<独占インタビュー>ドラマ「最愛」激動の最終回!秘書・児島彩夏役を好演の宮下かな子が見どころを語る
毎週金曜の考察合戦が止まらない話題沸騰ドラマ「最愛」(TBS)において、主人公・梨央(吉高由里子)の秘書を務める児島彩夏を好演している宮下かな子。これまでの撮影を振り返り、自身が演じた役柄への思い入れや心に残るシーンを含め、最終回の見どころを聞いた。
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自分の枠を飛び越える演出で「児島彩夏像」を築き上げた
――舞台「手の平」の公演とドラマ「最愛」の放送が被り、この秋はお忙しかったのではないでしょうか。今の率直なお気持ちを聞かせてください。舞台とドラマ、両方からの刺激を得られる目まぐるしい日々でした。舞台の稽古や公演が重なったことで、思っていたよりも「最愛」の撮影に参加できなかったのが心残りです。もっとしっかりキャストの皆さんとご一緒できたら、より楽しかっただろうなと思います。
――撮影期間を振り返って、最も印象的だったことは何ですか?
改めて、今作の演出を務められた塚原あゆ子さんの手法は印象的だと感じます。台本を読んだ上で、私なりに解釈した「児島彩夏像」を真っ直ぐに表現しようとしたところ、「もっとカラッとした感じで演じてみたら?」と、思ってもいない方向からヒントをくださいました。
自分なりの役の作り方に固執して頭がガチガチになっていたんですが、役柄の多面性をもっと自由にとらえてもいいんだな、と。「ドラマ」を作ることにおいて、いかに視聴者の方に強い印象を残すか。それを大事にされている方なんだなと感じました。
――梨央社長のスケジュールを後藤専務(及川光博)に渡していたことが発覚するシーンなど、演じるのが難しい場面もあったのではないでしょうか?
まさにその件について謝罪するシーンで、彩夏はどんな謝り方をするのか、塚原さんに細やかな部分まで演出してもらいました。きっと彩夏はこれまで大きな失敗をしたことがない人だから、これまで出したことがない強い声で、思い切って「申し訳ございませんでした!」と謝ってみたら? と。
そういった、事前に準備してきた枠内を飛び越えるような考え方は、私にはできないことだと感じました。
――他のキャストの方の演技をご覧になって、気づかれたこともありますか?
たとえば、後藤専務がエレベーターのボタンをiPadで押すシーン。それを見た塚原さんが「いいですね!」と仰っていて。その役柄がやりそうなことを、自然にできるくらいに自分に落とし込めたら、もっと多様な表現ができるなと思いました。
――宮下さんは、今作が連続ドラマへのレギュラー初出演なのだとか。
そうなんです。1シーンの撮影を終えるごとに、自分の課題を痛感しました。まだまだ頑張れることがたくさんあると思わせてくれた現場です。塚原さんの演出を受けて初めて気づくことも多く、もっと自分から「こういう表現はどうでしょう?」と提案できたらよかったな、と反省しています。
連ドラレギュラー出演で実感「吉高さんは太陽のような方」
――社長秘書を演じるにあたり、秘書検定を受けられるなどの役作りをされたのだとか。
台本に書かれていない彩夏の背景も想像しながら演じたいと思って臨みました。秘書検定も含め、事前に準備したことが「梨央社長の秘書だったら、この場面ではこう動くだろう」と想定するのに役立ったと思います。
――映画や舞台とは異なる経験になったのではないでしょうか?
ドラマの現場では「瞬発力」が大事だと学びました。○日までに撮影しなければならない明確なスケジュールがある中で、どれだけ表現できるかが勝負。吉高さんの演技を見させてもらっていると、撮影前後でスイッチが切り替わる様が見事で、改めてカッコいいなと思いました。
――吉高さんは同じ事務所の先輩でもありますね。
ご一緒できたことが光栄で、撮影期間中もずっと眩しい存在でした。キャストやスタッフの方にも声を掛けられていたり、私にも気を遣ってくださったり、自然な心配りをされていて。まさに、場の中心にいるべき太陽のような方だなと思いました。私も吉高さんのように、周囲を引っ張っていく力を身につけたいです。
――シリアスなシーンも多い作品ですが、撮影現場での吉高さんはどんな雰囲気でしたか?
梨央の父・達雄さん(光石研)が遺した動画を発見するシーンでは、さすがの吉高さんも少しピリッとした空気感を出されていたと聞きました。でも、それ以外の場面では、カットがかかった瞬間に普段の朗らかさを取り戻されていたそうです。吉高さんから得られた刺激と学びを数えたら、キリがありません。
登場人物それぞれの「最愛」がわかる最終回
――彩夏は社長秘書という立場上、梨央に寄り添いながらも客観的な視点を保っているように見えます。最も視聴者に近いポジションだと思うのですが、そういった点は意識されていましたか?
梨央が社長を務める真田ウェルネスに負担がかかる展開になってからは「どうしよう」と焦る様子が伝わっていたかもしれません。あまり自分では意識していなかったのですが、それが視聴者の方へ寄り添うことに繋がっていたら、嬉しいです。
――宮下さん自身、実際にオンエアを見て驚いた展開があったら教えてください。
後藤専務が鼻血を流すシーンには、訳のわからなさも相まって、とても驚きました(笑)。「どうしたの、後藤さん!?」って。でも、視聴者の方にインパクトを与える意味では、これ以上ない演出ですよね。
――「あの鼻血には何か意味があるのか?」と不思議に思っている視聴者の方も多いと思います。次から次へと新しい展開が起こるドラマですが、果たして最終回で物語が完結するのでしょうか?
撮影現場でも「また新しい事件が起こりそうだよね」と話すこともありました。私自身も、オンエアを見ながら続きが気になったり「あのシーンがこういう風に繋がるんだ!」と思ったりしていて。
――ついに最終回を迎える「最愛」の注目ポイントを教えてください。
最終回までハラハラする展開を楽しんでいただけるはずです。登場人物それぞれに「最愛」の人がいるんだと実感できて、切なくもドキドキする場面も。
彩夏にとっての梨央社長も、かけがえのない大切な人。それが伝わる素敵なシーンがありますので、ぜひ楽しみにしてほしいです。最後の最後まで梨央の味方でいると決めた、彩夏の覚悟が伝われば嬉しいです。
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(取材・文=北村有)
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