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「ちむどんどん」第77回:比嘉4兄妹たちはどうしてこうも生きることに不器用なのか


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2022年4月11日より放映スタートしたNHK朝ドラ「ちむどんどん」。

沖縄の本土復帰50年に合わせて放映される本作は、復帰前の沖縄を舞台に、沖縄料理に夢をかける主人公と支え合う兄妹たちの絆を描くストーリー。「やんばる地域」で生まれ育ち、ふるさとの「食」に自分らしい生き方を見出していくヒロイン・比嘉暢子を黒島結菜が演じる。

本記事では、その第77回をライター・木俣冬が紐解いていく。

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沖縄は時間がゆっくり流れている…


というような話も聞きます。

比嘉家の人たちの6、7年は本土の1年なのでしょうか。

ウークイを経て、幸せになるために頑張りはじめた比嘉4兄妹。良子はついに石川家に挨拶に向かいました。そこで御三味(ウークイでも出てきたお重に入ったお供え料理)をつくる課題を与えられます。

御三味をつくることは石川家の嫁がやるしきたりだそうです。なぜ、いままで良子はやっていないのでしょうか。結婚したばかりのときにまず向き合う問題のように思いますが。

ものすごく厳格なように見えて何年も放っておいてくれた石川家の人たち、意外と寛大ですよね。

歌子は、はりきって民謡教室に入り、暢子(黒島結菜)の結婚式で三線演奏と歌を披露しようと練習をはじめます。

例の「てぃんさぐぬ花」を練習しますが、あがり症のせいか、家でやってるようにできません。

ふだんできることが環境が変わるとできなくなってしまうことはあります。歌子は内向的なのでできなくなってしまったのでしょうね。

ウークイで「てぃんさぐぬ花」を歌っていたし、父の愛唱歌であるこの曲を、いまさら練習して、こうもうまく弾けなくなるとは、あがり症も極まれリ。本人が一番つらいでしょうね。胸が痛いです。

比嘉家の人たちを見ていると、時間ってなんだろうと考えます。昔の人が便宜上、区切りをつけたに過ぎず、時間ですべてが測れるわけではありません。何かを行うときに1年でできる人、3年かかる人、10年以上かかる人もいます。例えば、取材して本を書くのに10年くらいかかることもあります。失恋して何年も立ち直れないこともあるでしょう。

賢秀(竜星涼)の場合は、映像を飛ばし見するかのように、すぐに結果を求めます。地道に働こうと思ったものの、やっぱり一発逆転しようと、養豚場の給料の前借りを頼み、呆れられます。過程を一足飛びしようとして、結局、一歩も進めないという残念なパターンです。

良子も歌子も賢秀も、なかなか進展しなくて、なんとも不器用な印象です。

本人たちはいろいろ考えているけれど一向に改善されていかない状況、これは社会にも当てはまるのではないでしょうか。

改善したい問題を議論し続けながら、なかなか進まないこと、ありますよね。

何かこうはぐらかされ続けているような徒労感を覚える出来事が社会にはたくさんあって。もう疲れちゃって諦めてしまいそうになりますが、比嘉家のように諦めてはいけない。

良子も歌子も賢秀も「諦めない」と立ち上がります。

暢子も、和彦(宮沢氷魚)母・重子(鈴木保奈美)に、比嘉家と青柳家は家柄も常識も価値観も違うと結婚を認めてもらえませんでしたが、結婚は当人同士の問題と無視することなく、認めてもらうことを諦めません。

ここへ来てようやく、暢子の存在をはっきりと批判する人物(重子)が現れました。

これまで、暢子の言動に視聴者が違和感を覚えても、劇中では誰も指摘しないで、当たり前のように話が進んでいましたが、ついに、価値観が異なるから共生できないと明言する人物が現れたのです。これもまた、諦めないで見てきてよかったことでしょうか。「あさイチ」でも博多大吉さんが「朝ドラ受けを諦めない」と言っていました。筆者も毎日朝ドラレビューを諦めません。

比嘉家の家庭情報を調べ上げ(いまは個人情報が守られていますが、昭和の頃は、興信所を使っていろいろ調べて、縁談や就職が破談になることがあったんですよね)、ずけずけと暢子を否定する重子に苛立つ和彦。

「僕は好きで母さんの子に生まれたわけじゃない」と反発する和彦に、貧しくても家族仲良く暮らしてきた暢子は家族の愛情を説きます。家族愛を知る暢子と知らない和彦。異なる生き方をしてきたからこそふたりが結ばれるのは必然なのでしょう。

暢子は、和彦が東京から沖縄に来たとき、最初は仲良くなれなくて、賢三(大森南朋)「相手に好きになってもらうには、まず相手を好きになることさ」と言われたことを思い出します。

重子に好きになってもらうために暢子が考えたのはーー。

暢子の料理人の才能が生かされそうです。


(文:木俣冬)

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