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「ちむどんどん」第26回:せっかく東京編になったのに……なぜ借金問題ばかり描くのか


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2022年4月11日より放映スタートしたNHK朝ドラ「ちむどんどん」。

沖縄の本土復帰50年に合わせて放映される本作は、復帰前の沖縄を舞台に、沖縄料理に夢をかける主人公と支え合う兄妹たちの絆を描くストーリー。「やんばる地域」で生まれ育ち、ふるさとの「食」に自分らしい生き方を見出していくヒロイン・比嘉暢子を黒島結菜が演じる。

本記事では、その第26回をライター・木俣冬が紐解いていく。


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暢子、東京へ!(でも鶴見は神奈川)

第6週「はじまりのゴーヤーチャンプルー」(演出:木村隆志)は比嘉暢子(黒島結菜)が1972年、5月15日、沖縄がアメリカ統治から日本に返還された日に東京にやって来ます。

まずは銀座に降り立ちました。72年の5月15日は月曜日でしたが、先に上京していた前田早苗(高田夏帆)に迎えられた日は日曜日のようです。銀座が歩行者天国です。当時は、沖縄から東京まで行くのにどれくらい時間がかかったのでしょうか。いや、筆者の認識不足で当時はいつでも歩行者天国ぽかったのかもしれません。

通りではカップ麺を食べている人がいて、おそらくまんぷくラーメンではないかと想像します。やんばるの共同売店にも置いてありましたね。

人、人、人でごった返した雰囲気に慣れない暢子はいきなり「やんばるに帰るー」と叫びますが、イタリアンレストラン・アッラ・フォンターナに早苗が連れていってくれてたちまち機嫌が回復します。

アッラ・フォンターナはすごく素敵なところで、オーナー・大城房子役は原田美枝子さん、料理長・二ツ橋光二役は高嶋政伸(たかははしごだか)さん、店員・矢作知洋役は井之脇海さんと豪華キャスティングです。ランチも美味しそう。

8年前、暢子が那覇のレストランで食べた海鮮サラダの美味しさの正体ーーオリーブオイルを知ります。
8年前の味をちゃんと覚えているのがすごいですね。

オーナーも料理長もお客さんチェックが鋭く、気が利きまくりなのですが、「ここでの食事もきっと最初で最後ね」と決めつけたり、「まさかやー様」とか若干、ばかにしたように呼んだり、なんだかすこし上目線な気もしつつも、最初は主人公に冷たい感じに見せて……というパターンでしょうからスルーします。

美味しいものをおごりで食べて「やんばるのみんなにも食べさせてあげたい」と暢子がつぶやくと場面は沖縄へ。良子(川口春奈)や歌子(上白石萌歌)の近況が描かれました。これからもこんな感じで、東京と沖縄が交互に描かれそうですね。

なにはともあれ、美味しそうな料理が出てきて楽しくなってきたところ、またしても暗雲。賢秀(竜星涼)のボクシングジムを暢子が訪ねると、すでに彼の姿はありません。借金したまま消えてしまったとか……。

兄が時々飲みに行っていたと聞いて鶴見に探しにやって来ていきなり酔っぱらい数人にからまれる暢子。早苗に泊めてほしいと電話したら違う人が出たのもなんだか不穏です。

実際だったら洒落にならない猥雑なシチュエーションを童話調にやわらかめに描いているつもりなのでしょうけれど、子ども向きの娯楽だってこわいところはそれなりにこわく描くからこそ物語の意味を成すわけで。自然のない都会をもっと極端に暢子にとってこわいものとして豊かに表現できたらいいのになあと思ったりしました。

さすがに「千と千尋の神隠し」みたいにしてとは言いませんが。暢子をプリキュアのキャラのように置き換えると、酔っぱらいにからまれて長い手足を振り回して脱兎のごとく走るというシチュエーションが似合いそうなんですけどね。

朝ドラをたくさん観てきて思うのは、社会性のある難しい題材を描くことに迷ったとき、ほんのちょっとだけ要素を出しながら深く追求しないというパターンに逃げがちだと感じます。それだと知っている人には物足りず、知らない人にはまったく伝わらない。朝ドラの今後の課題は、難しい問題をどうやったら難しくなさ過ぎず、でも逃げずに、たくさんの人たちに伝えるか、その方法を考えることではないでしょうか。

とはいえ、沖縄問題にもっと切り込むべきだとも筆者は思いません。70年代の沖縄を舞台にして、でも複雑な問題だから触れないっていうどっちつかずなムードが視聴者を不安な気持ちにさせると感じているだけです。まさかと思いますが、この”どっちつかず”に沖縄の状況を重ねているのでしょうかね。

比嘉家に借金がつきまとってくるのは、未だに「半沢直樹」ヒット幻想(金融もの+逆転劇が好まれる)を引きずっているのかなという気もしないではありません。

でも、安里会長(具志堅用高)の言葉「人生のリングでは簡単にダウンするな」のように「ちむどんどん」も余計なお世話ですがダウンしないで。勝負はこれから〜


(文:木俣冬)


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