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「ちむどんどん」第54回:良子(川口春奈)はなぜひとりだけノースリーブなのか


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2022年4月11日より放映スタートしたNHK朝ドラ「ちむどんどん」。

沖縄の本土復帰50年に合わせて放映される本作は、復帰前の沖縄を舞台に、沖縄料理に夢をかける主人公と支え合う兄妹たちの絆を描くストーリー。「やんばる地域」で生まれ育ち、ふるさとの「食」に自分らしい生き方を見出していくヒロイン・比嘉暢子を黒島結菜が演じる。

本記事では、その第54回をライター・木俣冬が紐解いていく。

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暢子のいいところは……

シェフ代行がうまくいかなくて悩む暢子(黒島結菜)は寝坊して遅刻までしてもう取り返しがつかない……と思ったら、夢でした。昨日のレビューで暢子の遅刻を責めなくて安堵。これも朝ドラあるあるで、引っかけ問題が時々あります。

過去の朝ドラレビューで何度か指摘してきましたが、引っかけはドラマを活性化する役割もしますが、タイミングが大事で、うまくやらないと視聴者の反感を買うので要注意です。

第11週で重要なのはそこではありません。もう少し様子を見ていきましょう。

お店が休みの日。暢子は二ツ橋(高嶋政宏 たかはハシゴダカ)に相談にいっても答えはみつかりません。
うち、頭が悪いから(暢子)
悩む暢子。このセリフは謙遜ではなく暢子の知性のなさを物語っています。正確にいえば頭は悪くないでしょう。感性は鋭敏ですが知識が不足しているのです。フォンターナに入ったときに新聞社バイトや淀川先生などとの出会いで知識を得るチャンスはたくさんあったのにもったいないですけど、6年間は料理の腕をあげるために必死で勉強できなかったとしましょう。

この知識のなさは比嘉家全体の問題です。いいところを探すよりも問題点に気づき解消していったほうがいい気が余計なお世話ですがします。

賢秀(竜星涼)は間違った提案をしたすえ、俺では悔しいけど頼りにならないようだ と音を上げます(あくまで明るく)。それでも「家族の誰かを頼れ」とだけは信念をもって言います。

沖縄では優子(仲間由紀恵)が長いこと離婚したいと迷って実行できないけれど、ノースリーブで腕むきだしで強気に見える良子(川口春奈)をただただ肯定し守ろうとします(ノースリーブは良子のおしゃれ好きの名残でしょう)。「たくさんの人に助けられていろいろ教えてもらって良子たちを育てることができた」と言います。
誰がなんと言おうと世界中の人が敵になってもうちは良子の味方(優子)

やりたいことがあれば思いきりやればいいと励まし続ける優子。その気持はすごく大切だとは思いますが、あと一歩進んでほしいと観ていて思います。優子に苛立つ視聴者がいる理由のひとつはそこでしょう。晴海が将来、働きたくても働けないような世の中にしないようにしないとね、と言いながらそのために何をすべきか考えないからです。

ただ、そういう人も世の中にはいて、優子は学ぶことのできない環境にあり、それ以上を求めなくても仕方ない。賢秀も学べない人物です。一方、良子は最も学ぶ機会を得ていて、暢子も東京に出て一流のレストランで学ぶ機会を得ています。だから、良子がやがて立ち上がり、暢子もこれから学んでよりよい世の中を拓いていくはずです。

歩みはゆっくりでいいと思いつつも、そろそろどうしたらより良くなれるか登場人物に学びはじめてほしい。

学んだ末の資本主義や科学技術がはたして人類を良き道に導いたのかといえばそうでもないのはわかります。では、いま再び、自然のなかのコミュティーで助け合えば幸福なのでしょうか。

珍しくあまゆにたくさんのお客さん(労働者たち)があふれている夜、暢子は迷って優子に電話して、いいところを教えてと訊ねます。

ありがとうとごめんなさいを大きな声でいうところと言われ、はっとなる暢子。結局賢秀は真逆のことを教えていたのです。

電話が切れそうなところを、三郎(片岡鶴太郎)が客から10円を100円で買い取ると言って集め、暢子に託します。これぞ、助け合い。

ありがとうとごめんなさいさえちゃんと言えば、誰かが助けてくれる。それはすごくすてきです。とはいえ、助け合いばかりでも進歩はないし、学ぶばかりでも人間関係を損なうことがあるし、助け合いながら学んでいく、この両輪が大事ではないでしょうか。
そろそろ本題に入ってほしい(本題があると信じています)。

70年代の若者はいまよりみんなもっと大人びていた印象で(昔の映像とか写真とか見ると驚きます)、でも暢子はいつまでも子供(プリキュアの主人公くらいの年齢 中学生くらい)に見えます。二十代には見えない。黒島さんはこれまで少女なのに頭が良すぎて大人びて見える役が巧かったのですが(「SICK'S」のニノマエイトや「12人の死にたい子どもたち」のメイコなど)、今回は大人なのに子供みたいな役に挑んでいます。


(文:木俣冬)

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