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<BiSHオムニバス映画>アイナ×田辺秀伸:描かれる“一人の女性”の正体



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BiSHの6人が、6人の監督とコラボレーションした6本の映像作品で紡がれるオムニバス映画『BiSH presents PAiPAi CHiNCHiN ROCK’N’ROLL』が公開された。

そこでアイナ・ジ・エンドがタッグを組んだのは、ロックバンドからシンガーソングライター、アイドルまで、多彩なMVの監督を務める映像作家・田辺秀伸だ。田辺監督は、これまで’14年と’17年の「SPACE SHOWER MUSIC AWARDS」で「BEST VIDEO DIRECTOR」に、’18年の同賞で「VIDEO OF THE YEAR」に輝くなど、近年の音楽系映像作家の中では屈指の実力者であり、BiSHの「プロミスザスター」、「MORE THAN LIKE」、「BE READY」のMVも手がけてきた。

そんな彼とアイナ・ジ・エンドは、『リノベーション』という作品で一体どんな映像を作り上げたのだろうか?

「心に闇を抱えるダンサーの女性が、不動産屋に連れられた内見先で不思議な出来事を経験していく。踊りと映像で魅せる、一人の女性が自身のルーツを探る物語。」と謳われているが、果たしてそれは──。

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“一人の女性”とシンクロしていくのは……



冒頭、ビルの屋上らしき場所からアイナが演じる女性の部屋へと映像が切り替わる。

そして、その部屋から不動産屋へとシーンは移り、部屋を探し始めたアイナの姿が映し出される。奇妙なテンションで話す不動産屋のスタッフ。それに対して、アイナは訥々とした口調で返す。

彼女のその語り口は、これまで僕が撮影の合間やインタビューで聞いていた、本人の口調ほぼそのままだ。もちろん台本に書かれたセリフを演じてはいるのだろうが、そんな自然体の口調が聞こえてきたことで、スクリーンの中にいるダンサーの女性とアイナ本人がすぐにシンクロした。

その謳い文句に照らし合わせるなら、一人の女性とは紛れもなくアイナ・ジ・エンド本人のことなのである。

踊る人、アイナ・ジ・エンド



物語は、アイナがいる日常の中に、アイナが不意に見てしまう非日常的で奇妙な光景がインサートされる形で進んでいく。

そして、その日常と非日常は交錯し、やがて融合してアイナにも変化が訪れる。変化した彼女は、踊る。踊り続ける。それが、彼女が物語の中で探り出した自身のルーツだからだ。

かつてインタビューをしたとき、「ダンスを始めたのは幼少期?」という僕の質問に対して、「4歳のときです。入園式とか、じーっとしてなきゃいけない空間でも私は動いちゃって、多動が目立ったみたいなんですよ。それを見たママが、だったらダンススクールに通わせて、特技にしちゃえばいいんじゃないかって」(雑誌「bis」’21年3月号のBiSH連載において)と彼女は答えていたのだが、その言葉を思い出した。

やはり「心に悩みを抱えるダンサーの女性」はアイナ・ジ・エンドと限りなくニアリーイコールの存在なのだ。ダンスこそが彼女のルーツであり、彼女の自己表現の根幹であり、彼女そのものでさえあるのだと思う。

アイナ・ジ・エンドは「踊る人」であると同時に「歌う人」でもある。しかし、残念ながら劇中に歌唱シーンは登場しない。だからなのか、「リノベーション」を見終わったあとに、彼女の歌が無性に聴きたくなった。

(文:大久保和則)

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