「ナンバMG5」第4話:大丸のかわいさ、それぞれの友情物語にジェットコースター情緒な神回!
間宮祥太朗が地上波ゴールデン・プライム帯ドラマ初主演を務める「ナンバMG5」が、4月13日より放送開始した。
本作は、小沢としおによる人気漫画『ナンバMG5』『ナンバデッドエンド』を実写化した“脱ヤンキー”物語で、本広克行監督がメガホンを取る。
本記事では、第4話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。
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「ナンバMG5」第4話レビュー
前回に引き続き大丸(森本慎太郎)の魅力に打ちひしがれ、剛(間宮祥太朗)と伍代(神尾楓珠)と大丸、剛と関口(岩男海史)、それぞれの友情の形に涙腺を刺激される、ジェットコースターのような情緒の第4話だった。まずは今回もかわいさ全開だった大丸に触れさせていただく。
大丸と伍代をよく思っていない千鳥と市松の先輩たちにはめられ、まんまと伍代に喧嘩を吹っ掛けてしまった大丸。瞬時にすべてを悟った伍代に対し、大丸はずっと鼻息が荒い。
もうこの単細胞な感じ(失礼)が厄介でかわいいのだが、伍代と少しやり合ったあと、ようやく状況を理解し、先輩に「うっせんだよ、AV男優!」なんて言ってしまう。思考と言葉が一直線に繋がっている感じも、こんなフレーズを大真面目に言っちゃうところも好きしかない。そしてこれを寒くならずにコメディタッチに落とし込めている森本慎太郎の技量もさすがだ。この人、コメディの天才では……?
はめられたとはいえ自身の行動に負い目を感じた大丸は、伍代を食事に誘う。ラーメン屋さんでやたらとよく食う大丸、実に気持ちがいい。ここで大丸は伍代から、剛がどんな思いで嘘の高校生活を送っているかを聞くことになる。
すると、愛しき単細胞=大丸は、剛に土下座で謝罪。当の剛は大丸からの言葉を受けて、美術部の部員たちに自分が“特服”であることを言いかけていたから、大丸は「ドッキリ大成功!」なんて小細工までする。「てってれ~」と効果音をつけちゃった瞬間には、もはやかわいいを通り越して愛おしくすらあった。
それにしても、みんな自分の考えに固執せず、ちゃんと人の話を聞き、しっかり自分の頭で考えている。だからこの作品の登場人物たちは、誠実で素直ですがすがしい。観終わったあとに爽快感が残るゆえんだろう。
思いをぶつけ、時に拳を交えるなどしても最終的には絆を深めていく剛と伍代、大丸。今回は、このヤンキー同士の友情と同等かそれ以上に熱い友情物語が、もうひとつ繰り広げられた。
剛は本屋で中学時代の同級生・関口が万引きをしようとしているところを目撃する。関口は高校でいじめを受けており、そのせいで万引きを強要させられていたのだった。
そんな関口を助けようとする剛。正直言って筆者は、それはちょっと出しゃばりすぎなんじゃないかと思った。かつての同級生とはいえ、他校の生徒がいきなり殴り込みというのはいかがなものか……。
だけど、それにはきちんと理由があった。普通の高校生活を手に入れるために図書館で勉強をしていた中学時代の剛。金髪のツンツン頭、顔は喧嘩で血だらけのまま図書館を利用していたせいで、周りの学生から陰口をたたかれていた。
それを見て見ぬ振りせず、声を震わせながらも「がんばってる人をそういう風に言うことないでしょ」「あなたたちに彼を馬鹿にする権利なんてない」と言ってのけたのが、他でもない関口だった。きっぱりと言う関口は間違いなくかっこよかったし、そのおかげで剛は応援してくれる人がいることの心強さを知ることになる。
だから剛は関口に、「もしお前さえよかったら、俺があいつらやってやろうか?」と言ったのだ。全然出しゃばりでも何でもなかった。そして関口は、剛の言葉により同級生と戦う気になった。たった1人だったとしても、味方がいるって心強い。
結局関口は同級生が金で買ったガラの悪い男たちにボコボコにされてしまったが、最後は剛がきっちり落とし前をつける。剛の努力を思って異議を唱えた関口も、身体を張って関口の借りを返した剛も、べらぼうにかっこいい。そして何より、時を経ても色褪せない友情に目頭が熱くなる。
いじめ主犯格の高校生が最後の最後まで胸糞悪い奴で、最低以外の言葉が出てこないが、そのおかげで関口が剛のことを「友だち」と言うのを聞けたし、2人の友情の尊さが際立ったので、そこだけは感謝したい。
腹を割って時に殴り合いながらも互いを知り、気付けば意気投合している剛、伍代、大丸と、見た目や境遇だけで判断せずお互いのいいところをちゃんと見極めて奥深くで分かり合っている剛、関口。友情の形は様々だし、何よりも友だちっていいなと改めて思った。今回も気分爽快のいいラストだ。
……と思いきや、帰宅した剛を待っていた市松の陣内(栁俊太郎)。「誰~」という剛の心の声には大いに笑わせてもらったが、柳俊太郎演じるミステリアスなヤンキー高校生が楽しみでたまらない!! 最後の最後まで情緒をかき乱されたが、見どころ満載の神回だった。
(文:あまのさき)
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