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『るろうに剣心 最終章 The Beginning』レビュー:シリーズ最終作にしてBeginning、そして最高傑作!

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■増當竜也連載「ニューシネマ・アナリティクス」SHORT

実写映画版『るろうに剣心』シリーズ最終作にして前日譚(原作の「人誅編」)を描くという、いわばパート0にあたるエピソード。

逆刃刀を用いることで誰ひとりとして人を斬り殺めることのない緋村剣心(佐藤健)ではありますが、今回はその域に至るまでの幕末長州藩の志士・人斬り抜刀斎時代が描かれます。



とにもかくにも暗殺者として立ち回る抜刀斎の研ぎ澄まされた殺陣のすさまじさに関しては、その血生臭さも加味されてシリーズ随一といっても過言ではありません。

本シリーズの殺陣は従来の日本映画の枠を塗り替えるばかりか、今や海外のソード・アクションにも多大な影響を及ぼして久しいものがありますが(総じてアクション監督・谷垣健治の成果を讃えたいところ)、そうした流れの中で前作『最終章 The Final』の殺陣が華やかなダイナミズムに満ち溢れているのとは裏腹に、今回は鋭利な凄惨さという点で異彩を放っています。

(あえて比較すると『The Final』は東映時代劇の、そして『Beginning』は大映時代劇の21世紀的な発展形と捉えると、オールド・ファンにもわかりやすい?)

一方で本作はラブ・ストーリーとしても大きく機能していきますが、その相手となる雪代巴を演じる有村架純はまるで原作漫画から飛び出してきたかのような存在感で、特に今回は『最終章 The Final』での象徴的役割を大きく超えての人のはかなさと強さまでも見事に体現してくれています。



こうした佐藤健の「動」と有村架純の「静」を見事に引き出し得た大友啓史監督の演出も、これまで以上に力強い思い入れがひしひしと感じられて好印象でした。

優れた映画シリーズとは、ひたすら一直線に突き進んでいくか(007シリーズのように時々原点回帰を図ったりするものもありますが)、もしくは最終的にひとつの輪が完成し、永遠にその円環を回り続けるものとに大別できると思いますが、本シリーズはまさに後者の代表格。

おそらく本作をご覧になる観客の大半は、上映が終了して場内が明るくなった瞬間には、またシリーズ第1作から見直したくなることでしょう。

(見ている間はシリーズのレギュラー陣のほとんどが登場しないことを忘れてしまうほどなのですが、エンドタイトルで余韻に浸っていくうちに、彼ら彼女らにもすぐさま会いたい衝動が湧き上がってきてしまう!)

コロナ禍に伴うさまざまな意味での上映的苦難に直面しつつ、その完成度の高さを以って見事に乗り越え得た、まさに2021年の今の映画のあるべき姿を代表する傑作としても賛辞を惜しみません。

(特に今年4月末から5月にかけての大友監督自身によるSNSでの熱く真摯な発信の数々にも、大いに感銘&影響を受けさせていただきました!)

(文:増當竜也)

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(C)和月伸宏/集英社 (C)2020映画「るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning」製作委員会