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大泉洋——“白属性”から“黒属性”まで変幻自在
大泉洋——“白属性”から“黒属性”まで変幻自在
4月クールのドラマ「ラストマンー全盲の捜査官ー」。初回視聴率が今年の民放ドラマトップを記録し、話題性抜群です。
吉田羊・永瀬廉・今田美桜・上川隆也・寺尾聰といった連ドラ主演経験者に囲まれる形で、福山雅治と実質W主演を担っているのが大泉洋。福山雅治とはNHK大河「龍馬伝」以来の共演で、息の合ったところ見せています。
意外に思えますが、大泉洋にとって刑事役は初めてとのこと。(制服警官役は過去にあり)
調べてみると映像(映画・ドラマ)だけに限っても様々な職業を演じていて、その振り幅の広さに驚かされます。
そこで、今回は白属性・黒属性・中間のグレーに分けて、大泉洋の役どころを探ってみたいと思います。
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白属性の大泉洋、やはり多め
元々、本人の持つ資質からして“陽性”であるため、自然と明るめの役が多いのも当然のことでしょう。
全国放送デビュー作となった「救命病棟24時」の看護師役から始まり、以下のように様々な作品に出演。
- 「ハケンの品格」
- 「赤鼻のセンセイ」(連ドラ初主演)
- 「黄金の豚」
- 「ラッキーセブン」
- ドラマW「プラチナタウン」
- 連続テレビ小説「まれ」
- 日曜劇場「ノーサイド・ゲーム」 など
締め役からコメディーリリーフまで、役どころはその時々で異なりますが等身大のキャラクターを演じています。
映画では『ゲゲゲの鬼太郎』のねずみ男が究極のコメディーリリーフです。
『しあわせのパン』から始まる北海道3部作や、以下の作品で演じた役は陽性キャラクターと言えるでしょう。
- 『グッモーエビアン!』
- 『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』
- 『駆込み女と駆出し男』
- 『新解釈・三國志』
また受身の役だったり、作品の毛色もやや異なっていたりしますが、以下の作品も“白属性の大泉洋”の範囲内だと言えそうです。
(C)映画「アイアムアヒーロー」製作委員会 (C)花沢健吾/小学館
- 『恋は雨上がりのように』
- 『アイアムアヒーロー』
- 『青天の霹靂』
- 『グッドバイ 嘘からはじまる人生喜劇』
- 『焼肉ドラゴン』
- 『浅草キッド』
- ドラマ「元彼の遺言状」
大泉洋は実際に教員免許をもっているそうなので、“教師役の大泉洋”ももっとガッツリ見てみたいところです。
グレーな大泉洋、時々います
2022年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の源頼朝役で、陰と陽を兼ね添えたキャラクターで大きな話題を呼んだ大泉洋。
まさに頼朝的な“グレーな大泉洋”といえるのが、秀吉を演じた『清須会議』や“大泉洋当て書き作品”『騙し絵の牙』といった、人間性の面でグレーなキャラクターでしょう。
社会的な立ち位置でグレーなのは『探偵はBARにいる』シリーズの探偵。職業柄グレーにならざるを得ないですからね。
ドラマWの「地の塩」やスペシャルドラマの「黒井戸殺し」のほか、「水曜どうでしょう」ファンなら垂涎の「チャンネルはそのまま!」も悪人ではありませんが、道を外れてしまった人間を演じています。
最初期の出演映画『man-hole』『river』からも、その萌芽を感じられます。
以前、大泉洋は舞台では結構“コワモテ”キャラだと書いたことがありましたが、画『man-hole』『river』を監督したのは「水曜どうでしょう」の“ミスター”こと鈴井貴之です。
この時点では大泉洋は札幌で舞台に立っていた俳優だったので、そんな彼を見てきた人だと思うとなんとなく腑に落ちるキャスティングな気がします。
ちなみに「ラストマン」の大泉洋は、このグレーなキャラクターになりそうな印象です。
黒属性の大泉洋、稀少種です
大泉洋と完全ダークサイドキャラクターは正反対なイメージがありますが、“完全な悪役”を演じていたこともあります。数は限られていますが、それでも圧倒的なヒールと言い切っていい映画が2作あります。1作目は『鋼の錬金術師』のショウ・タッカー役。
ネタバレになるので詳細は言えませんが、原作や映画をご覧の方にとっては、このキャラクターの“質(たち)の悪さ”は強烈でしょう。
長い原作の中で、様々な悪役・敵役が登場する「鋼の錬金術師」の中でも、“質(たち)の悪さ”でいえば、もしかしたらこのショウ・タッカーは群を抜くかもしれません。
(C)2017「東京喰種」製作委員会 石田スイ/集英社
ショウ・タッカーとは別のベクトルで、完全な“感情移入を拒む悪役”が『東京喰種トーキョーグール』の真戸呉緒というキャラクターでしょう。
アニメ化もされているため、“真戸呉緒”というキャラクターの特性をご存知の方も多いかもしれません。相手が“喰種(グール)”であるととはいえ、“オンナ、コドモにも容赦しない”姿勢が徹底されています。
真っ白な髪(銀髪)に眼もとに傷痕のある、強烈なインパクトのビジュアルは一度見たら忘れられません。
裏最新作「四国R-14」
目下「ラストマン」が放映中の大泉洋ですが、実は幻の主演作品がソフト化されました。
“裏最新作”とも言うべき、その作品は水曜どうでしょう「四国R-14」。
大泉洋のブレイク作となった北海道のローカルバラエティ「水曜どうでしょう」のスピンオフ企画であり、実際にロケで起きたことをもとにした実話ベースの怪奇ドラマです。
大泉洋が本格的に役柄を得た最初の映像作品であり、TEAM-NACS(森崎博之・安田顕・大泉洋・佐藤重幸(現 戸次重幸)・音尾琢真)の映像作品デビュー作でもあります。
監督、脚本も「水曜どうでしょう」班が担っている超低予算態勢の作品ではありますが、当時の若さと熱量を感じられる1本です。
この後も「水曜どうでしょう」の制作局のHTBとTEAM-NACSのコラボレーションは続いていきます。
最新作は山田洋二監督作品で吉永小百合の息子役
大泉洋の映画の新作状況を見ると、2023年の9月公開予定の山田洋二監督作品『こんにちは、お母さん』が待機中。吉永小百合と母子役を演じ、永野芽郁・宮藤官九郎・寺尾聰と共演するとのことです。
今年で50歳になった大泉洋、演者としては上にも下にも振れる良い時期に入ったので今後の活躍がより一層楽しみです。
(文:村松健太郎)
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