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「純愛ディソナンス」第11話:繊細な心理描写と役者の演技力に、今夏最も心揺さぶられたドラマ

(C)フジテレビ

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中島裕翔(Hey! Say! JUMP)が主演を務めるドラマ「純愛ディソナンス」(フジテレビ)が2022年7月14日スタート。

新任音楽教師と生徒の“純愛”を軸とする本作。高校を舞台にした第1部と大人の人間模様を描く第2部で構成され、タブーと隣合わせにある恋が次第に周囲を巻き込み“ディソナンス”(=不協和音)となっていく様を描く。

本記事では、第11話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。

「純愛ディソナンス」第11話レビュー

今期一、SNSを盛り上げた作品と言っても過言ではない「純愛ディソナンス」がついに最終回を迎えた。

「どうして、こうなったんだろう。どこから、間違えていたんだろう」

1人の生徒と1人の教師が恋に落ちた。そんなありきたりな展開で幕を開けた本作。だが、その純愛が思いも寄らぬ不協和音を奏でてきた。当の本人である、冴(吉川愛)と正樹(中島裕翔)も予想できないほどの。

始まりは5年前に遡る。全く別の世界で生きていた2人を引き合わせた音楽教師の小坂(筧美和子)が何者かに殺された。冴と正樹は小坂が加賀美(眞島秀和)と不倫関係にあったことを突き止め、痴情のもつれによる殺人として事件は解決したはずだった。

しかし、小坂を殺したのは、なんと加賀美の息子である晴翔(藤原大祐)。晴翔は家庭を壊した小坂を許せなかった。加賀美を追及した正樹のことも。

その5年後。愛菜美(比嘉愛未)という妻がいながら、再び冴に惹かれていく正樹に晴翔は恨みを募らせる。結局、自分も加賀美と同じ穴のムジナではないかと。だが、本を正せば、正樹と冴を引き離したのは愛菜美だ。

そう。「誰かを傷つけるといずれ自分に跳ね返ってくる」という正樹の言葉通り、この物語は傷つけ、傷つけられての連続だった。

北都(和田正人)と揉み合った末に階段から転げ落ち、一時意識不明となった冴。仕方なかったとはいえ、すべては正樹が賢治(光石研)の支配に屈してしまったことに始まる。

どん底の生活から抜け出すために愛菜美の手を取り、彼女の父親である賢治に言われるがまま、会社のために手を汚した正樹。それが結果的に多くの人を傷つけることになってしまった。そんな負の連鎖を断ち切るために、正樹はモノリスエステートの不正を記者会見でリークしようとする。

いつも本音を取り繕い、うまく世間を渡り歩いていた正樹が危険をおかしてでも正義を貫こうとするなんて。何にも期待せずに生きていた頃の光のない瞳に生気が宿っていく。その姿は路加(佐藤隆太)をはじめ、周囲の人間を動かした。

誰かを傷つければ自分に跳ね返ってくるように、誰かに愛を与えればそれも自分に跳ね返ってくる。冴が静(富田靖子)から逃げ続けるのではなく、真正面から向き合ったことでようやく彼女の束縛から解き放たれたように。そんな冴に、今度は正樹から手を伸ばす。こんなにも、幸せな結末が待っているとは思ってもみなかった。

「不協和音程を別の音に忍ばせれば、いい感じのハーモニーになる」

これは第2話で正樹が冴に語った言葉だ。その言葉が物語るように、生徒と教師という当初は相容れなかった正樹と冴の純愛が、ドロドロの人間関係の中で際立った。そして、2人がその純愛を貫いた先で不協和音は協和音に変わる。

本当に本当に気持ちの良いラストだった。特別な存在になることに囚われていた愛菜美と路加は愛を与え合える関係になり、慎太郎(高橋優斗)と莉子(畑芽育)にもいつか結ばれる未来が見えた。

賢治にも、加賀美にも、晴翔にも、この物語は救いの手を差し伸べる。悪役的な存在に制裁が加えられるラストはスッキリこそすれど、後味が悪い。そうじゃなくて、本作は愛情で包み込むことによって人の心は変えられることを示した。

全員に少しずつ共感できて、全員に少しずつイライラさせられて。でも、最後は全員に幸せになってほしいと思える。改めて脚本の丁寧な心理描写と、それを画面に映し出す役者の演技力が素晴らしい作品だった。

(文:苫とり子)


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