弘兼憲史人生を学べる名画座 Vol.18| 『アパートの鍵貸します』|「女房持ちとの恋にマスカラは禁物」
『アパートの鍵貸します』(1960)
監督:ビリー・ワイルダー
脚本:ビリー・ワイルダー、I・A・L・ダイアモンド
出演:ジャック・レモン、シャーリー・マクレーン、フレッド・マクマレイ ほか
主な受賞歴:アカデミー賞作品賞、監督賞など部5門、ベネチア国際映画祭女優賞受賞
概要
細部にわたって綿密な計算が行き渡ったヒューマン・コメディの最高峰。NYのサラリーマン生活をクールに皮肉りながらも、そんな社会で孤独に生きる人たちへの愛情に溢れている。特にレモン演じるバドのキャラクターは出色であり、物語に登場するサラリーマンのイメージを作ったといえよう。コメディなのに、恋愛映画よりよっぽど切なく笑って泣ける、すべての観客を幸福な気持ちにする傑作だ。スパゲティーの水を切るテニスラケット、銃声に思わせるシャンパンなど、お洒落な小道具も見所。
ストーリー
保険会社の平社員バドは、ひょんなことから上役の情事のために自分のアパートを貸し出すことになる。バドはそれを出世の糸ロと考えていたが、人事部長・シェルドレイクの愛人は、バドが密かに想いを寄せるエレベーターガールのフランだった。傷心のバドをよそに、逢瀬を重ねる二人。そんなある日、バドが帰宅するとフランが自殺を図っていた......。
発売:20世紀フォックス ホームエンターテイメント ジャパン
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