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2021年10月19日

上映時間6時間12分!原一男監督『水俣曼荼羅』20年を費やした最高傑作公開

上映時間6時間12分!原一男監督『水俣曼荼羅』20年を費やした最高傑作公開


『水俣曼荼羅』画像ギャラリーはこちら
 
『ゆきゆきて、神軍』の監督・原一男が、20年の歳月をかけて制作、3部構成・6時間12分で物語る水俣病についてのドキュメンタリー映画『水俣曼荼羅』の公開日が、11月27日(土)に決定した。

日本四大公害病の一つとして知られる水俣病の補償をめぐっては、いまだに根本的解決には程遠い状況が続いている。原監督はその現実に20年間、まなざしを注ぎ、さながら密教の曼荼羅のように、水俣で生きる人々の人生と物語を顕した壮大な叙事詩として作品を完成させた。



公開日の発表に併せ、水俣湾の風景を切り取った本ポスターと場面写真も解禁。また、原監督からの本作に込めたメッセージも公開された。

メッセージ

原一男監督

完成作品は、6時間を超える超長尺になった。が、作品の中に入れたかったが、追求不足ゆえに割愛せざるを得ないエピソードがたくさんある。かろうじてシーンとして成立したものより、泣く泣く割愛したシーンの方が多いくらいなのだ。

だが私たちは撮れた映像でしか構成の立てようがない。その撮れた映像だが、完成を待たずにあの世に旅立たれた人も、多い。

ともあれ、水俣病問題が意味するものは何か?水俣病は、メチル水銀中毒である、と言われていますが、その水銀が、クジラやマグロの体内に取り込まれて今や地球全体を覆っています。日本の小さな地方都市で発生した水俣病が、今や全世界の人間にとっての大きな問題になっています。ことの大きさを強く強く訴えたいと願っています。

作品紹介

第1部 病像論を糾す:川上裁判によって初めて、国が患者認定制度の基準としてきた「末梢神経説」が否定され、「脳の中枢神経説」が新たに採用された。しかし、それを実証した熊大医学部浴野教授は孤立無援の立場に追いやられ、国も県も判決を無視、依然として患者切り捨ての方針は変わらなかった。

第2部 時の堆積:小児性水俣病患者・生駒さん夫婦の差別を乗り越えて歩んできた道程、胎児性水俣病患者さんとその家族の長年にわたる葛藤、90歳になってもなお権力との新たな裁判闘争に賭ける川上さんの、最後の闘いの顛末。

第3部 悶え神:胎児性水俣病患者・坂本しのぶさんの人恋しさと叶わぬ切なさを伝えるセンチメンタル・ジャーニー、患者運動の最前線に立ちながらも生活者としての保身に揺れる生駒さん、長年の闘いの末に最高裁勝利を勝ち取った溝口さんの信じる庶民の力、そして水俣にとって許すとは?翻る旗に刻まれた怨の行方は? 水俣の魂の再生を希求する石牟礼道子さんの“悶え神”とは?

作品情報

『水俣曼荼羅』 
11月27日(土)より渋谷シアター・イメージフォーラム他にてロードショー
監督:原一男 エグゼクティブ・プロデューサー:浪越宏治 
プロデューサー:小林佐智子 原一男 長岡野亜 島野千尋 編集・構成:秦 岳志 整音:小川 武 
助成:文化庁文化芸術振興費補助金 (映画創造活動支援事業)独立行政法人日本芸術文化振興会
製作・配給:疾走プロダクション 配給協力:風狂映画舎
2020年/372分/DCP/16:9/日本/ドキュメンタリー ©疾走プロダクション 
公式HP http://docudocu.jp/minamata

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