(C)2021 Sony Pictures Entertainment (Japan) Inc. All rights reserved.
(C)2021 Sony Pictures Entertainment (Japan) Inc. All rights reserved.

2021年10月01日

オムニバス映画『DIVOC-12』の推しベスト5!横浜流星の美しさにうっとりして、ゾンビと映画への愛に感動した!

オムニバス映画『DIVOC-12』の推しベスト5!横浜流星の美しさにうっとりして、ゾンビと映画への愛に感動した!


2位:『ユメミの半生』

(C)2021 Sony Pictures Entertainment (Japan) Inc. All rights reserved.

監督・脚本・編集:上田慎一郎
出演:松本穂香、小関裕太

映画の上映開始を待つ中学生が、新人の女性スタッフから、波乱万丈だという半生を聞くことになる物語だ。その半生の回想は、なぜかチャールズ・チャップリン作品のような白黒のサイレント映像から始まるのだった……。その先は予想の斜め上の展開の連続なので、ネタバレを踏まないまま観た方がいいだろう。

ジャンルとしてはかなりコメディ寄りで、現実離れしまくっている半生の回想に対して、中学生が冷静にツッコミを入れる様に笑ってしまう。同時に、上田慎一郎監督が愛してやまない様々な映画への愛に溢れているので、大きな感動もあるのだ。全編に渡ってボケ倒す松本穂香が可愛らしいし、回想の中でその時代らしい二枚目俳優に扮した小関裕太も見事にハマっていたし、『カメラを止めるな!』でおなじみの浜津隆之が実に美味しい役になっていたのも嬉しかった。観ればきっと、昔の映画も上映している映画館に足を運びたくなるだろう。

1位:『死霊軍団 怒りのDIY』

(C)2021 Sony Pictures Entertainment (Japan) Inc. All rights reserved.


監督・脚本・編集:中元雄
出演:清野菜名、高橋文哉

彼氏に振られたホームセンターで働く女性がゾンビと戦う、設定からしてキャッチーな内容だ。ホームセンターを舞台にバトル!そこでは有効な武器がたくさん!というのは、まるで『イコライザー』(14)のような趣があるし、難しいことを何も考えなくても「ヤバい!楽しい!」と大興奮できるだろう。娯楽性はもちろん、演出の上手さ、アイデアのくだらなさ(褒め言葉)、何よりハイクオリティな見せ場とアクションに、完全に惚れ込んでしまった。

中元雄監督はインディーズ映画界ではかなりの注目株であり、限定的に公開された『一文字拳 序章 最強カンフー少年対地獄の殺人空手使い』(19)、『はらわたマン』&『いけにえマン』(19)などが一部で熱狂的な支持を得ていた。様々な「ジャンル映画」を愛する監督が、今回はブルース・リー、そして「女性によるアクション」および「ゾンビ映画」(具体的には『デモンズ』(85))に最大の敬意を捧げて全力で作り上げたことが素晴らしい。以下の本編一部映像からでも、主演の清野菜名の身体能力の凄さがわかるだろう。



この他の7編も、それぞれ独自の「色」があり、かつ工夫が凝らされた面白い作品だ。

・老婦人と若者の出会いから始まる、三島有紀子監督作『よろこびのうた Ode to Joy』

・ホテルで自分の部屋が見つからないことに戸惑うことになる、志自岐希生監督作『流民』

・中華街のシェフと釣り船の男の邂逅を描く、林田浩川監督作『タイクーン』

・料理人研修留学を控える青年が人生の重要な決断に迫られる、廣賢一郎監督作『ココ』

・少年が生まれてから一度も会ったことのない母親に会う、齋藤栄美監督作『海にそらごと』

・小さな喫茶店で会話をしている女性2人の秘密を繊細に描く、エバンズ未夜子監督(2001年生まれで弱冠19歳!)作『あこがれマガジン』

・眠ることが出来なくなった人々のための施設で暮らす女性の物語を綴る、加藤拓人監督作『睡眠倶楽部のすすめ』

さらに、yamaの主題歌「希望論」も、企画そのものにマッチした歌詞と、軽快なメロディで、さらに心地よい余韻にさらに浸らせてくれる。



また『ユメミの半生』の上田慎一郎監督は、このプロジェクトを手がけるにあたって以下のようなコメントを残している。

僕はずっと映画に助けられてきました。体を悪くした時は病院で薬を貰って治します。心を悪くした時は、多くの場面で、それを映画が治してくれました。「映画は人を救う薬になる」…なんて言うと大袈裟でしょうか。大袈裟じゃないと思います。困難な時こそ映画の出番です。 今、心に効く映画を創ります。

その通り、筆者もまた「映画は人を救う薬になる」は決して大袈裟ではないと信じている。クリエイター、制作スタッフ、俳優の活動を後押しする目的もあった『DIVOC-12』は、(明確にコロナをテーマにしていなくても)コロナ禍で生きる観客たちにも大いにエールを送っている作品でもある。その作り手の志は、以下のドキュメンタリー「12のまなざし -ぼくらが映画をつくる理由-」も参考にして欲しい。





観ればきっと元気になれるし、生きる力にもなる、そんな映画体験を期待して、ぜひ劇場へ足を運んで欲しい。

(文:ヒナタカ)

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

(C)2021 Sony Pictures Entertainment (Japan) Inc. All rights reserved.

RANKING

SPONSORD

PICK UP!