映画コラム

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2021年08月14日

『ベイビーわるきゅーれ』に魅了される観客が続出!邦画アクション史に刻まれる超“快”作!

『ベイビーわるきゅーれ』に魅了される観客が続出!邦画アクション史に刻まれる超“快”作!


壮絶アクションに引けを取らない髙石あかりさんの演技力!

伊澤さんのアクションもさることながら、もう1人の主演・ちさとを演じる髙石さんの存在感も圧倒的。コミュ障のまひろに比べて臨機応変に社会へ馴染める性格のちさとだからこそ、コロコロと表情を変えるタイミングや殺し屋としてのスイッチが入る瞬間に思わずゾクリとしてしまいます。髙石さんがちさとに息吹を与えれば与えるほど観客は目が釘づけになっているはずで、ちさとの存在が物語だけでなく映画そのものを牽引しているといっても過言ではありません。



中でも特筆すべき点は、クライマックスに向かうためのフックとなる某キャラ瞬殺シーン。直前までの軽妙な(それこそ劇場が笑い声に包まれるほどの)流れを一気に引き締めるだけでなく、ちさとというキャラクターの人間性を最も感じさせる場面でもあります。

詳細は伏せますが、ちさとが攻撃に転じる動作は一切のムダがなく筆者は初見時に「何が起きたのか」と茫然。また流麗なアクションに続く直後のセリフは、ちさとの秘めたる感情を観客に察知させる重要な役割を果たしています。その展開に至るまでのちさとの言動や振る舞いを思い起こしつつ、ぜひちさと=髙石さんの声のトーンや表情に注目してみてください。

思わず笑ってしまう日常会話が心地いい!

本作はアクションだけにとどまらず、殺し屋映画なのに思わずほっこりしてしまうオフビートな日常会話も高く評価されているポイントの1つ。本来なら “殺し屋”と“日常会話”の組み合わせはギャップが大きく、ユーモアを狙いすぎれば日常シーンがシラけてしまう可能性もあります。そんな綱渡り的なバランスを、ちさと&まひろのキャラクターが全編見事にキープ。ところどころ差し込まれる小ネタすらも、シーンから浮くことなく成立させているほどです。



そもそも髙石さんと伊澤さんは、阪元監督の前作『ある用務員』に登場した殺し屋・リカ&シホを演じた2人。本作とのつながりはなくキャラも別設定ですが、多くの観客をとりこにしたリカ&シホコンビの空気感を継承しているのも嬉しいところ。また2人の会話劇に限らず、本宮泰風さん・うえきやサトシさん・秋谷百音さん演じる浜岡ファミリーのネジの外れたぶっ飛び具合や、掃除屋(?)・“田坂さん”役の水石亜飛夢さんがちさとに見せる強気な態度も必見ですよ。

まとめ



公開直後から圧倒的な支持を受け、Filmarks初日満足度1位を獲得した『ベイビーわるきゅーれ』。アクションや日常会話を繰り広げる中でちさと&まひろが成長していく青春ストーリーでもあり、スクリーン越しにきっと2人を応援したくなるはず。上映劇場も増えつつあるので、この機会に見逃さないようぜひチェックを!

(文: 葦見川和哉)

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(C)2021「ベイビーわるきゅーれ」製作委員会

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