2022年07月02日

「女性らしい仕草を鏡を見て毎晩研究しました」ドラマ「彼女、お借りします」桜田ひよりインタビュー

「女性らしい仕草を鏡を見て毎晩研究しました」ドラマ「彼女、お借りします」桜田ひよりインタビュー


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ドラマ「彼女、お借りします」でヒロイン・千鶴を演じる桜田ひより。もともと原作のファンで「千鶴ちゃんは憧れの人」と言う彼女に、役作りの秘訣や長い演技人生の中でいちばん苦労したこと、今後やってみたい役など、幅広いテーマで話してもらった。

「レンタル彼女」の役作りのために、夜な夜な鏡を見て練習したこととは?


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――このドラマで桜田さんはレンタル彼女をしながら大学生をやっているという、今までなかったような役をやられていますが、初めて台本を見たときの感想を教えてください。


桜田ひより(以下、桜田):もともと原作を読んでいて、いちファンとして物語の展開を期待していました。強い芯を持っていて、目標に向かってまっすぐ進んでいく千鶴ちゃんの姿に憧れもあります。今回そんな憧れの千鶴ちゃんを自分が演じることになって、もちろんプレッシャーもありましたし、自分を含めて個性的でキャラが濃い登場人物が多いので、バランスがいちばん大事だと思いましたね。内容もコメディで、スピード感もあるので、お互いの掛け合いだったりとか、その空間に溶け込むことも大事にしなきゃいけない部分だなと感じました。

――今回、素の「ちづる」とレンタル彼女の「千鶴」、ある意味一人二役を演じられていますが、演じ分けで気を付けていることはありますか?

桜田:撮影に入る前に、原作漫画もアニメも両方とも観返しました。その上で、“レンカノ”をやっているときは、指先の細かい仕草まで意識していて、360度どこから見てもきれいであること、「もう1回会いたい」と思ってもらえるようなあざとさを意識しています。重要なのはひじ。例えば普通に座っていても、ひじを体の内側に入れるように意識するだけで大人しい感じの女の子に見えるんです(実際に再現してくれる)。歩いているときも同じで、ひじの向きを意識するだけで女性らしくなるので、心がけています。


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――それはご自身でやろうと思ったんですか?

桜田:はい、鏡を見て研究しました。和也くんに髪のアレンジを聞くシーンも、手をつないで離すシーンも、家で夜な夜な自分の右手と左手をたくみに使って練習していました(笑)。ぜひ注目してほしいポイントですね。

あとは、個人的にいちばん頑張ったことは爪を伸ばすこと。今までこんなに長く爪を切らないことはなかったんですけど、ささいな仕草で女性らしさを出したいなと思ったときに、爪の形って重要だなと気づきました。お金を受け取るときとか、細かい仕草をするときに手に注目されるな、と。

髪の毛も、エクステに初挑戦したんです。千鶴ちゃんとして形から入っていくスイッチにもなりました。実際に原作と同じようにへそ上くらいの長さで調節してもらったり、ハーフアップをしたときに下ろしている髪の毛が少なくならないように下のほうを重点的にエクステをつけたり、細かいところにこだわってもらっています。

大学生の一ノ瀬のほうは自分の殻にこもる感じというか……。猫背にしたり、歩き方を堂々としていないように見せたり、外身も中身も正反対になるようにしています。 

――気持ち的な部分で演じ分けていることはありますか?

桜田:オンとオフじゃないけど、レンカノの千鶴ちゃんをやっているときはライオンの気分です。ひとたび歩けばみんなが振り返るみたいな、サファリパークみたいな……(一同爆笑)。360度自分が見られるのを意識した状態でいます。大学生のちづるちゃんは、モグラかな? 普段は地面の中にいて、びっくりしたらテンパってわーってなっちゃうみたいな。 

千鶴とちづる、それぞれの共感ポイントと桜田ひよりの“人生の軸”


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――今回の役柄に共感するところはありますか?


桜田:レンカノをしているときの千鶴ちゃんと、大学生のちづるちゃんはキャラが全然違うのですが、千鶴ちゃんは本当に自分とは似ていないです。理想の女の子なので、共感できるできないという次元じゃないんですよね。

反対に、ちづるちゃんが和也くんと接するときに、ほどよい距離感を保っている部分は共感できるなって思います。相手に対して過度な期待もしていないし、相手の言動でものすごく揺らぐわけではないけど、関わらないわけではなくきちんと対応している。相手との距離のはかり方がすごく上手い子だなと思います。私も人とすごく仲良くなれるタイプではなくて、程よい距離感を心地いいと感じるので、そういう部分は自分と似てるなと思いました。


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――ちづるはレンタル彼女の仕事に誇りを持っていて、学校の勉強も真面目にやっていますが、彼女の好きなところを教えてください。

桜田:そうですね……まず千鶴ちゃんは努力を惜しまない子だと思っていて、相手のために何かをしてあげるとか、相手に喜んでもらうためにはどうしたらいいかっていうのをたくさん調べて研究している“相手想い”なところが好きだなって思います。

ちづるちゃんも、芯があってしっかりしていて、気が強いとはまたちょっと違って“ひとつの大きい軸があるからブレない”ような女の子だなと思います。そういうところが好きですね。

――桜田さんがお仕事や人生で軸にされていることはありますか?

桜田:相手の話を否定しないことを心掛けています。その人にとっては普通で当たり前のことだし、自分が否定することによって自分の考えを押し付けているようになるのがすごく嫌で。否定しないからこそいろんな方の考えや意見に触れることができて、自分の選択肢も広がります。自分と違う意見の人にも「この人はこういう考え方を持っているんだな、すごく素敵だな」という考え方をするように心がけています。

共演・大西流星の印象と、彼が演じる和也の魅力は?


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――桜田さんから見た、共演の大西流星さんの印象は?


桜田:よくテレビで拝見しているのですが、いるだけで場が明るくなるし、楽しい空間に自分も入れる。まだ撮影が始まって1週間も経ってないんですけど(取材当時)、毎日すごく楽しく撮影ができるのは大西さんのおかげです。これからロケや撮影が続いたとしても、大西さんがいたら絶対場が暗くなることはないだろうなと思います。撮影してて、すごく楽しいです。まわりの方を明るくさせてくれるのは、才能ですよね。あとおしゃべり大好きなんだなって思います(笑)。

――桜田さんから見た、大西さんの役(和也)の魅力的なところは?

桜田:とにかくかわいいです。喜怒哀楽がハッキリしているので、千鶴としてそばにいるときも表情がコロコロ変わって、いじりたくなります。和也には母性本能をくすぐる魅力があるなって感じますね。

――撮影がはじまってまだ一週間くらいとのことですが、印象的だったことがあれば教えてください。

桜田:ちづると和也が住んでるアパートがあるんですけど、夜になるとカメムシが飛ぶんです。虫は大丈夫な方なんですけど、殺虫剤で対策したり、なかなか大変です(笑)。

さまざまな役に挑戦した2022年前半。これから挑戦したい役は?


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――千鶴がお客さんの趣味に合わせて勉強しているシーンがありました。役者の仕事も役のために覚えないといけないことがたくさんあると思うのですが、今まで「これは大変だった!」というエピソードがあれば教えてください。


桜田:人を殺してしまった女の子の役をやったときですね。人を殺したことなんてないし、身の回りにいないし……。その子は自分を守るために人を殺してしまったんですけど、実は自分のお父さんのためにお金をもらいたくて、というのがきっかけだったんです。殺してしまった後にお父さんと会うシーンがあったんですけど、殺しちゃったあとって人間どういう気持ちになるのかが全然わからなくて。それがいちばん難しかった役ですね。

――桜田さんが今年放送・公開された作品で演じられている役は、映画『おそ松さん』のチビ太・ドラマ「卒業タイムリミット」では秀才だけど秘密を抱えた帰国子女・今回のレンタル彼女役とすごく幅広いなと思うのですが、今後どんな役をやっていきたい、という希望はありますか?

桜田:えー、なんだろう……? うーん、殺人鬼とか。ちょっとぶっ飛んだ役をやってみたいですね。


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――ちなみに今までいちばんぶっ飛んでた役って何ですか?

桜田:容姿がいちばんぶっ飛んでたのは、やっぱりおそ松さんですよね(笑)。結構ぶっ飛んでるなって思いましたし、ファンの方はなかなか私がやるとは想像がつかなかったと思いますが、楽しかったです。

あとは『妖怪人間ベラ』で演じた牧野沙織は、ベラと関わることでおかしくなってしまい、人を閉じ込めたり傘で刺したりするような役でした。あれもトリッキーだったし、狂っていましたね。

演技で涙を流せるようになったのは6歳のとき。やれることはできればやりたい。



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――桜田さんは子役時代から現在まで、長く演技のお仕事をされていますが、いちばん苦労したのはどんなことですか?


桜田:わたしは5歳からこの仕事をやっていて、いちばん最初に苦労したのが泣く演技でした。はじめは怒るとか悲しいとか楽しいとかはできるけど、どうしても涙が出なくて。泣けるようになったのは6歳後半くらいですね。映画で泣くシーンがあって、初めて映像の中で泣けたんです。

ただ悲しんでいるだけでも気持ちが伝わればOKという監督もいらっしゃいますし、実際に涙という突き動かすものがなければ意味がないという監督もいらっしゃるので。やれることはやりたいので、涙を流すっていう作業が難しかったです。

――泣く演技のときはどういうことを考えているんですか?

桜田:当時はお母さんと一緒に台本を覚えていたのですが、ずっと一緒に練習していると、やっているうちにどんどん怒られる感じになるんです。それで悔しくなって泣いちゃって、でもお母さんはそれを狙ってたんです。「それだよ! その気持ちだよ」みたいな。そこから「あ、これが泣くっていうのか~」ってわかるようになりました。なので、考えるのは悔しいとか、お母さんがいなくなっちゃったらどうしようとか、そういうことでしたね。


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――今年の12月に二十歳になられると、役の幅もさらに広がっていくのかなと思うのですが、抱負があれば教えてください。

桜田:そうですね~、なりますね……。

社会人の役ってやったことなくて。顔が童顔だからなかなかそういう機会もないんですけど、社内恋愛の話とかちょっとやってみたいなって思います。(スタッフさん:へぇ~。)お仕事くれます?(笑) そういうのができる年齢になってきたんだなって思うと感慨深いなと思いますが、中身が全然変わってないから、このまま楽しい気持ちでお仕事していけたらいいなと思いますね。

――制服もいつまでも着られそうです。

桜田:そうですね、ギリギリまで着られたらいいなと思いますね、せっかくだから。

――さっき二十歳になりますね~、とおっしゃっていましたが、嫌だったりしますか?

桜田:嫌っていうか、時の流れが速すぎて。私はもう5月(取材時)なのかっていうことにもびっくりしてるんですよ。気分は2月くらいなのに!

4月には同級生が二十歳になるお祝いをしていて、そこでも感慨深いなと思っちゃって。でもきっと自分よりもまわりにいる人のほうが「ひよりちゃんが二十歳なんて信じられない」って思っていると思います。楽しみでもありますけど、どうなるんだろう……今後が楽しみですね(笑)。

(メイク=長島由香(MARVEE)/スタイリング=菊池奈由佳(東京衣裳)撮影=渡会春加/取材・文=ぐみ)

 

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