(C)西崎義展/宇宙戦艦ヤマト2205製作委員会
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2021年10月02日

『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち 前章-TAKE OFF-』レビュー:まさにリブート版の新たなる旅立ち!

『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち 前章-TAKE OFF-』レビュー:まさにリブート版の新たなる旅立ち!



■増當竜也連載「ニューシネマ・アナリティクス」 

日本のアニメーション・ブームの一大火付け役として、20世紀後半を代表するSFシリーズ『宇宙戦艦ヤマト』。

これを21世紀にリブートさせた新シリーズ『宇宙戦艦ヤマト2199』(13)、『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』(18~19)に続く最新作『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち』2部作の『前章-TAKE OFF-』が2021年10月8日より期間限定上映されます。

これは1979年に発表されたテレフィーチャー(後に劇場公開)『宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち』のリブート。

前作『2202』で帝星ガトランティスと文字通りの死闘を繰り広げ、多大な犠牲を強いられながらもようやく地球を救い、帰還した宇宙戦艦ヤマトおよびそのクルーたちの新たなる試練が描かれていきます。

実はこの『新たなる旅立ち』、オリジナル版同様にリブート版もシリーズの一大転機のポイントとなる作品ゆえ、新旧ファン共に見逃せないものとなっております。

私自身はオリジナル第1作目となるTVシリーズ「宇宙戦艦ヤマト」(74~75)からリアルタイムで見続けてきた旧世代のファンではありますが、その立場としても今回は非常に感慨深く見ることが出来ました。

まだ前編なので結論めいたことは申せませんが、このリブート・ヤマト、本当に面白くなっていくのはこれからかもしれません。

オリジナル版に準じつつ
さまざまな新しい設定が!

『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち』は、基本的にオリジナル版とほぼほぼ同じストーリーが展開されていきます。
(少なくとも前章はそうです)

かつて地球を滅亡の危機に陥れたガミラス星が消滅し、その双子星であるイスカンダル星が軌道を外れて暴走。

これを宇宙戦艦ヤマトは止められるか否か?



もっとも、このリブート・シリーズは既にオリジナル版とは異なる設定や展開が多々成されており、今回もそれに準じた新たな仕掛けがいろいろ設けられています。

もっとも目を引くのは「新たなる旅立ち」、映画『ヤマトよ永遠(とわ)に』(80)に続くオリジナル版のTVシリーズ「宇宙戦艦ヤマトⅢ」(80~81)で初登場した土門竜介が新たなクルーとして参加していることでしょう。
(もちろんキャラ設定などは大幅に変わっています)



つまり今回はオリジナル版のその後の要素までも先取りミックスするかのように挿入させた作りにもなっていて、これはこれで旧世代ファンとしては今後の展開がちょっと分からなくなってきた点も含めて、無視できない存在になってきています。

一方で、リブート版ならではの展開から紡ぎ出された数々の要素が今回は割かし上手い具合にはまっている感があり、またオリジナル1作目でも『2199』でもさりげなくインパクト大であった、あのキャラクターが今回は再登場します!

総体的に今回は、これまでの重責から解放され、ようやく新たなるスタッフ&キャストで新たなるヤマトを作れるという意欲が感じられてなりませんでした。

その重責とは何だったのか?



それはやはりオリジナル版の中で最高傑作の誉れ高い映画『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』(78)という存在をいかに乗り越えていくべきかという、リブート版が必ず通る宿命のようなものでもありました。

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