「初恋の悪魔」第7話レビュー:星砂の手紙に涙、起きてしまった”第3の事件”
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林遣都と仲野太賀がW主演を務める「初恋の悪魔」が2022年7月16日スタート。
本作は脚本家・坂元裕二が送るミステリアスコメディ。停職処分中の刑事・鹿浜鈴之介(林遣都)、総務課・馬淵悠日(仲野太賀)、生活安全課・摘木星砂(松岡茉優)、会計課・小鳥琉夏(柄本佑)ら曲者4人がそれぞれの事情を抱えつつ難事件に挑む姿を描いていく。警察モノ、ラブストーリー、謎解き、青春群像劇……全ての要素をはらんだ物語の結末はどこへ……?
本記事では、第7話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。
「初恋の悪魔」第7話レビュー
鈴之介(林遣都)の家に星砂(松岡茉優)がいることを知ってしまった悠日(仲野太賀)と琉夏(柄本佑)。事情を知らない琉夏は、2人に対して悠日への裏切りだと怒る。鈴之介も悠日もその場で詳しく話すわけにもいかず、険悪なムードに。誰も悪くないのに、数話前のカラオケはあんなに楽しそうだったのに、一瞬だったな……。鈴之介と悠日2人の会話も、鈴之介の言葉が少なすぎるために多分誤解されている気がする。 無料メールマガジン会員に登録すると、 無料のメールマガジン会員に登録すると、
疲れ切った悠日に「睡眠とプライスレスな優しさが必要だ」と膝枕する琉夏、優しい……。寝てなさいと怒られつつ、鈴之介も星砂も悪くないんです、と一生懸命起き上がって言おうとする悠日(でも詳しくは話さない)もまたいいやつだ。
そんな中、新たな殺人事件が起こってしまう。被害者は望月蓮という男子大学生で、5年前森園(安田顕)が担当した事件、3年前リサ(満島ひかり)が逮捕された事件と手口が似ている。鈴之介と森園は、連続殺人の第3の事件だと確信する。つまり、もしそうであれば今捕まっている2人は事件を起こせないから冤罪だということだ。
しかし、蓮の彼女だった菜々美(あかせあかり)に容疑がかけられる。彼女は死亡推定時刻にひとりカラオケをしており、SNSにもその動画をアップしていたが、そこで会ったというサークル仲間たちは会っていないという。彼氏が殺されたのにカラオケ動画をSNSにアップする神経が知れない、前から蓮は別れたいと言っていたのに拒んでいたらしい、彼女が殺したのではと大学でも噂になっていた。確かに視聴者も笑顔で歌ってる動画をあげるなんておかしいなと思った。
警察側も菜々美を犯人で進めようとしていて、このままでは冤罪の被害者が生まれてしまうと、捜査を進める4人。星砂は蛇女のほうのままだが、実際の犯人を捕まえられればリサの無実を証明できると乗り気だった。
結果、大学のサークル仲間は女子高生と酒を飲んでいたのを隠したくて嘘をついていたと判明。菜々美はこのカラオケで別れの歌を歌いまくり(天城越えと夜桜お七、すごく上手い)、彼と別れるのを受け入れる決心を固めていたが、約束の時間に現れなかった……というのが真実だった。「人に見せたい顔と本当の気持ちは違う。彼女が本当はどんな気持ちだったかなんてわからない」という鈴之介のセリフが刺さった。その通りだ。
途中、琉夏に「(悠日に星砂を)返してやってくれ」と頼まれ「摘木さんは物じゃない」と答える鈴之介。それはそうだし、友達を思って頼む琉夏も、全部話せば誤解されないのにそれは言わず星砂を気遣う鈴之介も、どちらも本当にいい人で今この状況がつらい。
そして星砂(蛇女)と悠日が話し、悠日の死んだ兄・朝陽(毎熊克哉)の話になる。朝陽がリサを撃ったと聞いて「何かの間違いです、調べればわかります」という悠日、朝陽の弟である悠日のその発言により不信感を募らせる星砂。
悠日はついに、星砂(蛇女)に詰め寄り
「あなたのせいです。あなたがそこに居座ってるから摘木さんはそこにいれなくなったんでしょ?」
「出てってください。あなたはそこにいちゃいけない」
「返してください」
二重人格の人にそんなこと言うべきではない、こちらの星砂だって好きでこうなっているわけではない、前回の星砂の話だとむしろこっちの星砂がもともとの星砂かもしれない。悠日が朝陽のことを誤解だと言ったように、悠日も星砂(蛇女)のことを誤解しているが、知らないから当然なのだ。彼だって普段はこんな感じで人に詰め寄ったりしない人だし、精神的に限界だったのだろう。
鈴之介が星砂を守るように「彼女に触るな」「触らないでくれ」と言う。
ああ何だか本当につらいなあ、どっちも悪くないしなぁ。
こっち(蛇女)の星砂は、リサさえ助けられれば自分は消えたっていいと思ってるのに。そしてあっち(スカジャン)の星砂は、もう戻ってこないのだろうか。
悠日は小洗(田中裕子)のもとを訪れ、星砂を元に戻す方法を教えてくれというが、小洗は星砂(スカジャン)の書いていた日記のようなものを渡してきた。「こんなことするガラじゃないんだけど、あんたがいたからじゃない」と言う。
そこには、星砂が自分の人格がいなくなったときにそなえ、悠日に向けて書いたであろう手紙が書かれていた。
自分がどうしてこうなったか過去を知ろうとするな、ハッピーなエンドなんていらない、ほんのスプーン一杯くらいの幸せがあればそれでいいのだと。
そして悠日との、ささやかだけど幸せな思い出がつづられていた。
「私には私の思い出がある。しかも私の思い出は私だけの思い出じゃない。それがうれしい。これ以上があるか?」
そして私がいなくなっても泣くな、と。
それを読んだ悠日は「怒られちゃった」と泣きながら、笑うような表情でいい、もう何とも言えない……。
悠日も鈴之介も琉夏も2人の星砂も、みんないいやつなのに、みんながみんな幸せになることは難しくて、もう4人で笑い合えることはないのかな。
一方森園は雪松(伊藤英明)と2人になり、話を切り出していた。そんな連続殺人犯かもしれない人と2人きりになっていいのか……!? 案の定、連続殺人事件に関わる話になると話題を反らそうとし「過去のことだ」という雪松、あやしすぎる。刑事の言うこととは思えない。
最後、泣きながら妻らしき人に電話をかけ「片付いた」という雪松。も、もしかして森園、殺されちゃったの……? でも、冷酷な殺人鬼かと思ったら泣いている雪松も謎だ。ど、どういうこと……?
(文:ぐみ)
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