<徹底検証>ドラマ版「ミステリと言う勿れ」の期待と不安(※原作ネタバレあり)
キャストの魅力③:謎が謎を呼ぶ”謎の女”!?ライカ役の門脇麦
今作のキャスティングで最も驚いたのは、ライカ役の門脇麦かもしれない。原作のライカは、とある一件から入院することになった整が突然出会う”謎の女”である。彼女の特徴は、流れるようなロングヘア、切長の目、高身長。まさにクールビューティを絵に描いたような美女なのだ。門脇麦は確かに可愛らしいが、なかなか意外な人選だと言わざるを得ない。
原作でライカが初登場するのは、コミックス4巻のラスト。特徴的な登場の仕方で、その後、物語の全編を通して整とやりとりを交わす存在となる。本作の大きな特徴のひとつとして「過去のこんな些細なことが、未来でこう繋がってくるのか!」と驚かされる、巧みな伏線術があるのだが、ライカはその伏線のキーパーソンとなる重要人物だ。
門脇麦といえば、直近では映画『あのこは貴族』(2021)や『浅草キッド』(2021)『あなたの番です 劇場版』(2021)での演技が記憶に新しい。特に『あなたの番です 劇場版』では、ドラマシリーズから引き続きの出演陣に混ざり、確かな存在感を示してみせた。
加えて、ドラマ界隈での活躍も見逃せない。Amazon Primeで配信予定の「失恋めし」(2022)では、1話のみの出演にも関わらず、美味しそうに食事をするシーンが根強く印象に残る。
「ミステリと言う勿れ」で彼女が演じるライカは、本来の門脇麦が持つオリエンタルでミステリアスな印象を存分に醸し出すことになるだろう。主演・菅田将暉とは映画『二重生活』(2016)でも共演している。次はどんなタッグを見せてくれるのか、要注目である。
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キャストの魅力④:またもや恩師役!信頼の安定感を誇る演技に期待・天達春生役の鈴木浩介
鈴木浩介が演じるのは天達春生。整が通う大学の恩師・天達先生である。生徒と恩師同士で菅田将暉と鈴木浩介がタッグを組むのは、ドラマ「コントが始まる」(2021)と同じ構図だ。売れないお笑い芸人を続ける教え子たち(菅田将暉・神木隆之介・仲野太賀)を、最後まで熱く見守る真壁先生を演じた鈴木浩介。
この真壁先生と、本作の天達先生とは、また少し雰囲気が変わってくるだろう。
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原作で天達先生が初登場するのは、コミックス5巻の冒頭。初めてライカと出会った整が、今後も彼女と関わっていくべきかどうかを天達先生に相談するシーンが、実に微笑ましい。
整と天達先生は、単なる生徒と恩師に留まらない関係性でもある。そのためか「人に会い、人を知りなさい」と深い助言を整に与える場面もちらほら。「コントが始まる」の真壁先生は、愚直で、一見堅物そうに見えるが根は熱い人だった。一方「ミステリと言う勿れ」の天達先生は、常に人当たりがよく物静かで、ここぞという時に深い啓示を与えてくれるタイプ。
すっかり恩師役は板につきつつある鈴木浩介。どんなテイストで天達先生を見せてくれるのだろうか。
以上、メインキャストとなる魅力的な4名のキャスティングについて紹介した。
続いて、原作から推察できる本ドラマの見どころをピックアップしたい。極力、大きなネタバレには配慮しているが、原作未読の方はご注意頂きたい。
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(C)田村由美/小学館 (C)フジテレビジョン