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2022年06月23日

「ナンバMG5」最終話:まさに有終の美!剛(間宮祥太朗)の笑顔眩しいフィナーレに“アリガト”!!

「ナンバMG5」最終話:まさに有終の美!剛(間宮祥太朗)の笑顔眩しいフィナーレに“アリガト”!!



間宮祥太朗が地上波ゴールデン・プライム帯ドラマ初主演を務める「ナンバMG5」が、4月13日より放送開始した。
本作は、小沢としおによる人気漫画『ナンバMG5』『ナンバデッドエンド』を実写化した“脱ヤンキー”物語で、本広克行監督がメガホンを取る。

本記事では、第10話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。

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「ナンバMG5」第10話レビュー

剛(間宮祥太朗)の高校生活がダイジェストみたいに流れた冒頭。仲間たち、そして家族に、剛がどれだけ大事にされているかがわかるようで、早くも涙腺を刺激される。

暗転し流れる「終わっちまったな……」のセリフ。間宮が自身のTwitterに書いていたが、あれがクランクアップ前最後のシーンだったという。そんな裏話を知った後に聞くこの言葉は、先週よりもさらに奥行きのある、違った響きを持っていた。

剛が家を出て行き、口では「大丈夫」と言いながらも、全然大丈夫そうに見えないナオミ(鈴木紗理奈)のもとに、警察から電話がかかってくる。学校で乱闘騒ぎを起こした剛を迎えに来いというものだ。何度も歩いた河原を、勝(宇梶剛士)、ナオミ、剛の順で並んで歩く。

家族に対し散々なことを言ってしまった剛は、負い目を感じて足取りが重い。「帰れない」と言うも、勝の「帰るぞ、剛」という一言でまた歩き始める。威厳のある父ちゃんだなと改めて思う。

帰宅するなり、剛はすぐに土下座をする。嘘をついていたことや勢い任せにひどいことを言ってしまったことに、罪悪感を拭えずにいたのだろう。しかし、勝は謝るなと一蹴した。「何も悪いことしてねぇのに」「嘘だってついてねぇ」と続ける。

剛の心を軽くするためのうわべだけの言葉では、もちろんなかった。勝は自分たちが必要以上に剛に期待をし、自分たちが叶えられなかった夢をも託していたことに気づいていた。

多かれ少なかれ、どこの親もそうなってしまうのではないかと思う。だが、勝はそれを認め、謝り、好きに生きてくれるのがうれしいと伝える。勝に威厳があるのは、当たり前のようで実は難しいことを、しっかりと言動で示せるからではないか。その役に、宇梶の強面だが人間味のある風貌と、深くて柔らかい声がぴたりとハマる。

兄ちゃんが戻ってきてくれてよかったとわんわん泣く吟子(原菜乃華)。このとき、視聴者全員が彼女と同じ気持ちだっただろう。しかし、猛(満島真之介)だけは、剛のことを認めない。

教師たちによる緊急会議を経て、剛の退学処分が正式に決定してしまう。ざわつく生徒たちの中で、黙って逡巡していた島崎(春本ヒロ)。彼の頭の中にあったのは、剛とのこれまでだった。

腹を括り、壇上にいる校長に「難破からも話を聞いたのか」と、クラスメイト達の制止を押し切って詰め寄る。

今までの島崎には見られなかった行動だ。たくさん守ってくれた“アニキ”はかっこよかった。目の当たりにしてきた剛の言動が、島崎の心を強くしたのだろう。かつて部活動の停止について剛が校長に意見したときのような、理路整然とした雰囲気とは全然違ったが、ストレートな表現に胸を打たれる。島崎の中に剛が透けて見えた。

そしてそれは、藤田(森川葵)をはじめとするほかの生徒たちにも伝染していく。いかに剛が慕われていたかの証のようで、じんわりと温かい気持ちになった。

さらに、藤田らの行動はそれだけにとどまらない。なんと、剛の退学が撤回されるまで体育館に立てこもるというのだ。

大丸(森本慎太郎)の働きかけもあり、次第にその輪は他学年、教師にまで広がっていく。それは剛の人柄に裏打ちされた“人を殴る理由”を想像できたから。みんなにも、剛が白百合の生徒を、白百合という大事な場所を守ろうとして喧嘩していたことが伝わっていたからこそだろう。

一度起きたうねりは、そう簡単にはおさまらない。結局、剛の退学は一旦白紙となった。

通学路で剛を待つ藤田。停学処分中の剛は、金髪にいつものヤンキー風の私服で現れた。「白百合には戻れないよ」と頼りなげに言う剛に、藤田は「一緒に卒業しよ?」と声を掛ける。

さらに「もう喧嘩はやめて」と、剛の手を無理矢理とって指切りをしてみせる。横顔しか映らなかったけれど、あのときの藤田はきっとものすごくかわいかったことだろう。正面で見られた剛がうらやましい。これまでコメディ要素が強かった藤田だが、最終回にして急にフルスロットルでヒロインとしての存在感を発揮していた。

残る問題は、剛と猛の関係だけ。

猛は難破家に松を返しにやって来た伍代(神尾楓珠)にも「人ん家の揉めごとがそんなに面白いか」と突っかかる。それに対し伍代は、「難破は夢中になれるものを見つけた」「兄貴のくせに何で喜んでやれねぇんだよ」と殴り掛かった。

これは筆者がそう思いたいからというのも多分にあるのだが、猛は自分の道を見つけた剛を苦々しく思っているわけではないと思うのだ。自認するように「バカで単純だから」かもしれないし、ヤンキーという生き方に誇りを持っているからかもしれない。どちらにしても、受け入れるのにちょっと時間がかかっているだけ。だって、散らばった落花生をあんな風に拾える人に、悪い人はいないはずだから。

だが、この伍代の言葉が背中を押すきっかけになったのだろう、またしてもグレ(東啓介)に絡まれそうになる剛を助けに、ついに猛が登場する。猛の喧嘩は、音からして違った。1発1発が剛とも比べ物にならないくらい、重い。強さを武器に生きてきた男の本気を見せられ、背筋が伸びる思いがした。

あっさりグレを追い払い、向かい合う難破兄弟。剛の「兄ちゃん」という言い方があまりに優しくて驚く。2人はそれぞれに謝って和解した。「卒業できるといいな」という猛の言葉にほっとしたように泣きはじめる剛。この人は家族の前だと本当に子どもみたいになる。実年齢29歳の間宮が高校生にしか見えなかった。

家族って厄介で面倒だが、だからこそ愛おしい。難破家を見ていると、自分も家族に会いたくなってくる。

晴れて停学期間を終えた剛。登校すると、みんなの大歓迎が待っていた。今や校門には旗を持った難破家の面々もそろっている。これこそが、剛が2年半かけて築いてきたものだ。

家族、仲間、そして自分の居場所。どれもこれも、あって当たり前ではない。大事だからこそ、迷ったり悩んだり、時に傷つけてしまったりする。それでも逃げずに向き合い、剛はこんなにも晴れやかな顔で、その中心に立っている。シャバい恰好で、さわやかな笑顔で、全力で言った「夜露死苦~!」が、目を覆いたくなるほどに眩しかった。



3か月間、ずっと熱いものを見せ続けてくれた「ナンバMG5」も、今回でついに最終回となった。来週には特別編として「全開バリバリでアリガト編」もあるというが、剛の卒業まで、まだあと半年残っている。剛と藤田の恋模様も気になるし、校長の執拗なまでの剛への嫌悪も、まだ払しょくされていない。

続編か、映画化か。期待を抱きつつ、最高の作品を届けてくれた出演者の皆さん、制作者の皆さんに感謝を伝えたい。“最高のドラマ”をありがとうございました!!
 
(文:あまのさき)

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