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「鎌倉殿の13人」の、イケオジたちの魅力にむせ返れ!
國村隼~ただ、その場にいること~
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「鎌倉殿の13人」(C)NHK
國村隼演じる大庭景親。相模国の豪族でありながら、最期は頼朝に敗れて斬首される。その際、高笑いを上げながら首を斬られる。
「笑いながら死ねる」というのは、ある種の男子が憧れる、「もっともカッコいい死に方」のひとつである。そのシーンがカッコよく決まったのも、演じているのが國村隼であったからに他ならない。
筆者は、予備知識なしで邦画を観る際、國村隼が出てくると安心する。「この映画は面白いはずだ」と、確信する。その確信が外れたことは、ほとんどない。
國村隼は、いわゆる「カメレオン俳優」ではない。過剰に役を作りこまず、「國村隼本人」として、その場にいる。役柄に寄せていくのではなく、役柄を自分に引っ張りこんでいるように見える。
だから、ヤクザを演じても普通のおじさんを演じても、それこそ鎌倉時代の武将を演じても、「國村隼本人」が元々そういう人なのだと、思えてしまう。本当に「芝居が上手い」とは、こういうことなのではないか。
その國村隼が、珍しく役柄で「遊んでいる」作品がある。
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(C)2020「騙し絵の牙」製作委員会
それが、『騙し絵の牙』(’21)だ。
出版業界の不況の煽りを受け、廃刊の危機に晒されたカルチャー誌「トリニティ」。雑誌存続のために奔走する編集長(大泉洋)やその部下(松岡茉優)らの姿を描く。
國村隼が演じるのは、大御所作家・二階堂大作。本来カルチャー誌で書くような作家ではないのだが、話題作りのため、大泉と松岡が口説きにかかる。
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(C)2020「騙し絵の牙」製作委員会
……それはいいとして、問題はその二階堂先生のビジュアルだ。白髪混じりの豊かな髪(ヅラ)に和服。どう見てもモデルは筒井康隆先生である。偉そうながらも可愛げのある大先生を、調子に乗って(あくまでもいい意味で)楽しそうに演じる國村隼が、微笑ましい。國村隼を見て微笑ましく思ったのは、後にも先にもこの作品だけだ。
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(C)2016 TWENTIETH CENTURY FOX FILM CORPORATION
ちなみに、この作品を観てから韓国映画『哭声/コクソン』を観ると、國村隼のあまりの振り幅の広さに腰を抜かす。こちらの國村隼は、もはや人間なのかどうかも怪しい。ふんどしひとつで四つ足で山を駆け回り、鹿の生肉を喰らう。
後味のいい作品ではないので、観る人を選ぶが……。心に余裕がある時に、観てもらいたい。
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