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2021年07月09日

妻夫木聡のおススメ映画5選『唐人街探偵』でも大活躍!

妻夫木聡のおススメ映画5選『唐人街探偵』でも大活躍!


現在のコロナ禍を予見していた?
パンデミック大作『感染列島』

俳優である以上、娯楽色を重視した作品への出演も当リ前の事象ではありますが、妻夫木聡もこれまでSF戦争映画『ローレライ』(05)や手塚治虫原作のダーク時代劇ファンタジー『どろろ』(07)、何とあの名作漫画をヤンキー純愛ミュージカルへ変換させた『愛と誠』(12)、ぶっとび恋愛コメディ『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせガール』(17)など多数出演しています。

しかし今、もっとも時流に即した作品として採り上げたいのは、ウイルス・パンデミックを題材にした瀬々敬久監督の『感染列島』(08)でしょう。



突如猛威をふるう新型ウイルスにより、日本中が大パニックに見舞われていくさまをシミュレーションしていくこの作品、公開時は政府の対策やら方針などに「設定が甘いんじゃないか?」などとかなり突っ込みも入れられたりしたものですが、いざ本当に昨年のコロナ禍が始まって以降、この映画の政策のほうが現実よりもまだマシだったという、すさまじい事実が発覚してしまったほどに先見の明があった作品なのでした。

妻夫木は主人公の医師役として治療に献身しますが、大自然の脅威に対する人間の限界を痛感させられては悲嘆に暮れ、それでも未来諦めない主人公医師を好演。

またこの作品では「ウイルスと人は共存できないのか?」と主人公に問いかける科学者役の藤竜也がさりげなくも深い存在感を発揮しています。
 

山田洋次監督との邂逅
『家族はつらいよ』シリーズ

妻夫木聡が基本的に醸し出すヒューマニスムの発露は、家族を題材にした作品でも大いに発揮され続けています。

特に家族をモチーフにした日本映画界の巨匠・山田洋次監督に見初められたことは、彼のキャリアとしてもかなり大きなものがあったことでしょう。

始まりは小津安二郎監督の名作『東京物語』(53)にオマージュを捧げた『東京家族』(13)で、続いて戦時下の悲恋を描いた『小さいおうち』(14)を経て、いよいよ山田監督の十八番ともいえる家族群像喜劇映画『家族はつらいよ』シリーズにお目見えとなります。



熟年夫婦(橋爪功&吉行和子)に突如持ち上がった離婚騒動の顛末を描いた第1作(16)、老人の免許返納問題からやがて無縁社会がモチーフになっていく『家族はつらいよ2』(17)、そして第3作『妻よ薔薇のように家族はつらいよⅢ』(18)では長男(西村まさ彦)の妻(夏川結衣)のささやかな反乱を通して日本中の主婦への讃歌(及び長男の嫁の現実的苦労)が奏でられていきます。

この中で妻夫木聡が演じるのはピアノ調律師として働く次男・庄太で、恋人の憲子(蒼井優)と結婚し、なかなかの理想的な夫婦ぶりを発揮しつつ、3作目では憲子の妊娠も発覚。

いよいよ次は彼ら夫婦を主軸にしたドラマが展開されるのでは? と期待したいところではありますが……(続き、やるかな?)。

ところでこのシリーズのキャスティング、実は『東京家族』の家族設定を基に組まれており、その意味でも双方を見比べながら様々な家族のありように想いを馳せていただくのも一興でしょう。

なお、妻夫木聡はこれら以外にも『ぼくたちの家族』(13)『浅田家!』(20)といった秀作家族映画にも多く出演し、印象的な名演を示しています。

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