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「さんかく窓の外側は夜」アニメならではの耽美な「ホラー×ミステリー」に目が離せない!
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実写化もされたヤマシタトモコによるベストセラーコミック「さんかく窓の外側は夜」が満を持してのアニメ化だ。
昔から霊が見えてしまう体質の書店員・三角康介。あるとき、偶然出会った除霊師・冷川理人に「これは運命」と口説き落とされて、強引に心霊探偵コンビを組むことになる。
三角は嫌がりつつも、流されるように冷川と行動を共にするようになる。
事件の依頼をこなしていくうちに刑事の半澤に依頼され、ある連続殺人事件の謎を追うことになり……。
三角の能力を利用して、冷川が除霊を行うというスタイル。冷川は魂に触れる能力を持っており、三角の魂と接触することによって、霊視能力を共有し、「霊をブン投げる」。
この魂が触れ合うのが快感らしい。三角は最初に冷川に魂を触れられたとき、あまりの快感に失神してしまう。その除霊のシーンが妙に官能的だ。「お酒やお肉、性的なものを控えると(要するに禁欲生活)、除霊するときに疲れにくくなる」と冷川は言うが、三角も除霊のあとは性的欲求が消し飛ぶと話していた。
除霊したことがないので、ちょっと何を言っているのかよくわからないけれど、とにかくそういうものらしい。
除霊シーンについては次第に見慣れてくる。が、気になるのは回を追うごとに冷川の三角に対する執着が募っていく点だ。
三角の魂にほかの能力者が触れることを嫌がり、「俺だけのもの」と縛り付ける。恋とか愛とかよりも、「魂レベルで繋がり合いたい」というのは相当な念を感じる。愛のささやきではないはずなのに、愛情が重い。言葉に声がのり、耳に響くことでその重みが増していく。
一方の三角は来るもの拒まずというか、警戒心があまりないのか、すぐに自分の魂を他人に触れさせてしまう。すぐに自分の中に入り込まれてしまうし、協力してくれと言われたら嫌と言えない。今まで詐欺被害などに遭ったことはないか心配になるレベルだ。
空気を読んだ上で流されるタイプらしく、だんだんと冷川が執着する理由が理解できてくる。
そしてこの物語のメインであるホラー要素は、アニメならではの表現だ。蠢く何か、三角が見ている霊的なもの、怪奇現象。そういった描写が細やかゆえに不気味だ。それなのに目を逸らせないのは、物語全体がまとっている耽美な空気のせいだろうか。
除霊探偵業に慣れていくにつれて、三角も冷川に対する興味を募らせていく。マイペースで何を考えているのかわからない冷川はミステリアスな存在だ。どれだけ三角が冷川の中に踏み込んでいくのかも気になるところである。
(文:ふくだりょうこ)
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(C)ヤマシタトモコ/リブレ・さんかく窓プロジェクト