じる、この状況。

SNSや電話、文明の利器を利用できる人はそういうものを見事に使い、コミュニケーションを取れていることでしょう。

しかし、それが簡単には出来ない人もいます。エンタメだけが心の支えになっている人もいると思います。

それが多数だろうが少数だろうが、すべての人が安らかな生活に戻れるために、早く日常が戻ってくるその日まで、発信出来る立場にいるわたしは、なるべく寄り添える部分は寄り添いたいなと思っております。芝居や文字や声などで。まぁ、、微力であり、非力な人間ですが。

下を見ても後ろを見ても辛いのなら、前を向くしかないですから。失敗を恐れず、牛歩だろうがなんであろうが、個々が柔軟に対応していくしかないですね。

少しでも皆様が救われますように。

こちらの作品をご紹介!

さぁ、重たい作品ですよぉぉ(笑)。

Netflix『隔たる世界の2人』



アメリカ、ニューヨーク。黒人のグラフィックデザイナーであるカーターは、一夜を共にした女性のベッドで目を覚ます。そそくさとそこを出ようとするカーター。女性はゆっくりしていけばと、彼に声をかけるが、彼には愛犬がおり、自宅で待つその愛犬にエサを与えるために女性の家を出るのだった。

アパートから通りに出たところで、ニューヨーク市警の白人警官に声をかけられる。カーターが吸っていたタバコの匂いが変だと、所持品の検査を強要する。カーターは、これは普通のタバコだと主張し、拒否しようとするが、警官は手荒く強行し、カーターを地面に抑えつける。首を抑えつけられ息が出来ないと必死に、もがくカーターだが、警官は手を緩めることもなく、次第に意識が遠のくカーター、、、



目を覚ましたカーターが居た場所は、朝目覚めた場所と同じ、一夜を共にした女性のベッドだった。同じように声を掛けられるカーターは、愛犬のために自宅へ戻ろうとするが、通りで同じ白人警官に声を掛けられ、、、

何度も同じ状況をループするカーター。彼が行き着く先とは、、



アカデミー賞短編映画部門を受賞した本作。Netflixの製作による短編映画です。

尺長30分ほどの作品ですが、ギュッとメッセージ性と表現が濃縮されています。あっという間に観れますが、ずっと心に残り続ける作品です。

伝えたいものを表現に落とし込み、映画というツールを使い、込められた思いをズシリと投げ切る本作は本当に素晴らしく、多くの人に見て欲しい作品です。

昨今、暗いニュースが多いので、人種差別に疎い日本にも、沢山の情報が入ってきています。わたし自身もそこまで詳しい訳でもないですから、自分の不勉強さに呆れます。

ニュースに疎い、わたしでも、本作を鑑賞し、黒人の置かれている立場を、しっかりと感じられました。わたしでも感じられたことなので、より多くの人も共感してくれると思います。

当事者の思いには、遠く及ばないのは分かっていますが、まずは"知る"ということの大切さを伝えたい。

見たくないものに目を瞑るのではなく、まずは避けずに触れるということ。わたし自身、そこをきっちりとしていきたいです。



ループしていくものの、ラストまでそこを脱せないカーター。その姿に歴史がずっと繰り返されている無念さが色濃く出されています。愛犬にエサを与えたいだけなのに、肌が黒いというだけで、その目的すらも阻まれてしまう。なんて理不尽な。。

これは遠い場所の話ではなく、日本にも起こりうることですし、実際に現在も起こっています。それに気づけていないことが深刻であり、残酷なこと。

まずは目を向けることが大切だということを、伝えたい。

短編作品。

是非、、というか、必ずみていただきたい作品です。

重いテーマではありますが、作品のクオリティが高く、アイデアが詰まった作品です。多くの方に触れてほしいなと思っております。

カーター役の人気ラッパー、ジョーイ・バッドアスの演技とカッコよさにもぜひ注目してみてください!

それでは今回も、おこがましくも紹介させていただきました。

(文:橋本淳)

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